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リズム―音葉side
音葉の視点で書きました。最後のライブのときの彼の気持ちになります。
たった一つ、小さくていいから、誇れるものが欲しくて
ひたすら綺麗な音たちを空に散りばめた。
裸の足 蒼い水面を伝う
淋しさと幸福は紙一重。
流行りと飾り
手放せず、虚栄を張って進むだけ。
影でしぼんでいく"ありのまま"に気づくことなく、生きていくだけ。
手をいっぱい伸ばすのに
大切なものはその手をすり抜ける。
夢を見ているみたいに上手くいかない。
"どうして?"と君は泣いたね。
僕も、僕もかなしくて泣いた。
けど、泣いて終わりはもっと悲しいから
涙拭って、自分の足で歩こうと思ったんだ。
生きていきたいって思ったんだ。
だから僕はウタを歌う。
ドレミファソラシド抱きしめたら、淋しさだって
誰かを救えるでしょう?
そんなウタを作ってみせるよ。
もし、このウタが最後だとしたら、君は変わらず僕のウタが好きだって言うのかな。
そうじゃないとしても
かまわない。
生きる糧となるのなら、
それが一瞬だっていい。
願うのはただ一つ。
死なないでください。
次でラストになります。
よろしくお願いします。