第16章 近づく想い
デートを楽しんだ帰り際、少し照れくさそうに歩く二人。悠馬は、どこか嬉しそうに、美咲にふと目を向けた。
「なんか、すごく楽しかったね。」
「うん、私も。」
ふわりとした言葉が交わされる中、美咲の顔がほんの少し赤くなるのを感じた。悠馬はその様子に気づかないふりをして、続けて言った。
「美咲ちゃんってさ、なんか、もっと色々な面を知りたくなるんだよね。」
「え?」
「どうしてかな。君のこと、もっと見てみたいって思う。」
言葉が少しだけ照れくさいように響いた。美咲は少し驚き、そして少しだけ目を逸らした。そう、まるで知らない自分を見せることにためらいを感じているように。
「もっと、色々知りたいな、君のこと。」
「知っても、私、何も…」
美咲は言葉を濁しながらも、心の中で、ほんの少しだけその言葉に胸を温かく感じた。悠馬の興味が、自分に向けられていることに、少し照れを感じていたからだ。
悠馬はそのまま微笑みながら、言葉を続けた。
「なんかさ、君の笑顔とか、普段の君をもっと見てみたいと思って。」
「うん、でも、今はちょっと…」
「うん、無理にじゃなくてね。」
「うん…ありがとう。」
どこか照れくさい空気が続きながらも、お互いに心地よい時間を過ごしていた。そして、帰り道の別れ際に、悠馬はふと立ち止まりながら言った。
「じゃあ、またね。」
「うん、また。」
別れ際の一言が、なんだかいつもと少しだけ違って感じた。その後、しばらく二人は歩きながら言葉を交わさず、気づけばお互いの距離が縮まっていたように思えるのだった。




