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俺と彼女と狼な関係  作者: 七詩のなめ
第一章 フェンリル計画
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第五話 死闘、千本刀

死闘、千本刀


頭に来たよ。久々に。

「お前、感じが変わったな。まあ、いい。お前はここで殺されるんだからな」

俺はこいつらと仲間になって日は浅いさ。

でもな……。

「僕はそんな結末は望まないよ。勝つのは僕さ」

目の前で仲間が殺られるのは結構我慢できないもんなんだぜ?

「ふん。お前が勝つ? 寝言は寝て言うのがこの国の常識だ!」

千本刀が地面を蹴って俺へと疾走。

俺は身動きしない。

ただ、向かってくる刀を見つめるだけ。

「なっ」

俺に刀が当たる瞬間、俺は体を捻って刀を避ける。

「君は一発で僕を倒す気だったのかな? なら、謝ろうかな」

俺は微笑み頭を下げる代わりに右手を放った。

千本刀は俺の攻撃をまともに食らい壁へと一直線に吹き飛ぶ。

千本刀は壁突き破り瓦礫に体を沈ませていた。

「ふー、これで終わりかな?」

俺は瓦礫に向かって言うと瓦礫が動き出す。

「あらら、まだ終わってなかったみたいだね」

俺はクスクスと笑いながら千本刀へと疾走する。

走ったスピードを殺さないようにそのまま瓦礫ごと殴り飛ばす。

「ふん、まだまだみたいだな」

千本刀は刀で俺の攻撃をガードしていた。

そして、体を捻ったかと思いきやそのまま俺の体を横に両断するために刀を振る。

俺は余裕でそれを避けてバックステップで合い間開ける。

「ふー、なんか君は強いね。びっくりだよ。ここまで僕を追い詰めたのは君が初めてだ」

俺は全然そんな顔をしていないが内心では本気でそう思っているらしい。

さっきから焦りが俺のところまで届いていた。

「お前は一体何なんだ? 殺しのリストにも載っていなかった。お前は本当にこいつらの仲間なのか?」

「うーん。僕にはわからないな。ただ、何となくだけどそんな気がするよ。それに……今はそんなことは関係ないよ。だって、僕はさっき彼女に君を倒して欲しいと頼まれたからね」

俺はニッコリと笑った顔で千本刀に言い放つ。

結局はこいつはこういうやつなのだ。見知らぬ女の子でも、知ってる女の子でもキスをされたら願いを叶えてしまう。それも必ずだから怖いんだ。

だから、今回も必ず願いを叶えるんだ。それはもう決定事項みたいなものだから。

「そうか。なら、お前は俺の敵ということでいいんだな?」

「構わないよ」

「ならば、俺の剣技でその身を刻まれるがいい。――千本刀、扇子」

唱えると刀が応えるように形を変えていく。

刀が広がりその形は正しく扇子だった。

「その刀の構造はわからないけど、面白そうだ」

俺は久々に構えを取った。

だが、これは本当の構えではない。見ただけの真似ものだ。

「二回戦目だ。行くぞ」

千本刀が言うと空へ舞い上がる。

「何かな?」

俺はそれを呆然と見ていたがそれが間違いだった。

千本刀はいつの間にかもう一つの鞘を取り出し刀をもう一本取り出し、同じく扇子に似た形を作り上げる。

「千本刀、かまいたち」

そう言って体を捻りに捻って回転し出す。

辺りに風が吹き始める。

「なんだろうね、この風の向きは。まるで、ホントにかまいたちでも起きそうな気がするよ」

その考えはどうやら当たったらしい。風が通った後に俺の体に傷がつき始める。

「その身で感じて死ぬがいい」

どんどん勢いを増した風が俺の体を次々と刀傷を付けていく。

「ふぅん。この程度が君の技なのかい? それじゃあ僕は君を見くびっていたようだね」

俺はそこで行動を起こした。

何かを避けるように動きながらゆっくりと千本刀の方へ歩く。

「何!? まさか、避けているのか!! この風を!」

千本刀は驚きながら体の回転を早めた。だが、俺はもう攻略していて早めようが何をしようが止めることはできない。

「クッ。どこまでも俺の邪魔をする気なのだな!」

千本刀は地面に着地すると同時に刀を空に投げる。

「千本刀――」

空で回転し続ける刀に千本刀は唱えた。

「雨」

回転していた刀から無数の刃が瞬時に降ってくる。

それはまるで雨、避けることのできない雨そのものだった。

その刃は容赦なく俺に突き刺さる。

「今度こそおしまいだ。お前の死体は確認しなくても――」

「ホントに面白い人だ。いや、ホントにそう思うよ。でもね……」

その中で俺は平然と立っていた。

俺には確かに刃が突き刺さっていた。ただし、一本だけ。他の刃は寸前で全て折れていた。

驚く千本刀を矢先に俺は言う。

「この程度じゃまだ、僕は負かせないよ」

俺は千本刀の目の前に疾走、そのまま右手で頭を鷲掴みにして左手で服を掴んで擬似背負投げをする。

「グハッ!」

倒れた千本刀にかかと落としをする。

「グッ」

「ここら辺でやめてあげてもいいけど……どうする?」

「お、前に負けるくらいなら、死んだ、方が、マシだ」

血反吐を吐きながら言う千本刀。

「そうかい。あくまでも死を選ぶんだね?」

俺は右手を振り上げ最後の攻撃に入る。

『止まりなさい』

今まで聞いたことない声に驚くともに体が動かなくなったのにも驚いた。

「なんだい? これは」

体が全く言うことを聞いてくれない。

「こ、これは、あの方の最終手段ということなのか?」

千本刀も驚きながらそんなことを言い出す。

あの方? そいつが奏を苦しめるやつの名前か?

「ふん。どうせなら殺すに値するがまあいい。この場は逃げるとするか」

千本刀はそんな捨て台詞を残して消えていった。

ドクンッ

入れ替わると同時に体の拘束が解ける。

「なんだったんだ。さっきのは。……あ、あれ?」

体がクラついたかと思うと体から力が抜け地面へと倒れこむ。

そこで俺は意識を失った。


気づくとそこはベットだった。

「あ、れ? なんでベットに……」

俺が起き上がると暗い部屋の中俺だけで誰もいない。

「あ、起きた?」

すると誰もいなかった場所から一人の少女が出てきた。

「美奈、か?」

「そだよ~」

呑気な声が返ってきたよ。

「ここは……」

「私の部屋」

……は?

「なんで俺はお前の部屋にいるんだ?」

「私が連れてきたんだもん」

は、はい?

連れてきた? またどうして。

「で、電気付けようぜ?」

俺が電気を付けようとスイッチらしきものに手を伸ばす。

「あ、だ、ダメ」

美奈の声も虚しく電気は付く。

次の瞬間俺が見た光景は白く、柔らかそうな肌と胸を大きく開いた美奈だった。

「は、はい?」

数秒の沈黙が始まる。

胸を隠すわけでもなくただ何が起こったのかわかってない美奈は今の現状に気づいたらしい。

「あ、ああ、ま、ま、ま……」

美奈の平手が上がる。

「い、いや、待ってくれ、俺は何も知らなくて――」

「誠のえっちぃぃぃぃぃいいいいいい!!」

バッチーンと気持ちのいい音を上げて美奈の平手が俺の頬を弾き飛ばす。

「グゲェ」

危うく一回転するかと思った首を元に戻し頬を押さえながら俺は泣き目で美奈を見る。

美奈は俺の頭に両手でガッチリと固めた後膝で俺の顎を蹴り上げる。

「誠なんか死んじゃえぇ!」

そう言い残して美奈は部屋を飛び出す。

「な、なんでだよぉ」

俺はそれだけ言うと再び眠りに着くのだった。

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