入部届け
次の日…朝、職員室に直行した。そして、
「天文部の顧問の先生居ますか?」
そう聞くと先生達は騒ついた。
「天文部の顧問は居ないわよ?」
「そうですか…。では、今はどちらに?」
「どこにも居ないわ。部って言ってもあれは殆どサークルのような所で、前の顧問は呆れて辞めたのよ。」
ちょっと待て…!おいおい聞いてないよ。そんなに問題がある訳!?顧問の先生が呆れて辞めとかヤバイだろ。マジでヤバイだろ…!でも、天文部には入りたいしなぁ…。
「じゃあ誰に入部届けを出せばいいんですか?」
「ま、まさか貴方天文部に入るつもり!?」
先生達が更に騒ついた。動揺してコーヒーのカップを落とした先生も居た。
「ま、まあそこまでは入りたいんだったら部長に出すといいわ。3年2組の夕陽 和樹先輩に出しなさい。」
そう言われて、私はほっとした。
「はい!ありがとうございました!失礼します!」
そう言って職員室を抜けて廊下をダッシュして、3年2組へ向かった。
「失礼します!1年4組の小泉 雪です。夕陽 和樹先輩は居ますか?」
今更だけど少し緊張する。上級生の教室だからかもしれない。
「夕陽 和樹は俺だけど、何の用かな?子猫ちゃん♪」
「貴方はあの時の!!」
入学式の時に私を助けてくれたあの先輩だった。
「嬉しいな。覚えていてくれたんだ♪こんな可愛い子に名前を覚えてもらえるなんて嬉しいな♪」
「えっと…。私、天文部入部希望なんですけど、入部届けを持ってきました!」
私がそう言った途端、教室が騒ついた。
「ちょっと君、天文部は辞めときなよ…。悪い事は言わないからさ…。」
と、女の先輩が声を掛けてきた。どんだけ問題があるんだと思った。でも…。
「だ、大丈夫です!私は天文部に入ります!」
そう言うと、夕陽先輩が
「そんなに熱心な部員が来るなんて嬉しいな♪勿論歓迎するよ。」
そう言って入部届けを受け取ってくれた。放課後の部活が楽しみで仕方なかった。