表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/27

アンケートの結果 運営

ワンオン運営にて


「この前のアンケートの結果出ましたよ」

「おっ、さすがに、反対の方が多数だろ?」


 PKに関するアンケートの結果が出たため、社員達がぞろぞろと集まってくる。


「そうですね。反対が八割、賛成が二割です。治安の悪化などが理由みたいですね。こちらの懸念とも一致します」

「多数決で決まったからな。これなら、賛成派からの要望も少なくなるだろ」


 運営に寄せられる要望は、プレイヤー総数と比べると、そこまで多くはない。同じプレイヤーから寄せられる要望を除くと、さらに少なくなる。その中で、目立つ要望がPKに関するものだった。他ゲームでPKをしていたプレイヤーが、ワンオンでのPKの旨みがない事に要望をだしていると社員達は見ていた。

 プレイヤー全体で見れば、少数派になるだろうが、要望欄に寄せられるものの中からしたら、多数派のようになっていたため、運営としても対応しないといけないと感じ、今回のアンケートを行ったのだった。

 アンケートの結果を載せてから、PKに関しては変えるつもりがないと言った方が、相手も諦めるという考えもある。


「後は、どうしますか? PvPの機能を充実させるって方向にします?」

「案で出ていたのは、闘技場でのランキング戦と賭け機能の追加だったか?」

「後は、PvPイベントの定期開催もだな」

「それもあったか。PvPイベントなぁ……この前みたいな感じなるのも困るんだよな」

「あの一対多の状況ですか?」


 社員が話しているのは、ハクが集団と戦った時の事だった。


「あれも、妬みから起こった自体だったからな。BAN対応を少し厳しめにしているから、今はPKを抑えられているが、下手したら、あれが通常エリアでも起こるかもしれないんだよな」

「その鬱憤をイベントで吐き出すなって感じだよな。あれのせいで、一位に届くプレイヤーが限られていた事だし」

「でも、共闘を認めているから、あれも不正行為としては認定出来ないんですよね。上手く考えたなって思っちゃいましたよ」


 社員達の乾いた笑いが重なる。それと同時に、パソコンと向き合っていた社員が声を上げる。


「あっ、『東方の守護者』が始まった」

「は? まだ発動キーが……って、あのプレイヤーか」

「ID的にそうですね」


 これを聞いて、社員全員が納得したような表情になった。


「北のボス戦でか?」

「そうですね」

「ん? って事は血瓶からの発動だよな。氷炎竜もテイムか……トラブルが起きそうだな」

「トラブルを未然に防ぎたいけど、こればかりは、どうしようもないですね。テイム確率を調整しますか?」

「いや、テイム確率は、低いままの方がバランス良いだろう。パーティーに加算されない戦力だからな。下手すると、ヌルゲーになる」

「家持ちだったか?」

「えっと……いえ、持ってないですね。ギルドにも所属していないので、ギルドエリアも持っていません」

「確か、あの条件でテイムした竜は、懐き度マックスだったよな。そうしたら、空での待機でも問題ないだろ。そもそも竜系は、頭良いように設定しているし」

「取り敢えず、トラブルが起きて通報が来たら、即刻対応する。これを徹底しよう。BANに段階も設けた事だしな」


 ここで一人の社員が手を鳴らす。


「無駄話はこれくらいにして、作業に戻れ。残業になるぞ」

「「うぃ~」」


 社員達は、それぞれの作業に戻っていく。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ