僕と裕太とおばあちゃん
美しい友情
僕は昔から裕太と友達だった
いつだったか
小学生の頃
裕太の両親が殺された話がクラス内で話題になった
皆は裕太を避け始めた
「今は触れない方がいい」
そう言って
裕太の事を思って話かけないのだ
と言わんばかりに...
僕はクラスの隅で今にも死んでしまいそうな顔をしてる裕太に話しかけた
「裕太!遊ぼうぜ」
この声は震えていたと思う
小さく頷いた裕太の顔は
暗いままだった...
周りからは
「こんな時に遊びに誘うなんて頭のおかしいんじゃないの?」
「俊介君さいてー」
「少しは人の気持ちを考えなよ」
とか言われた
でもほっとくことだけが本当に正解なの?
昔の僕にはわからなかった
結局、そんな事を言ってた人達は
卒業するまで...
裕太に話しかける事はなかった
中学に上がると裕太は
少しだけ明るくなった
僕以外の人と話すようにもなったし
遊ぶ機会も増えた
裕太の家に行くと優しいおばあちゃんが
出迎えてくれた
温和で明るい顔をしたおばあちゃんだった
僕がジュースをこぼした時も笑顔で
大丈夫だよ、怪我はなかったかい
と心配してくれた
そのおばあちゃんが一度だけ
泣いているところを見た
裕太が休んだ日にプリントを
届けに行ったんだ
チャイムはいつも壊れてたからいつも通りに失礼しますと声を出しながら
入ったら...見てしまったんだ
「どうして...どうしてあの子が...こんな辛い目に...ぅ」
おばあちゃんが仏壇の前で泣いているのを...
僕は駆け寄った
「どうしたの大丈夫?、おばあちゃん」
「俊介君...ご、ごめんね何でもないのよ」
明らかに無理をしていた
僕はおばあちゃんの前にある仏壇の見ると若い男性の姿が写った写真があった
見ていたのに気づいたおばあちゃんは
慌てて仏壇の扉を閉じた
「ごめんね、変なもの見せて...」
おばあちゃんは僕に謝りながら
寝込んでいる裕太をチラッと見ていた
わかった...
「大丈夫だよ!おばあちゃん」
「え?」
「僕が裕太を守るから!」