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ヤンデレ彼女の社会復帰政策  作者: 羊羽 一
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空想と妄想

「まちこさん、そろそろ顔を見せてくれませんか? いつまでも隠していては話が進みませんよ」


 気がつくと僕はいつのまにかまちこさんの目の前に立っていた。僕は確か睡魔に襲われまんまと敗北したような気がするのだが。

 まちこさんは顔を白い布で覆っていて素顔を拝見することが叶わない。顔を見せることができない理由があるのだろうか。


 顔を隠しているキャラは素顔が大層美人であるということがよくあるので、淡い期待を胸に秘めていたりする。感づかれると気まずい空気になりそうなのですまし顔で会話を続ける。


「これはすいません。ですが私の気持ちも察して下さい。いくら普段ネット上で交流をしているつじたさんでもいざ会うとなると恥ずかしいのです」


 まちこさんの声を初めて聞いたが、声の高さからして性別は女性であると断定してもよさそうだ。


 これはますます美人説が濃厚になってきたか?期待しすぎるとろくなことにならないというのは今まで生きてきた人生の中でなんとなく理解しているが、健全(と僕は思っている)な高校生に期待するなという方が無理な話である。


「気持ちは分かります。僕も平静を装っているように見えても胸の中は羞恥心でいっぱいですから」


 本当はそれ以上に待望している気持ちが胸の中を圧迫しているのだが、勿論この件は内密にしておく。


「つじたさんも私と気持ちを共有していたんですね。なんだか気持ちが軽くなりました」


「ならその布をはいで僕を呼び出した理由をきちんと話してください」


 いてもたってもいられず、目の前にある白い布を剥ぎ取る。随分と乱暴なやり方でレディーに対するマナーがなってないと紳士に言われそうな横暴だが、今だけは目を瞑ってほしい。


「うわぁ!」


 胸の中にある期待はすぐに絶望へ変化した。


 右の眼球は消失し、代わりに自分の知識には無いような虫が這い出ている。口からは信じられないことに舌が常識的に考えてありえないほどの長さを誇っている。

『私、鼻の下に舌をつけることができるんです!』などというプチ自慢では済まないほどだ。

 この外見はまるで・・・・・・

「見てしまいましたね・・・・・・私がつじたさんを呼び出した本当の理由。それはあなたを食べちゃうことですよ!」


 妖怪そのものではないか!

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