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迷惑な隣人

作者: ぺいた
掲載日:2026/07/14

お隣に家が建つらしい。


今日も朝から工事の音が聞こえる。

イライラする。


こんなにうるさい音を立てるんだから、普通は工事の前に挨拶に来ない?

「騒音でご迷惑をおかけします、すみません」と、粗品の1つでも持ってくるものじゃないの?


そんな最低限の礼儀も持ち合わせない人が、お隣に越してくるのかと思うと、頭が痛くなった。


でも、こんなことじゃ、きっとお隣はよそでも恥をかくことになるわ。

ここは私が、礼儀というものを教えてあげたほうがいいかもしれないわね。

「ふふ、わたしのおせっかいにも困ったものね。これが老婆心というやつかしら」とひとりごちながら、重い腰を上げてお隣に向かった。


「ちょっと!」私は工事の人に声をかけた。


工事の音で聞こえないらしい。


「ちょっと! ちょっとあなた!」


やっとひとりの若い男の作業員がこっちに気づいたようで、機械を止めてやってきた。


「なんでしょう」


「人と話すときは帽子は外しなさい。礼儀でしょう」


「あっすみません」

作業員が帽子を脱いだ。なかなか素直じゃない。


「何の工事をしているの?」


「家を建てています」


「私は隣に住んでいる者よ。工事の音がとてもうるさいのだけど」


「お隣…? というと、どちらの…」


「見ればわかるでしょう! そこよ!」私は自分の家を指さした。


「あそこの…それはあの…すみません」

作業員は困ったような顔をして謝った。


「今時の若い人は知らないのかもしれないけど、普通は工事の前に、ご迷惑をおかけします、って挨拶に来るものなのよ?」


「はあ」


「まあ、あなたは、責任者でもないんでしょうし、こんなこと言われても困るだろうけども。私はね、親切で教えてあげにきたのよ。こんな常識も知らないようじゃ、この先苦労しますよ、って」


「そうなんですか」


「そうよ。じゃあ、施主に伝えておいてね。失礼な人が隣人じゃ、私も困るから」


「はい…」


作業員は帽子をかぶりなおし、仕事に戻っていった。

私は、若者に自分の知識を教えてあげられたことに満足していた。


◇◇◇


「えっ! お隣が、挨拶にこいって言いに来たの!?」


施主はとても驚いていた。それはそうだ。ここからお隣まで、100メートルは離れているのだから。


俺は現場の責任者。施主が工事の進み具合を見に来たので、作業員から聞いた昼間の出来事を伝えたのだ。


「うるさいって? こんなに離れてるのに聞こえるの?」


「周りが静かだからですかねえ」


「マンションの隣人トラブルでさんざんな目にあったから、自然の中で穏やかに暮らしたいと思ってここに来たのに、そんな…」


施主が頭を抱えていた。こりゃ、工事中止かなあ。


正直なところ、人間関係に疲れた人は、田舎に来るべきじゃないと思う。

「よかれと思って親切で」口を挟んでくる「迷惑な善人」がいるから。

隣が挨拶なしで建築工事を始めたのでネタにしましたw

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― 新着の感想 ―
お前がな、ってヤツですね。 そう言えばウチのお隣の空地もそろそろ家が建つようだけれど。 常識のある方に隣人になっていただきたいものですわ。
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