始まり?(とりあえず。②)
「はい?」
「お前たち、さっきから何を二人だけで騒いでいる? ……おい術者共!」
イケメンは私たちに尋ねたかと思ったら、後ろを振り返ってローブ被った怪しげなオッサンたちに厳しい声をかけた。
「お前らの仕業か?どこから喚んだ?」
オッサンたちは「ひっ…!!」とか言ってビクついて青ざめている。
「こいつら二人とも、明らかに我が大陸の者ではないだろう。しかも突然現れたのを俺もしっかり見ていたが?」
後ろ姿で見えないけど、言葉1つ1つが刺々しい。イケメンがお怒りだ。
しかしまぁ低い美声がまたいい感じに耳にクる。
オッサンたちの中でも一番年とってそうな、長い白いヒゲのオッサンがプルプルしながら一歩前に進み出た。
名前わかんないから命名「勇気あるオッサン」。
「お、恐れながら…」
「何の儀式をしていた?」
怒りを含んだイケメンの声に、勇気あるオッサンはこっちをチラリと見て、「お耳を…」と、イケメンに何やらゴ ニョゴニョ内緒話をした。
するとイケメンはピクリと反応し、真面目な顔して勇気あるオッサンと共にこっちを見てきた。
「余計なことを…」
「申し訳ありませぬ。しかし私共もまさかこのような …」
「ではこの二人が?」
「いえ、どちらかかと」
意味深な会話が始まった。
「イケメンが見つめてくるよリッたん。何コレ脈あり?」
「見つめてねぇし。明らかにじろじろ観察されてんだろ」
「でも心がときめく…」
「…ばか?」
リッたん冷た―い…!!!