表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生魔族、魔法学校をレーザー・重力操作で無双する  作者: エスパトローネ
エリカ・アッシャーと変わらずの石

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/3

1 虐殺と転生

 むかしむかし、ある人間が地下へと落ちた。

 その地下には、かつて人間と戦い、そして封印された存在――魔族がいた。


 人間は魔族を、手当たり次第に殺していった。


 愛していた保母が死んだ。


 説得しようとした魔族が死んだ。


 立ちはだかった女戦士が死んだ。


 諦めかけていたアイドルが死んだ。


 そして――


「はぁ……こんなにしつこいなら、『スペシャル攻撃』を使うことになるぞ」


 ここは王城、審判の広間。

 普段は国王が儀礼用として使っていた場所だが、そこで一人戦っていた魔族がいた。


 彼の名はサミュエル。見ての通りの魔族である。

 彼は人間を止めるため――いや、「諦めさせるため」――に、今こうして戦っているのだ。


 重力を曲げ、レーザーを放ち、人間を止めようとする。

 それでも、人間はナイフを振り続けた。


 むしろ――人間は、よりしつこくなっているように見えた。


 もう、3時間はたっただろうか。

 サミュエルは、休むことなく戦い続けていた。


 そして――ついに、魔力が切れた。


「はぁ、はぁ……」


 息を切らしながら、サミュエルは人間に歩みよった。

 まだ、話を聞いてくれる――そんな希望を、胸にしながら。


 しかし――そんな希望は、ナイフの一撃で打ち砕かれた。


 人間がナイフをふる。直撃する。

 胸元から赤い液体が流れ出るが、それは止まる気配を見せない。


 サミュエルは悟った。これは助からない、と。


「はぁ……」


 死ぬのなら、いつもと同じように振る舞おうと。


「なら、パブ・グラントにでも行ってくるぜ――」


 彼はそう言うと、人間に道を譲った。

 最後に見えたのは――


「パトリック」


 彼の生きがいでもあった、最愛の弟の姿だった。


「……お前も、腹減ってるか?」


 触れようとした手は、空振りした。


 こうして、彼は死んだ。


 ▽ ▽ ▽


 オレは生まれ変わった。それも女の子に、だ。

 それに気づいたのは、4歳ぐらいの頃だった。

 それまでは夢かと思っていた。

 最初の頃は――真っ暗闇が延々と続き、奇妙な音が無数に聞こえた。


 しばらくしてぼんやりと光が見え始めたが、ここでやはりオレは夢を見ているのだと思った。身体がまったく動かなかったからだ。


 景色がクッキリと見え始めると、だんだんと現実味を感じ始めたが、それも僅かばかりだった。

 身体はやはりうまく動かせず、時折驚くほど大きな人間が自分の身体を抱きかかえるのだ。


 直ぐ側には二人の男女がいたが、口から零れるのは意味不明な音の羅列だった。

 その男女が新しい両親で、話しているのが英語だとわかったのが、ちょうど4歳の誕生日だった。


「Happy Birthday, Erika」


 眼の前に置かれたバースデーケーキをみて、俺はその事実に気付いたのだ。

 英語で「ありがとう」と答えると、母親は感激して父親を呼びに行ってしまった。

 どうやら、4歳になっても言葉を話せないオレを、相当心配していたらしい。

 短く「パパ?」と声を掛けると、父親は大喜びした。


 まぁ――それからの生活は、特に語ることもない。

 これまでもっていた能力――重力を曲げたり、レーザーを放ったり――はできるようだが、なにせこの世界はそういうのが普通じゃないらしい。


 まあ、騒ぎになるのもアレだし――ということで、オレは隠して生きることにした。

 どうせろくなことに使えないだろうし。


 オレの新しい母親であるソフィアは、知性に溢れた美しい女性だ――と、オレの新しい父親であるジェイコブは言っている。

 新しい両親はとってもお互いを愛していて、良く言えばオシドリ夫婦、悪く言えばバカップルと言った感じだ。


 というわけで、オレはちょっとしたことに能力を使いながら、普通に暮らしてきていた。


 ――そう、あの日までは。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

面白いと思ってくださりましたら、ブックマークと星5つでの評価をお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ