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第18章 もっと知りたい、だけど

楽しかったデートの夜

美咲は久しぶりに心が浮き立っていた。


家に帰っても、悠馬と過ごした時間が頭から離れない。

カフェで並んで座ったこと。映画館でこっそり笑い合ったこと。駅までの帰り道で、さりげなく手を貸してくれたこと。


そして――

「もっと知りたい」

そう言われた時の、悠馬のあたたかな目。


(知りたいって、言ってくれたけど――)


布団にくるまったまま、美咲は考える。

悠馬にそう言われて、うれしかった。心の奥がふわっと温かくなった。

だけど、同時に、少し怖くなった自分もいる。


(私も……悠馬のこと、もっと知りたいのに。)


隣にいるときのさりげない仕草。

照れた時の小さな笑い方。

好きなもの、苦手なもの、どんな音楽を聴くのか、どんな景色が好きなのか――


(私だって、もっと知りたい。)


だけど、ふとよぎる。


悠馬は、私の「笑った顔」を見たいと言っていた。

(笑った顔……マスクの下まで、ってことだよね。)


美咲はそっとマスクに触れた。

今日は外していたけれど、普段なら当然のように顔を隠している自分。

笑顔を、全部――見せられるだろうか。


(私も、知ってほしい。でも……全部、見せるって、ちょっと、怖い。)


胸の奥に、小さな波が広がる。


(悠馬に、ちゃんと、見せられるようになれるかな……。)


まだ答えは出ないまま、

美咲はそっと目を閉じた。


デートの余韻に、ほんの少しの不安を混ぜながら――

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