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俺と彼女と狼な関係  作者: 七詩のなめ
第一章 フェンリル計画
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第十九話 真実 前編

真実


俺が瑞花たちに助けられて一ヶ月。これまでいろんなやつと戦ってきた。

というよりも戦わざる負えない状況が増えた。

これも全て俺が持つ体質のせいだ。

そして、こんな体質にしたオヤジのせいなんだ。

だけど、不思議で俺は後悔を今までしてこなかった。

この体質を邪魔だと思ったことはないんだ。

人助けができるのは嬉しいし、人のためだったら何だってできる気がした。

まして、それが知人のためだったら……。

「瑞菜、瑞花たちを迎えに来たあいつらはどこにいる?」

「あはは、直球だねぇ。いいよ、着いてきて」

そう言って瑞菜は階段を上っていく。

俺もそれに付いて行くとその先は屋上だった。

「なんでボスってのは屋上とか高いところにいたがるんだ?」

「さぁねぇ。私は高所恐怖症だから高いところは嫌いだなぁ」

「以外に可愛いところもあるんだな」

一瞬、高いところに立った瑞菜が泣いているところが想像できた。

なん……だと……可愛いじゃないか!

「何だか、嫌な予感がしたんだけどなぁ」

瑞菜は体を震わせ顔を青ざめていた。

なんで俺が考えることはバレやすいんだ?

「さあ、着いたよ。全ての始まりを起こした張本人の元に」

屋上、その先にいたのはローブを羽織った二十くらいの男性が町を眺めていた。

「この組織も私をうまく利用できなかったか。まあいい。ここにフェンリルが来ていることはわかっている。いや、今は奏と呼ばれているようだね」

こいつ、奏を知っているのか?

一体、誰なんだ?

「ん? ああ、私の話をしていないようだね。いいだろう。私は黒崎黒鵜。フェンリルを落としたのはこの私だ」

俺はその言葉を聞いて全身に力が入る。

こいつが、こいつが奏にこんな人生を歩ませている張本人か!

「そんなに構えなくてもいい。私に戦う力はない。私はここでおしまいなのだ」

何だ? 今までのやつとは違う。こいつには戦闘という概念がないのか?

「瑞菜」

「何?」

「計画は……ここで完了だ。この街を、人を、全てを代償に計画は完成した」

「!? まさか!」

何だ? 何が起こっている?

「誠くん! 瑞花たちはあそこに拘束してる! 早く連れて逃げて!」

瑞菜が指差したところには確かに瑞花たちはいた。

だが、何だ。この違和感は。

瑞菜が焦っている?

ダメだ。今の俺じゃあヒントが少なすぎる。

「フェンリル計画、第一段階は数年前に完成していた。だが、あの時は第二段階、つまり発動の方法がわからなかった。しかし、今日を持ってフェンリルはここに降臨する! 私の、いや、私たちの願いは今叶ったのだ!」

俺が瑞花たちの拘束を解くと奏の悲鳴が聞こえた。

「奏!」

俺は奏の方に寄ると瑞菜にそれを阻まれた。

「どけよ!」

「行ったら死ぬよ」

瑞菜は真剣な顔で、そして、悲しそうな顔で奏を見ていた。

「神話の猛獣よ! 降臨せよ! そして、世界をリセットしろ!」

奏に耳が生え、尻尾が生え、牙は鋭くなり呻く声が大きくなる。

「かな、で? どうしたんだよ。なぁ! 奏!」

叫ぶ。

嘆く。

「始まった。私たちの目的が。世界のリセット。これで私たちは救われる」

救われる?

リセット?

わからない。なんだよそれ。

「お、お前らは何をしたんだよ。奏に何をしたんだぁぁぁぁぁぁあああああああ!!」

俺は瑞菜を振り払い奏に歩み寄る。

「なあ、奏。一緒にいろんなところ行くんだろ?」

俺が苦しんでる奏に手を差し伸べようとすると奏はこちらを向いた。

ほら見ろ、死にやしないじゃないか。奏は――

俺の目に鮮血が映る。

誰のだ? 奏? いや、奏はどこも傷ついていない。

奏の口に誰かの肉片があった。

誰のだ?

次の瞬間強烈な痛みが俺を襲う。

「ぐ、ぁぁぁあああああ!」

あの肉片は俺のなのか?

でも、いつやられた?

見えなかった。攻撃のモーションすら見えなかった。

これが奏なのか? これがフェンリルの力なのか?

「ううぅぅぅぅぅぅぅん」

奏の口から狼に似た遠吠えが発せられる。

なんだよ。何なんだよあれは!

奏なんだよな? そうなんだろ? 

奏から二撃目攻撃が放たれようとされた瞬間それよりも早く俺の腹部を強烈な蹴りが襲った。

「バカ! なんで逃げないの!」

それは瑞菜から放たれたものだった。

「タッチマインド」

瑞菜は素早く奏に触れると自前の技を使い操ろうと試みるが

「ううぅぅぅぅぅぅん!!」

「マジ……?」

どうやら効かなかったらしい。

「ふはははははははは!! そうだ! 全てを消せ! フェンリル!! 貴様にはその力がある!! 私にはなかったものがお前にはあるんだ!」

くそったれが。

なんで奏を苦しませるんだよ!

ふざけんな!

「テメェらの勝手な考えで世界を、俺たちを、奏を巻き込むな!」

俺は黒崎に向かって叫ぶ。

「貴様は何も分かっていない。世界は一度リセットしなくてはならないのだ。それが今日だった、ということだけだ」

なんだよ。なんでそんなに簡単に言えるんだよ!

「ふ、ふざ、けんな」

「ん?」

「テメェらのその馬鹿げた計画を徹底的に叩き潰してやる!」

「フェンリル。まずはあいつから殺せ」

「ううぅぅぅぅぅぅん!!」

奏は遠吠えを上げ黒崎の足元にお座りをしていた。

奏、俺はお前と戦いたくない。

でも、邪魔をするなら本気でやらせてもらう。

俺は構えを取った。

今の俺がどこまで戦えるかわからない。怪我が多い俺が今の奏に勝てるとは思わない。

「行くぞ。俺が思い描いたエンディングまで

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