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ーNo titleー  作者: 一ニ三
32/39

覚悟

 愛夢の本気に三人は絶句した。

「・・・覚悟、足りないですか?これじゃダメですか?どうしたらいいですか?」

 何も持っていないから、覚悟を示せと言われたならば差し出せるものは命しかない。それを口にすれば、もう後には戻れない事も理解はしていた。

 愛夢の覚悟に最初に応えてくれたのは美剣だった。

「そんな事、二度と言うなっ!お前の覚悟はオレがちゃんと分かっているから・・・!」

 美剣は愛夢の頭を片手で抱いた。宥めるように優しく撫でてくれる美剣の手に、ただ黙って酔いしれる。

 続いて覚悟に応えてくれたのは漁火だった。

「西宮さんが道を踏み外すような人ではない事は、誰よりも知っているつもりです。最後に試す様な事をしてしまい、本当に申し訳ありませんでした」

 漁火は心から丁寧に愛夢に謝る。心を読む事はできないが、その所作の全てに誠意が込められた謝罪に愛夢は戸惑う。

 そんな二人の間に入ったのは溝呂木だった。

「漁火君が謝る必要は無いよ。その子を最初に試したのは僕なんだから」

「溝呂木!もういいだろ!?どうせコイツが何言っても、お前は絶対に納得しないだろが!」

「そうだな・・・だが追弔は常に命懸けだ。だからその位の覚悟は最低ラインなんだよ!」

 美剣と溝呂木の間の空気が一触触発に変わる。

 漁火が二人の間に割り込むが、その空気は一瞬にして消える。変えたのは愛夢だった。

「追弔が大変なお仕事だということは分かっています!でも私の体は研究にも使えるんですよね?いくらでも使って役立ててもらって構いません!これでいいですか?認めてもらう為なら、私の血だって、骨髄だって、何だって差し出します!」

 その言葉で、場の空気が一気にザラッとしたものに変わった。三人の表情は、それぞれに驚愕や憎悪にも見えるが、何とも形容できない表情をしていた。

「西宮愛夢っ!そんな事、オレたち以外には絶対に言うな!」

「西宮さん!そんな事は絶対に言ってはいけません!」

 美剣に両肩を掴まれ目の前で叫ばれる。そして漁火も迫り来る勢いで愛夢に詰め寄った。

「・・・はい」

 二人の鬼気迫るものに愛夢は気圧されて、仕方なく折れる。だが心の何処かで、別にそうなったとしても構わないと思う自分がいた。

 しかし完璧な王子様には、小娘のその場しのぎの生返事等は全てお見通しだった。

「覚悟は伝わりました。僕が貴女のLET加入を認める条件は一つです」

 溝呂木はテーブルに置いた記入済みの書類の束を手に愛夢を睨んだ。

「・・・条件って、何ですか?」

 愛夢の質問に溝呂木は両手で書類を摘む。

 まるで今から手にあるモノを破こうとする体勢に愛夢の血の気が一気に引く。

「二度と、今の様なふざけた事を言わない事です!本気で誓わないのなら・・・今度は僕がっ、この書類を全て破り捨てるぞっ!!」

 のし掛かるような重圧が愛夢を襲う。

 溝呂木は昨日、その口で手元にある書類の重要性を愛夢に言明した。そして愛夢は今、その溝呂木が書類を破いてまで止めようとする事をやろうと考えた。

 溝呂木の端正な顔が怒りの形相に変わるのを目の当たりにした愛夢は、ようやく事の重大性を理解した。

 フロウティス部隊である溝呂木の本気の怒りへの恐れは、成らず者と対峙した時の比ではない。天と地ほど、それどころか全く違う畏れであった。

 美剣の殺気と似て非なるソレに体の芯が凍る。

 向井や担任が苛立ちをぶつける為に叫ぶ怒りとは全く違い、その声は愛夢の猫背を強制的に伸ばした。

 相手を想う本気の怒りを、ほとんど経験したことが無い愛夢は、叱られた子供の様に叫ぶ。

「二度と言いませんっ!言わないって誓います!」

 愛夢の心からの誓いに、溝呂木は見せ付けるようにして持っていた書類を下へと降ろした。

 ザラッとした空気は、ヒリついたものに変わる。

 固唾を飲んでその様子を見守っていた美剣と漁火も、ホッと息をついて体の力を抜いた。

「漁火君。書類は、これで全部?」

 溝呂木は先程までとは打って変わったように淡々と質問をする。それに漁火も姿勢を正して返答した。

「はい!全て確認も済んでいます!今すぐにでも提出可能です!」

「そう、ありがとう。事務局への提出は僕が行くよ。かなりの無茶を通しちゃったから、謝罪も兼ねてね」

 溝呂木に完全に服従した愛夢と漁火は、同時に深々と頭を下げ同じ言葉を叫んだ。

「よろしくお願いします!」

 書類を持ってエレベーターへと向かう溝呂木を三人は再び見送る。愛夢とすれ違う瞬間にも溝呂木は一瞥すらくれなかった。

 地上へ向かうエレベーターが閉まった瞬間、愛夢の膝がガタガタと震え出す。立つ事が困難な程の震えにより、前に倒れそうになる所を両側から支えられた。

「大丈夫か?」

「大丈夫ですか?」

 優しく自分の心配をしてくれる声に、ようやく愛夢の心は安らぐ。

「こっ・・・怖かったぁでしゅ〜」

 半泣きの状態で震えながら口から出た本音は舌が足りなかった。赤ちゃん言葉のような愛夢の泣きべそに、美剣と漁火は高速で首を縦に振る。

「だろうな!だがアレは、お前も悪かったぞ?」

「確かに怖かったですねー!でも西宮さん!もうあんな事は言ってはいけませんよ?」

 良かれと思って言った事が、LETに加入したならば直ぐにでも協力しようと思っていた事が、まるで最大の悪事であるかのように扱われた。

 数少ない自分の価値が一つ減った。

 そして自分の絶対の味方である美剣にすら非を攻められた様な気がして、愛夢の涙腺は決壊した。

 滝のように次々と溢れる出る涙を見た美剣と漁火は狼狽し、てんてこ舞いになる。

「あー!泣かんでくれぇ!とりあえず落ち着けー!」

「そんなに怖かったですか!?一旦座りましょう!」

 椅子に座った愛夢の周りで、美剣と漁火はひたすらに慌てていた。

「実験の検体とかは全部オレがやるから!お前は何もしなくていいんだ!ごめんな!オレが悪かった〜!頼むから、もう泣かないでくれよぉ〜!」

「溝呂木さんが怒ったのは、西宮さんを心配したからですよ?断じて疎まれた訳でありませんからね?書類も必ず事務局に提出してくださいますから、安心してください!」

 美剣も漁火も愛夢をなだめてくれるが、涙は一向に止まらなかった。

「とりあえず食え!食って元気出せ!溝呂木なんかに負けんな!アーンしろ!」

 美剣はフォークを手に取り、食べかけだったショートケーキを愛夢に口に入れた。

「はぁ!?アーンって美剣さん!調子に乗らないでください!本当はまだ接触禁止命令は続いているんですからね!」

「うっせぇ!今は緊急事態なんだよ!クリスマスの今日だけ許せ!」

 口の中のショートケーキは先程とは違い、涙と鼻水の味が混ざり美味しさは半減してしまう。だが美剣が食べさせてくれたから、結局どうあっても愛夢にとっては百点のショートケーキになってしまう。

「美味いか?元気出たか?」

「ほいひい・・・」

「西宮さん!新しく淹れた温かいお茶です!どうぞ!」

 漁火が淹れてくれた新しい緑茶は美剣が淹れた物と全く同じなのに、何故だか優しく円やかに感じる。

「ずびばぜん・・・」

 温かいお茶が詰まった鼻腔を少しずつ広げ、愛夢は少しずつ落ち着きを取り戻す。

「溝呂木は怖いか?一緒に働くのが嫌になったか?」

「いいえ。そんな事ありません!」

 美剣の問いへの答えは本心だった。

 愛夢は何故だか溝呂木を苦手だと思えなかった。

「でも自分を怒鳴った男なんて怖いだろう?お前が望むなら離して仕事させるぞ?」

 美剣の提案に愛夢は首を横に振って応えた。

「・・・私、昨日と今日で担任の先生に怒鳴られた時も、向井君に怒鳴られた時も、こんな風にはならなかったんです」

 どうしてこうなってしまったのか、愛夢は自分で記憶から原因を探っていく。

「・・・あのクソガキっ!」

「怒鳴られた?担任の先生に?西宮さんが?もしかして昨日、門限を破ってしまった事に関してですか?」

「いいえ、その前にです。私がその先生に生意気な口を利いてしまったから、怒らせてしまったんです」

 まだ何か言いたそうな漁火に愛夢は応えられなかった。自分の口から出た言葉で、記憶に引っかかりを覚えてしまったからだ。

「・・・先生?臼井先生に怒られた時と似ているかも?怖かったけど言葉がスッと入ってきて、私の為に怒ってくれたって分かったから?でも担任の先生は、これは愛のある教育だって言っていたのに・・・どうしてこんなに違うんだろう?」

 臼井と溝呂木の相手の為の愛のある叱責と、向井と担任の苦痛を与える為の侮言の違い。愛夢はその違いに気付けずに頭を悩ます。

「すみません・・・。理由は全然分からないんですけど、本当に大丈夫です!私は皆さんと一緒に働きたいんです!」

「・・・分かったよ。ほらアーン」

 気付けばケーキの部分は全て食べ終えていた。愛夢は美剣が最後に残しておいてくれた苺を頬張る。

 甘くて酸っぱい苺は溝呂木に似ていた。

 厳しく酸っぱいと思えば、優しくトロけるように甘い時もある。接してみないと分からない所が、口に入れる前の苺みたいだと愛夢は一人で静かに笑う。

「嬉しそうだな?その苺、美味かったのか?」

「はい!私、苺が1番好きなんです!」

 愛夢の本当の1番に大好きな食べ物は苺だった。

 もう好きな物を口にしても誰にもバカにされ嗤われることは無い。

 心から笑って過ごせる居場所に、愛夢はようやく辿り着いた。

「・・・そっか!そりゃあ良かった!」

 愛夢の返事に美剣も幸せそうに笑う。

 その曇りの無い笑顔には随喜の涙がうっすらと浮かんでいた。


 カボチャのケーキを食べ終える頃、エレベーターがエントランスに到着する。

 美剣と愛夢の談笑が止まり、互いに別れの時間が近づいているのだと気付く。

 漁火は愛夢が担任の話をした後から一切口を開くことはなかった。あの獲物を捉えたカラスの目をして、スマホを見つめて微動だにしない。画面だけが勝手にスクロールされていき、ただそれを注視している。そんな漁火に、愛夢は自分の所為で機嫌を損ねたのではないかと不安を口にする。だが美剣に「今は大事なお仕事中なんだよ」と言われ、漁火を見守りながら談笑を続けるしかなかった。

 溝呂木がエレベーターから降りて真っ直ぐ愛夢たちの元へと歩いてくる。

「先程、貴女の入隊書類は受理されました。これでもう誰であろうとこの決定を覆す事はできません」

「・・・っありがとうございます!」

 ようやく愛夢の悲願が叶った。

 美剣の側で、自分に出来る全ての事をやり切って皆の役に立って死ぬ。そしてマリアに幸せになってもらうという大願への最初の一歩にようやく進めた。

 愛夢は全力で感謝の言葉を述べ、席を立って頭を下げる。そんな愛夢に美剣だけが「良かったな!」と盛大な拍手をくれた。漁火は相変わらずスマホを見つめたままで、愛夢に祝福の言葉をくれることはない。

「美剣・・・お前は、まだここにいたのか?さっさと仕事に戻れよ」

「いいだろ!漁火がコレだから、オレが西宮愛夢の相手してんだよ」

 漁火は自らが話題に上ろうとも、こちらに意識を向ける事はなかった。その様子に気付いた溝呂木は「またか」と小さく呟き漁火の肩を揺する。

「漁火君!」

「・・・っあれ?溝呂木さん?お疲れ様です。どうかされましたか?」

「僕が戻ってきた事にも気付いてなかったのか?頼むからこれ以上無茶な事はしないでほしいな。君はフロウティス部隊の要なんだから」

「すみません、ご心配をおかけしました。索敵とデコイへの注力は怠っていませんので、ご安心ください」

「そういう意味で言った訳じゃないよ。とりあえず僕に出来る事は全てやったから後の事は君に任せたよ」

「承知しました。いつもありがとうございます」

「こちらこそ。じゃあ僕は仕事に戻るね」

 この場を去ろうとする溝呂木を愛夢は追う。

「溝呂木さん、今日は本当にありがとうございました。昨日お借りした上着は、漁火さんにお預けして返していただく事になりました。直ぐにお返しする事ができなくて、本当に申し訳ありません」

 上着の事を愛夢はずっと溝呂木に伝えたかった。借した物を直ぐに返してもらえない怒りで、再び叱咤されると思った愛夢は身を縮めて謝る。

「分かりました。その事に関してはこれ以上、礼も謝罪も必要ありません」

「お〜怖い怖い!西宮愛夢〜そんな男にそれ以上何も言ってやることないぞ〜!」

 美剣は溝呂木を手で追い払う仕草をしていたが、首根っこを掴まれ奥の自動ドアへと引き摺られていく。

「何すんだよ!?どうせ接触禁止は終わりなんだろ?」

「お前・・・今日の自分の有り様で、何故その考えに至れるんだ?常識的にも状況的にも、お前はあの子に必要以上に近づくべきじゃない!」

「何だかんだで会わせてくれたじゃねえかよ!だったら別に今日から禁止令解いたっていいだろ?」

「漁火君が偶々席を外した所に、偶然お前が通りかかっただけだ!例外は今日だけなんだよ!」

「この人でなし!冷酷腹黒猫被り暴君!格好つけ暴力ヒステリック男!せめて別れの挨拶だけはさせてくれよ!」

 3連の悪口を受けた溝呂木は、足を止め美剣を引きずる手を離す。自らを引いていた力が突然失われ、美剣は後頭部を床に激しく打ちつけた。痛みで声が出ないのか美剣は静かにその場で悶える。

「これで貴女との労働契約は成立しました。僕たちは業務に戻りますので、お帰りいただいて構いません。それでは、お疲れ様でした」

 距離を置いたまま別れの挨拶を言い終えた溝呂木は、愛夢にペコリと一礼した。

 愛夢も一先ず美剣を心配する気持ちを抑え、今日の礼を言う。

「皆様、お忙しい中にも関わらず沢山のお力添えとお気遣いをくださって、本当にありがとうございました。・・・もしも叶うなら、私も美剣さんにお別れの挨拶がしたいです」

「ご勝手にどうぞ。今生の別れでもあるまいに」

 溝呂木から呆れてまじりの許しを得た愛夢は美剣に向かって叫ぶ。「美剣さん!」と自分を呼ぶ声に跳ね起きた美剣も叫ぶ。

「西宮愛夢!」

 愛夢の元へ駆け寄ろうとする美剣の首根っこは溝呂木に再び掴まれた。

 最後に二人に許されたのは、遠くからの別れの挨拶のみで、これ以上の物理的接近は許されなかった。

「今日は、美剣さんに会えて・・・たくさんお話しもできて・・・本当に嬉しかったです!私、美剣さんと一緒に働けるのが、今からすごく楽しみです!」

「オレもだ!接触禁止が解かれたら、必ずお前を迎えに行く!だから待っててくれ!」

「はい!待っています!私・・・美剣さんが迎えに来てくれるまで、もう我儘は言いません!」

「今日みたいな事がまたあったら、絶対に言え!何を置いても追弔中でも駆けつけてやる!」

「はい!でも私、もう充分なんです!今日のこの約束と思い出だけで、どんな事でも我慢できます!」

「我慢すんなっ!てかお前オレの連絡先知らねぇんじゃねえか!?ちょっと待て!教えてるから!」

 愛夢の側に控えている漁火は「おやおや。接触禁止だというのに」と困ったように笑う。

 美剣の首根っこを掴んで引き摺る溝呂木も「まるで僕が邪魔者で、二人を引き裂いているみたいじゃないか」と呆れていた。

 美剣に直接会えたから、触れてもらえたから、言葉を交わせたから、どんな事でも、いくらでも頑張れる気がした。

「はーなーせー!!みたいじゃなくて正真正銘の邪魔者なんだよ!てかいきなり離しやがって!脳細胞が死んだじゃねぇか!」

「死滅する脳細胞が、まだお前にあったのか?今年一番の驚きだよ」

「年末の今日に新しい気付きを得られて良かったな!」

「世界で一番いらなかった気付きだけどな!」

 愛夢は悪態を吐き合う二人を見送る。

 互いの命を預け、言いたい事を言い合える関係、それは正に相棒と呼ぶに相応しかった。

「やっぱり、美剣さんと溝呂木さんは仲良しですね!まるで親友みたいです!」

 愛夢の感動の声に横にいた漁火は驚きの声を漏らした。

「私・・・西宮さんの仲良しの基準が分かりません」

 閉まるドアで美剣と溝呂木が見えなくなる。それと同時に「んなワケあるか!!」と叫ぶ二人の声が響く。愛夢にはそれすらも名コンビの返しに思えた。


 愛夢は帰り支度を整える。漁火は余ったケーキを二つの小箱に分けて愛夢に持たせた。

「お土産です」

「こんなに沢山は頂けません!クリスマスですから漁火さんが食べてください!」

「こんなに食べてしまったら明日の私の胃が大変な事になってしまいます!溝呂木さんは食べてくれず、旭夏さんも帰られてしまった今、このケーキの命運は西宮さんに託されました」

「えぇ・・・」

 戸惑う愛夢を漁火はエレベーターに乗るよう手で促す。愛夢はそれに従いエレベーターへと乗り込んだ。

 上へ向かう中で漁火は愛夢を説き伏せていく。

「では一つは西宮さんが寮母さんと召し上がってください。もう一つは丸山さんにお渡ししましょう」

「丸山さん?」

「西宮さんを助けてくださったガードマンさんのお名前です。丸山さんは甘い物が好物なので、お礼の品としてお渡ししましょう」

「でも、コレは漁火さんがご用意してくれたケーキなのに・・・」

 まだ納得がいかない愛夢を漁火は丸め込んでいく。

「私が学校まで西宮さんをお迎えに行っていれば今日の事は防ぐ事ができたんです。ですからコレは、私からのお詫びの品と、西宮さんからのお礼の品、という事にしてください」

「分かりました。ありがとうございます、漁火さん」

 こういう時の漁火が強敵である事を愛夢は知っている。だからこそ今日は素直に折れる事ができた。

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