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俺と彼女と狼な関係  作者: 七詩のなめ
第二章 政府の闇
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最終決戦 中

最終決戦


少女を倒した俺たちは階段を駆け上がり次の階へ向かった。

すると、目の前に巨人が立っていた。

「おお! あいつは倒されたか!! はははは!! これは面白いぜ!」

巨人が大声で笑い始める。

俺はそれを静かに見ていた。

「おいおい! そんなに冷たい目で見るなって! 俺は腕の京介だ。済まないがお前はここで止まって行ってもらうぞ!」

巨人が腕を回し始める。

俺はこんなところで止まるつもりは毛頭ない。

だが、通さないというのなら――

「力ずく……か」

奏を引き寄せ本日二度目のキスをする。

ドクンッ

「感じが変わったな! そういえばお前は水無月と同じだっけか!」

楽しそうに笑う巨人を俺は微笑みで見る。

隙がない。

攻撃する隙が全くない。

こいつと戦えば俺はきっと瑞菜たちを助ける力はなくなるだろう。

「奏ちゃん」

「何?」

「君たちだけで瑞菜ちゃんを助けに行ってくれないかい。僕はコイツを倒してから行くから」

「で、でも……」

「お前だけが頼りなんだ」

奏は考える。

そして、意を決したように頷き駆け出した。

それでいい。奏、みんなを頼んだぞ。

場は俺と巨人の一騎打ち。

負けるつもりは……ない!

俺と巨人は一斉にかけ出す。

そして、衝突。両者、強烈な一撃を連発し始めた。

俺のアッパーが決まったかと思いきや、巨人の右ストレートが俺の鳩尾に突き刺さる。

消耗戦。まさに消耗戦だ。

俺と巨人は一旦距離を置くためにバックステップする。

「君はなんでさっき、彼女たちを行かせたんだい?」

「ああ? 簡単だ、俺は女の扱い方がわからん。だから、いない方がマシなんだ」

なるほど、こいつはこいつなりに戦いの流儀があるのか。

俺は感心しながらも次の手を考える。

力ではあいつに勝てない。

かと言って早さもあいつの方が高そうだ。

俺ひとりでは勝てないのか?

「困ってるみたいネ!」

女の子の声が響く。

誰だ? 新手の敵か?

「もう忘れちゃったのカ? 私だヨ、紫影ネ!」

紫影? まさか、あのマフィアの!?

俺が気づくと紫影は俺の横に立っていた。

中国マフィアの頭にして武術家の紫影だ。

でも、なんでここに紫影がいるんだ?

「私、お前をずっと探してたヨ! でも、見つからないネ! 一体どこにいたヨ!」

ああ、瑞花の家は地図に載ってないからなぁ。

「……君は中国に帰ったんじゃ――」

「私はお前が欲しくなったネ。だから、お前を婿にしてから帰るネ」

紫影は当たり前のように言う。

馬鹿だ。こいつは本気で馬鹿だ。

「君のお婿になるのは置いておいて、この場をどうにかしないとそれも叶わなくなるよ?」

「それは大変ネ! あいつが敵カ?」

「う、うん」

「なら、私も手伝うネ! 一緒に戦うヨ!」

紫影は中国拳法特有の構えを取る。

俺も構えを取り直す。

「おお! これはこれは! 敵が増えたぜ!」

嬉しそうに笑う巨人。

どうやら巨人も戦う気満々だ。

俺と紫影はかけ出す。

俺は右から、紫影は左から同時に蹴りを頭目掛けて放つ。

だが、その攻撃は巨人の素早い腕がガッチリとガードしていた。

「はは、残念だなぁ! そんな攻撃は――」

「まだネ!」

紫影はガードされた腕に絡みつくようにくっ付きしゅるしゅると首目掛けて腕を伸ばす。

そして、首に腕が届いた瞬間素早い動きで首をホールドし始める。

「チッ! 舐めるな!」

紫影が首をへし折ろうとした瞬間、それよりも早く巨人が両腕で紫影の頭を鷲掴みし壁に投げつける。

俺は投げられた紫影を空中でキャッチし地面に着地する。

強い。あいつは強い。

だが、今度は一人じゃない。紫影がいる。

仲間がいるんだ。

「単体で攻撃しても埓が明かないよ。コンビネーションで行くんだ」

「わかったネ。ちゃんと私について来なさいヨ!」

紫影はかけ出す。

そのあとを俺が追う。

「また性懲りも無く立ち向かってくるのか! ふはははは!!」

笑いながら巨人は素早い攻撃を放つ。

紫影はそれを避けると再び腕に絡みつく。

「くっ!」

巨人が紫影を掴もうと手を伸ばすところに俺が心臓めがけて一撃を入れる。

「がっ!」

ハートブレイクショット。

心臓を強烈な一撃で突き刺した時に起こる現象。

心臓の動きを一瞬止め腕を落とすことができる。俺は今それを成功させた。

紫影はなんの邪魔もなく巨人の頭に手を伸ばす。

両手で頭を掴んだ瞬間紫影の体が宙を舞う。

そして、巨人の頭目掛けて紫影の膝蹴りが命中した。

巨人の体が地面に落ちていく。

勝った。

そう思った瞬間だった。

巨人が後一歩のところで踏ん張りやがった。

「お、俺は水無月の役に立ちたいんだ。そのためにはこんなところで倒れるわけには――」

必死の形相だ。

そこまで水無月を慕っているのか?

わからない。なんで水無月をそこまでして慕うんだよ!

「行くネ」

紫影が俺の胸を押す。

「ど、どうしてだい?」

「ここは私がどうにかするヨ。お前は先に行くネ」

紫影は振り向き微笑んだ。

「大丈夫ネ。いざとなったらお前に助けを求めるから。あの約束、覚えてるネ?」

あの約束。紫影とした約束。

「その顔は覚えてないネ? はぁ、しょうがないネ。『助けを求めたら助けてやる』そう言ったヨ」

あれか。

確かに言った。

まさか、覚えてるなんて。

「だから、行くネ」

もう一度、今度は強く俺の胸を押す。

俺は階段に向かって走る。振り返りはしない。彼女の決意を踏みにじりたくはないから。

俺の背後からは彼女の戦う声だけが聞こえた。

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