行方
僕は駆け出していた
裕太から届いたメールが...
不謹慎過ぎて
まるで今から死んでしまうような
僕は近くの小さな交番に向かった
「すいません、この人を知りませんか」
携帯電話の写真フォルダーに入っていた
ちゃんと写った裕太の画像を見せた
「あぁこの子か」
「知ってるんですか!?」
「落ち着きなさい、昨日この写真の子が
ここに訪れたんだ」
「何の用でですか?」
「君と同じ理由だ」
「僕と...?」
「そうだ、人を探していると...」
「そ、それで...」
「見覚えがある気がするが分からないと
答えると彼はあっちに歩いていったよ」
交番の警察官は小さな通りで
あるのはパチンコ店と集合住宅の
閑静な道を指さした
「ありがとうございます」
「あ、君!」
「は、はい?」
「私に質問をしてきた彼は...もの凄く怒りに満ちた顔をしていた。彼のことを
知っているのなら、助けてあげてくれないか」
「分かりました、ありがとうございました!」
僕はまた駆け出した
小さな道とはいえ...
裕太がここにいるとは限らないし
探すのも大変だな
一番最初にやるべきだったかも知れないけど...電話してみるか
プルルル〜
ん?
僕が携帯をかけた瞬間にあっちの方から
音が聞こえてきた
そして
ツーツー…
切れた瞬間にあっちの音も止んだ
もしかしたら…
僕は音の鳴っていた方向に向かった




