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5.ヴリトラ

「アレク様」


目を覚ますと、当たりは暗くなっていた。意識がはっきりすると先ほどのことを思い出す。


「ガイウスは!?」


クースは首を横に振る。


「奴らガイウスを治療していたから、死んではいないと思う。それでアイツらどうする」


指差した方向には、捕らえた黒王軍の魔族がいた。アレクは彼らに近づくと、いくつか質問をする。


「黒王に何があったそれと、なぜガイウスを狙った」


「黒王様は死んだ」


その言葉に一同はざわめく。世界最強と言われる魔族の王が死んだ。なぜ死んだ、まさか悪魔に殺されたのかと疑問が飛び交う。


好き勝手に言う人間に苛立ちを隠せない声で続ける。


「確かに悪魔に殺された。だが本来なら、あんな奴に負けるはずはなかった。黒王様に勝てないとわかった奴はお前ら人類を人質に取った。貴様ら人間を守るために命を差し出したんだ」


「なぜガイウスを狙った。今悪魔を殺せるのは聖槍に選ばれたアイツだけだ」


その言葉を黒王軍の魔族達は鼻で笑う。


「悪魔の呪いで聖槍は使えない、そうだろ。だから黒王様は我らに命じた、奴を殺し、聖槍に次の人間を選ばせろと。聖槍さえあれば悪魔ごときすぐに倒せる。あの男がお前らの仲間なのは分かる。だが人の未来のためにも殺してくれな―」


言葉を遮り声を荒げたアレクが割り込む。


「ふざけるなよ。アイツは俺の仲間だ、聖槍がどうした。無いなら今ある力で奴を倒せばいい。俺は今までも、そうしてきた」


アレクは少し悩み言った。


「お前らのしようとしたことは水に流してやってもいい。その代わり俺に力を貸せ」


そう言い魔族に手を差し出す。


その言葉に3人の魔族は高笑いをする。


「人間があの化け物を倒すだと笑わせる。無理に決まっているだろう。貴様では奴のいる黒王城にすら辿り着けない。どうやら人間は思っているより頭が悪いようだ」


「そうかでは死ね」


アレクが剣を抜いた瞬間、魔族達も華麗に拘束を解き戦闘体制に入る。


「待て殺すな」


静寂の平原に女の声が響き渡る。


辺りを見回すと頭から脚が生えた一つ目の小さな魔物がおり、その後ろの闇に包まれた森の中から女が現れる。


片目がなく、黒い翼の生えた、異様に括れた裸の女が、小さな魔物を抱き抱える。その姿に1人の魔族が声を上げた。


「いまさら何をしに来たヴリトラ」


ヴリトラ。その言葉にもう2人の魔族が反応する。


「奴がヴリトラ…黒王様が黒の国を造る前、実質的に魔族のトップだったと言われる、あのヴリトラ」


ヴリトラは抱き抱えた魔物の目玉をくり抜きながら話す。


「久しいな、カエル。確か名はゲーロだったか。他二人は知らん顔だな。まあいい、そこの人間よ、その魔族達は殺してはいけない。そいつらは、必ず貴様の力になる」


根拠のない言葉だが、この女の出す雰囲気による説得力がある。コイツは何物だと考えていると騎士達が騒がしい。目を向けるとクースが冷や汗をかき、膝をつき、息を荒げていた。


ヴリトラはくり抜いた目玉を自分にはめ終えると再び話し始める。


「それと黒王はまだ死んでいない。奴は選定者だからな。そいつらに力を貸せば黒王を助けられるかもしれんぞ」


「お前は何なんだ」


アレクとゲーロの言葉が重なるがゲーロが続ける。


「なぜ、いまさら俺たちに助言をしに来た。お前なら悪魔の事も黒王様の事も分かっていたはずだ。なぜ今なんだ」


ヴリトラは妖艶な笑みを浮べ、楽しそうに答える。


「悪魔が黒王に勝ったほうが、その方が面白そうだからだ。それにここでどちらが、生き残ろうが、すぐに生き残った方も死ぬ運命だからな、なら協力させた方が面白いからな。まあ好きにするといい」


話し終えるとヴリトラは翼に全身を包み、その翼を勢いよく開くと、その姿はなく辺りに黒い羽が舞うだけだった。


息を整えたクースに何があったのか聞くと奇妙な事を言った。


人間も動物も魔族も魔物も大なり小なり魔力があるが、ヴリトラには魔力が全く無かった。その代わり、魔力とは別次元のナニカがあったと。


3人の魔族がゆっくりアレクに近づくと騎士達は剣を向けた。それを下ろさせるとアレクも剣を納め彼らに近づく。


「先に断っておいて厚かましが、力を貸して欲しい」


その言葉にアレクはチッチッと指を振り言った。


「違うね。俺たちが力貸すんじゃない。俺たちに力を貸すんだ」


二人は互いの手を取り合う。


「アレクだ」


「ゲーロだ。よろしく」


「クースいったん首都に向かう。そこでデカン、モーガンと合流して、黒の国に向かう」


一行は打倒悪魔、ガイウス救出のため首都マイウェイを目指し進む。

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