第十一話 休憩中の問題
休憩中の問題
俺はどこで人生を間違えたんだろう?
今現在、俺は全身筋肉痛、右手骨折というケガを負いながらも水族館で優雅に泳ぐ魚たちを見て呆然とため息を着いていた。
「誠ぉ~! 見て見て、お魚いっぱ~い!」
キラキラと輝く目を見て俺は再びため息が漏れる。
呑気だ。非常に呑気だ。
「お~い。そんなにはしゃぐと魚に食われるぞ~?」
「え? マジ?」
んなわけあるか!
奏はまじめに俺の言葉を信じてしまい。目を強ばらせる。
「お、おお、前に食われてた人見たらな」
実際見ていない。
「そ、そうなの? あ、ホントだ。今食べられ――」
「マジで!?」
俺は奏が見ている方を見ると何もなかった。
「嘘だよ。その反応はうそだね」
「うっ」
なんと勘がいいんだ。奏は。
俺は項垂れながらも道を進む。
確かに俺は瑞花に奏を外の世界に連れて行くと言ったさ。だけど、まさかこんなことになるとは思わないだろ?
全身筋肉痛ってかなり痛いんだぞ?
こうして体を動かすことだってかなり痛いんだ。
「奏、俺少し休む――あれ?」
さっきまで隣にいた奏に話しかけるとそこには奏の姿はなくあるのは酸素と窒素と二酸化炭素という目に見えないものだけだった。
「……消えた?」
いや、どう考えても迷子だろ!?
俺は突然のことに動揺を隠せずに変なことをのたうち回っていた。
「あー、まあいっか。犬は頭いいから」
※奏はフェンリルを落とされた人つまり狼が宿っている。
再び※狼は犬ではない。
「ノォォォォォォォォオオオオオオオオオオオ!!」
俺は水族館という物静かな中で思いっきり叫んでいた。
迷子!?
あいつが迷子!?
少なくてもあいつは狙われる側だぞ!?
最の悪だ。俺が目を離したすぐに迷子かよ!
「チクショウ。探しに行かな――」
「ちょっと君。少しいいかな?」
俺は肩を掴まれ振り向くとザ・警察がそこにいた。
「な、なんでございましょうか?」
俺は震える声で、焦点の合わない目で、冷や汗をかきまくってといういかにも危ない人のモデルのような格好を見られた。
「署に同行を――」
「全力で遠慮します!!」
俺は走った。全速力でクラウチングスタートした。
奏のことを一瞬忘れるくらいの思考回路でまさに疾走というに相応しい走りっぷりを見せながら俺は走っていた。
だが、その目にはなぜか涙が流れていた。
ああ、俺はどこで人生ミスったんだろう?
そんなことより今は奏か。
俺は流れる涙を拭きながら人ごみをかき分け奏を探すが見当たらない。
「そうか。人に聞けばいいんじゃないか」
俺は今更な考えを思いつき近くにいたフードをかぶったいかにも怪しそうな人に話しかけた。
「あの人を探して――」
「君か」
「はい?」
俺、この人に会ったことあったっけ?
「……いや、なんでもない。人違いだ。で? なんだ?」
フードから見えたのはとても可愛らしい顔をした女の子だった。
歳は十三歳というところか。
「あ、ああ。今、人を探してるんですけどこれくらいの長い髪をした女の子見かけませんでした?」
俺は手と口でありったけの情報を伝えてみた。
するとフードの女の子は手を伸ばし通路の向こうを指差す。
「あっちに行ったぞ?」
「そ、そうですか。ありがとうございました」
俺はすぐさま追いかけるため通路を進んだ。
「ああ、君」
「はい?」
いきなり呼び止められ俺はコケそうになりながらも振り向く。
「今度は離さないように手でも繋いでおくんだな。また会おう」
そう言って女の子は振り向き俺とは反対方向に歩いて行った。
「は? またって……どういうことだ?」
俺は意味不明なことを言われたばかりではなく追いかける時間さえもロスしてしまった。
すぐさま振り返り追いかけようとすると目の前に奏が立っていた。
「か、奏。勝手にどっか行くなよ」
「もう、迷子になるなんて最低だよ?」
………………………俺じゃないよね?
「はあ、結局損するのは俺か」
「何? よく聞こえないよぉ」
「なんでもねぇよ。さ、もっと見てまわろうぜ。今日はお前のために来てんだからな」
俺は呆れながらも奏の手を引っ張る。
「うん! もっと見たいところいっぱいあるんだ!」
「そうかいそうかい。じゃあ、早く行こうぜ」
俺たちはそれから六時間歩き続けた。
筋肉痛? は、随分悪くなったぜ!
それから俺の怪我が治ったのは一週間後だった。




