これから始めよう
時間が無くて遅くなりました
これで最終話です
読んでくださった方ありがとうございました
(*˘︶˘人)
12月31日
僕は喫茶店で裕太と会っていた
しばらくの無言が続いていた
先に口を開いたのは
裕太だった
「巻き込んで悪かったな俊介」
「いや気にしないでよ」
...また無言が続く
今度は僕から話しかけた
「もう復讐は諦めたのか?」
その発言の後、明らかに裕太の表情が変わった
「諦めるわけないだろ」
「復讐なんてやめろよ...もうあいつは捕まったんだから」
表情がさらに険しくなる
「ふさげんな!あいつは俺の親を殺したんだぞ!」
裕太は両手で机に怒りをぶつけていた
「だからって、あいつを殺した所でお前の親が生き返るわけじゃないだろ」
僕はまるでドラマの台詞みたいな事を言ってしまった
すると裕太は冷静に
「それは違う」
「え」
「俺が生き返るんだよ」
「意味がわかならないよ、裕太は生きてるだろ」
「いや俺は死んでいたよ...俺は親が死んだあの日から胸のどこかが、ぽっかりと空いたのような...何をしても、ずっとそんな感覚を抱えて生きてきたんだ。それが、あいつを見た瞬間に胸の中の空いた感覚が埋まっていたよ。俺が生きてきた意味を見つけれた気がしたんだ」
裕太の目は真っ黒で
それはまるで...
頭がおかしい人みたくなっていた
「わかったよ。とりあえず場所を変えよう...周りの人が怯えてるから」
裕太は渋々だが付いてきてくれた
向かったのは近くにある小さな丘の上
昔二人でよく遊んだ場所だ
「裕太」
「なんだよ...」
「君のその想い...僕の為に消してはくれないか」
「はぁ?何言ってるん...」
裕太が喋る前に僕は自分の言葉を被せた
「僕は裕太の友達だよね!」
「え...」
「僕は友達だと思ってる。裕太を友達として凄く大好きなんだ!」
裕太は慌てながら
「ぁ、あぁそ、そうか」
と答えた
「だから、裕太が犯罪者になったら僕は...生きていけないよ」
「なんでだよ...俺なんかが、いなくなったってお前は充分...」
「なんでそんな事言うんだよ!」
「えっ...」
「僕は...弱くて...一人前とは程遠い存在なんだ。だから
友達一人がいなくなるだけで心が壊れちゃいそうなんだよ...だからさ」
「「僕の為に」復讐を辞めてくれないか」
裕太は初めは驚いていたものの
少しすると、「なるほど」と
何かを察したかのような言葉を呟いた
「わかったよ...「お前の為に」やめるよ」
「ありがとう」
最後の日記
12月31日
なんて書いたらいいかな
この気持ちを表現する文才がないから
なんて書いたらいいかわからない
とても晴れやか...ではない
俊介に言われた
「僕の為に」という言葉
嬉しかったのは事実だった
でも復讐を生きる糧となっていたのも
事実だったわけで...
多分、俊介は
復讐と友達を天秤に掛けさせたんだ
最後まで俺の中に
善良な心?と言うべきだろうか
それがあると信じてくれていたのかも
俺が親を亡くしてから時間と
俺が俊介と友達になった楽しい時間は
同じくらいだったんだ...
気づかない間に
俺には生きる糧があったんだな
もう、なんて書いたらいいかわからないや
この日記は
終わりにしよう
そしてこれから始めよう
新しい
楽しい日記を
俺はゆっくり日記を閉じた




