とある少女の独白 その一
何だろう、この感情は。心の中が今までに感じたことがないほどに黒く染められていくのが手に取るように分かる。
理由は分かっている。あの女が私の大事な人を奪ったからだ。
急に出てきてなんなのあの女は。私とあの人の間には誰にも破壊することができない固い愛で結ばれているというのに。
まぁ、私たちの間に何がこようとも全く問題はないけど。そうだとしても不愉快であることは間違いない。
あの女を排除しなければならない。これ以上あの人が他の女と関わっている姿を見ていると私の気が可笑しくなってしまいそうだ。
手段は今のところ思いつかない。しかし私は客観的に見ても賢い女であるはずだ。きっといい方法が思いつく。
あの人の近くをふらふらしている害虫女もムカつくが、あの人もあの人だ。あんな女に近寄られて何故にやけた顔をしているのだ。恐らくあの女に騙されているのだろう。あの人は誰よりも素直な人だから。
まぁ、そこがあの人の魅力でもあるのだけど。あぁ、今すぐにでも抱きしめてあげたい。あの人が私から離れないように拘束してあげたい。
おっと、こんなノロケ話をしている場合ではなかった。今はあの人をあの女から救ってあげることを真剣に考えなければならない。
どうやって対処しようか。いや、もっと直接的に考えよう。
どうやって始末しようか。