今なにしてる?(執務室にて)
お昼間の執務室。
「リッたーん、大広間集合って~」
スパン!!
頭はたかれた。痛い。
犯人はこの人、泣く子も黙ると噂の宰相閣下様。
もちろん怜悧で美形な超有能エリート…なんだけど、それを凌駕する毒舌鬼畜w
時折ですが、あの魔王なリドさえもこの人のコト怖いらしい。
ラスボスやびゃあw
「その間延びしたお言葉、どうにかなりませんか?イラっとします。それと集合ではなく王からの召喚命令です。」
「だって。」
「ちょーだる」
ふむ、とリディアスが頷く。
「レインの小言を各々一言で流すとは。いい腕だ」
『だって』とは丸投げする非常に便利な言葉の使用法だ、となにやらメモっていた。
王子のマイペースぶりに宰相閣下のブリザードが吹き荒れる。
「ちょっと肋骨折りたいんですがよろしいですか」
「何言っちゃってんのこの人怖い」
「知ってるけど時たま私も怖い」
宰相閣下はこんな人です。
*
「で、なんだっけ。大広間?」
リッたんがかったるそうに聞いた。
「大広間っていうからには大きくて広いんだよねー」
「当たり前です。陛下と王妃様、ならびに第一王子サイル様、大臣方、魔術師達が
揃う予定です」
宰相閣下の説明にリッたんが「げ」と声を漏らした。
「なんか新学期とかの朝礼っぽい…」
「あはは!体育館集合ちょーだりィ~みたいなね」
「校長話長ぇよみたいな」
「え、王様ってどれくらいしゃべるわけ?」
「てかうちらずっと立ちっぱ?倒れるんですけど貧血で。」
「てか座っても寝そうじゃん?足しびれるのヤなんですけどー」
「ダルいわ~。さぼりたい」
「リッたん、ここお城だから(笑)」
リッたんと二人でキャッキャうふふして話してたら、宰相閣下に超ため息つかれた。
「…ここまで敬意の感じられない会話を聞くのは初めてです」
「それについては同感だが…まぁアレだ。聞いてて面白い」
「あんな意味不明な言葉で会話が成り立っているのが不思議です」
「だが概ねニュアンスで理解できるから謎だな…」
悩める美貌の宰相閣下は、再び超重いため息をついた。
「このまま大広間に連れて行くのが恐ろしい…」
・
リッたん「美形のため息…萌えるわ」
シュリ「いやん閣下エロ―い」
閣下ハゲそう。