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虚言と真実と「私」


拳銃を構えながら、男はニヤニヤした

顔で話始めた




「そのもう一つの世界に行く方法を教えてやる、それは...大きな未練を持って死ぬことだ。お前ら二人共仲良く連れていってやるよ」





逃げ場はなかった




あったとしても


逃げる隙はなく拳銃で撃たれるだろう




どうしたら...

裕太を守れるんだ



















ドン!!






扉が勢い良く開いた








「動くな!貴様、拳銃を下ろせ!」




先ほどの警官が拳銃を持ちながら

飛び込んできたのだ




「なんなんだお前」






「私は桐生隼人...警官だ」





「チッ」





「大人しく武器を捨て投降しろ!」




「そんなのするわけねーだ...!?」











パン!









男は拳銃を落とし、手を抑えた






警官が撃った玉が男の拳銃に当たり

衝撃で落としたのだろう







すぐに警官は男を捉え手錠をかけた



「貴様に拒否権などない」


















後日



男の話は、ほぼ虚言である事がわかった



裕太の両親の論文は


「この世界の美しさ」を綴り


「この世界の先」を思い描いたもの


だったらしい








男の言う通りではないかも知れないが


これが世界に出ていれば...







ちなみに裕太のした行為については

厳重注意となった




















事件の真実について

〜私視点〜



男は裕太君の両親と同じ研究チームだった

そこで自分よりも優れている裕太くんの両親にずっと嫉妬していたらしい


男が言うには裕太君のお父さんの色んなものを盗んで研究していたらしい

どうしたらあんな風になれるのかと...


その一つが傘だった



結局それがバレたらしい



裕太君のお父さんは

遊園地から帰ってきた後

自分の家に男を呼んで

「息子から貰った大切な物なんだ、返して欲しい」と言ったらしい


男は日頃からの嫉妬心と

息子を大切にするお父さんの発言に



キレた



男は昔、あまり良い家庭環境では

なかった為にお父さんの発言が

気持ち悪く感じたという



最低な話だった




何故、今だに傘を持っていたのか


それを聞いたときは

私も吐きそうだったよ






「息子がいつかやってくるから」










真実はいつだって残酷だ


特に相手の感情なんてものは。
















「ふー」

私はため息をついて考え事をしていた



二人の少年の話をまとめて...と




さて調書はどう書いておくとするかな...

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