6-7 襲撃(2)
ご愛読有難う御座います。
突然のリニューアルで驚きました。何処に小説を書けば良いのか解らないし、下書きはどっかに行っちゃうしで焦りました。
今回はオリンポスの襲撃に対応するレオン達です。
遺跡探索の帰り道、襲撃をかけて来たオリンポス、敵の連携不足から約半数を殲滅したがレベル6のアーレスとヘスティアが攻めて来た。レオン達ピーンチ!!
<コトネ対レベル5>
レベル5の一人と対峙したコトネだが、近衛の人間が前に出ない。
コトネはフェリ様が心配で対戦に集中できない。
『お姉ちゃん、私が何とかするから集中して』
『わかった!お願い』
従者通信でアンナに近衛の事を頼んで相手に集中する。
<アンナ>
「あんた達!!こんなフェリ様の近くに寄って来ちゃ、フェリ様にとばっちりが行くでしょ。早く迎え撃ちなさいよ」
フェリ様の馬車の近くに居た近衛に声をかけた。
「おい、お前達!迎え撃つぞ!」
ブルックス、アデライーデ、ウェルバルを先頭にコトネ達の方向に行く近衛。決して素早くはない。
<レオン対アーレス>
アーレスが大きく振りかぶったので、あの技だと直感した。
俺は右側に回り、崖を背にする。もちろんあの技の巻き添えを作らないためだ。
「音の衝撃”ソニックインパルス”!!!」
技名を叫ぶアーレスが大剣を振り下ろすと、白い光がレオンに向けて発射される。
「一式戦”隼”!!」
俺は超加速で左に跳ぶ。俺の居た場所を白い光と音の衝撃波が通り過ぎる
崖に当たったソニックインパルスは崖を抉り爆発する。
破片と埃が辺りを包む。
俺は超加速と共に魔法陣を収納庫から出していた。
「フレイムスロー!!!」
目の前に現れた魔法陣に魔力を注ぐ。
魔法陣から出た炎が大技で静止したアーレスを襲う。
アーレスの全身を炎が覆う。
「GWAAAAAAA!!!」
火だるまになって転がるアーレス。
「この瞬間を狙っていた」
アーレスの速さなら距離を取れば余裕で躱される。大技の後は止まるからな。
それに前回は枯草に林があったので、延焼を恐れてこの魔法は使わなかったが、今回は周りに燃える物が無かったし、用水路があったので遠慮なく使えた。
アーレスは転がりながら鎧をはぎ取る。
フレイムスローは燃える液体を発射するので、液体の付いた鎧を脱がないと火は消えない。
「ちくしょう!お前、魔法を覚えたのか?卑怯だぞ!」
残った鎧は膝から下だけになったアーレスは俺を責める。
「前回は林の横だったから使えなかっただけだ。卑怯では無いだろ。それに鎧が無ければ俺の勝ちだっただろ」
「うるせえ!、そんなことあるかあ!!」
さすがに炎だけでは、ほとんどダメージは与えられなかったみたいだ。
<ジェリル対ヘスティア>
「いくぞぉ!!このワンコォー」
ヘスティアはグレイブを袈裟斬りの軌道で振り抜く。
ジェリルは一歩引いて間合いをきる。
グレイブの刃先はジェリルの盛り上がった胸の数mm手前を通る。
「どうした。届かないぞ」
ヘスティアに静かに話すジェリル。
「おのれー!!」
ヘスティアは踏み込みながら横縦とジェリルを攻めるが、ジェリルは打ち合うことも無くすべて避ける。
これはコトネとの訓練で学んだことを実践しているのだ。
コトネは小さく、刀も短い、だから相手の懐に入る隙が出来るまで躱して躱しまくる。
ヘスティアのグレイブも長柄の武器だから間合いが遠い。
大剣と言えども自分の間合いに入るために、隙を誘わなければならない。
もう一つ効果がある。
空振りすると防御されたときの倍の労力が居る。それは自分で武器を止めないと振り過ぎて、隙が出来るのを防止するためだ。
ヘスティアが大きく息をし始めた。
「私を疲れさせる作戦かい。その手には乗らないよ」
グレイブが引かれた。
「おばさんはもう息が上がったのかい!!」
ジェリルがチャンスとばかりに自分の間合いに飛び込む。
ヘスティアはグレイブを横に持ち、超接近戦を仕掛ける。刃先と石突を交互に使って攻める。
流石に手数が違うので、ジェリルは距離を取ろうとするがヘスティアは逃がさない。
「残念だったねえ。私は接近戦も得意なのさ」
馬車 <フェリ>
「フェリ様、少し我慢してくださいね。すぐに仲間が来ます」
アンナが御者席で近衛に指示を出しながら、魔法で援護をしている。
自分が恐怖に負けそうなのが解る。アンナやルシーダが居なければ馬車から逃げ出していたかもしれない。
私はこんな怖い目に会ったのは初めてだ。
「ルシーダ、ワシはここに居て良いのか?」
「遺跡側にも敵が居るか分かりませんし、前はこの通り塞がれてます。近衛の人達が解る位置に居れば守ってくれるでしょう。いざとなったら私も戦ってフェリを守ります」
トン、トン、と馬車の扉を叩く音がする。
怖くて返事も出来ない。
「誰です」
ルシーダが誰何する。
「アンナです。仲間がもう到着するので、外に出てくれませんか」
「仲間が来たからと言って、どうして外に出ないといけないのですか?」
訳の分からないことを言ってると思ってると、ルシーダがそれを聞いてくれた。
「ハイ?あ、そうか。ノルンさんの事知らないんですね。私達の仲間のノルンさんは大きな鳥になれるんです。フェリ様にはノルンさんに乗って逃げて頂きます」
もっと訳が解らんことを言う。と思っていたらバッサバッサと鳥が羽ばたくような音がする。
馬車の窓から外を覗くと巨大な黒鷲が馬車の後ろに居る。
「早く外に出てください。早く逃げないと皆さんが戦いにくいです」
黒鷲の前でアンナが呼ぶ。
「大丈夫なのか?」
わしは恐る恐る外に出る。
黒鷲はペタンと地べたに伏せた。
「早く乗って下さい。背中にロープが張ってあるので、それに捕まって下さい」
黒鷲が喋った?
「ノルンさん、ごめんね。急に呼んじゃって。ロープも張ってくれたのありがとう」
「オイラも来ちゃったぜ」
「ゴロも来たの。あんた何が出来んのよ?」
ノルンから飛び降りたゴロはアンナに怒られる。
「ウー、オイラとノルンさんはコトネに力を分けて貰ったから、戦えるようになったぜ」
「そうなのってそんな話を聞いてる場合じゃなかった」
アンナはワシとルシーダを黒鷲の背中に押し上げる。
「ノルンさんもレオン様の従者だから安心してね。いつもの所にアキラさん達が居るから」
「うむ、任せて欲しい」
アンナとノルンは打ち合わせをしていた。
「アンナ、お前は乗らぬのか?」
「私はまだ近衛の人達を援護しないといけないの」
アンナは近衛達が戦っている方に行こうとする。
「アンナよ。お前はまだ幼い。なぜそこまでするのじゃ」
「ウーン、私は孤児だからレオン様の恩に応えないとって思っちゃうんだ。でもレオン様は私が傷ついたりすると悲しむから危ない事はしないよ」
ワシはアンナの後ろ姿を見ながら見送ることしかできない自分を責めた。
「しっかり摑まっていてくださいね」
黒鷲は大きく羽ばたくと空中に浮きあがる。ワシは目を塞いでロープを握りしめた。
どうか、アンナ達が無事帰って来られますように。そう願わずには居れなかった。
<ゴロ対フォボス>
アンナはゴロと近衛の戦っている近くまで来た。
「フェリ様は逃がしたから、おもいっきりやっちゃってえー!!!」
しかし、近衛は三倍の人数が居るのにも関わらず、押され気味だ。双方ともしっかりした鎧を纏ってるので大きなケガは無さそうなことが救いだ。
「オイラがあの一番強そうな奴をやっつける」
「大丈夫なの?」
「見てろ!!」
小型犬位しかなかったゴロが大型犬位に大きくなると同時にヤマアラシのようなとげとげしい体に変身する。
「ノルンさんが魔力の供給無しに自由に変身できるように、オイラは雷獣に進化したんだ」
そう言ってもう一人のレベル5に突進していった。
もう一人のレベル5フォボスは目の前に大きな獣が現れて驚いていた。
後ろの方から「その獣はこっちの味方よー!!」と叫ぶ声が聞えた。
フルプレートメイルのフォボスは獣に向かって剣を振り下ろすが当たらない。すばしっこいのだ。
「おのれ、ちょこまかとぉ」
「雷電ライトニングボルトォ!!!」
ゴロの額から生えた角から稲妻が迸る!!。雷鳴が轟く!!。
GWARADSHAAAAN!!!
フォボスの持つ大剣に当たった稲妻は鎧の表面を走り、地面に吸収される。
「あれ??」
「え、え、」
「雷電ライトニングボルトォ!!!」
ゴロの額から生えた角から稲妻が迸る!!。雷鳴が轟く!!。
GWARADSHAAAAN!!!
稲妻は再び大剣から鎧、地面と奔る。
「なんでえ、音と光はすげえがちょっとビリっとするだけじゃねえか!!」
避雷針に落ちた雷と同じだった。
フォボスの言葉にゴロは衝撃を受けた。
「戦えるようになったと思ったのに・・・」
シュンとするゴロにフォボスが襲い掛かる。
「ひえ!」
ゴロはびっくりして後ろを向く。
背中のトゲが逆立つ。
そこに頭を狙ったフォボスの剣を握った手が突っ込む。
「ぎえええ!!」
フォボスの腕に一mはあろうかというゴロのトゲが刺さっている。
ゴロのトゲは鎧を貫く硬さと鋭さを持っていた。
隣で戦っていたスキンアーマーの女エリスが声をかける。
「皇女は逃げたみたいだ。ここに居る意味は無い。引くぞ」
敵の4人は踵を返すと逃げ始める。おっかなびっくり戦っていた近衛たちは自分達が優勢になったと思った。
「逃がすなア!!追えええ!!」
ブルックスが叫ぶ。アデライーデとウェルバルが走る。
しかし、敵との距離は開くばかりだ。
<コトネ対ダイモス>
敵のレベル5ダイモスとは圧倒的にコトネが優勢だが、敵の鎧を傷つけるだけで終わっていた。
「フフフ、この特殊金属の鎧を傷つけるとはなかなかやるな」
「今度こそ、その鎧を切裂いて見せます」
そこへ後ろから敵の4人が走って来た。
「どうした!ハルモニア!」
先頭の女が答える。
「皇女が逃げた。あの鳥は敵のだ」
そう聞いた瞬間、ダイモスも後ろを向いて駆け出した。
「あ、待ちなさい」
<ジェリル対ヘスティア>
グレイブの刃がジェリルの脇腹に当たっていた。
ジェリルは超接近戦で大剣を振れないため、柄頭でヘスティアの顔を思い切り殴る。
「接近戦ではアタイのスキンアーマーは抜けないみたいだな!」
「くっそー」
ジェリルの一撃もヘスティアのスキンアーマーを抜けないが、顔を殴られた屈辱と吹っ飛ばされたことでヘスティアの顔がゆがむ。
そこへ撤退中の5人が来る。後ろには大勢の敵が見える。
「皇女が逃げた。撤退する!!」
巨大なトゲをぶら下げたフォボスが叫ぶ。
「邪魔が入ったな。次は殺してやるからな!!」
ヘスティアも後ろを向いて走り始める。
ジェリルは大剣を背中に背負った鞘に収まめるとヘスティアを見送った。
追って来たコトネが追い越そうとした。
「やめとけ、止めは刺せねえよ」
「良いのですか」
「アタイたちの剣では奴らの鎧もスキンアーマーも抜けないことが解った」
そこへレオンが歩いて来た。
「逃げられちゃったね」
「逃がしても良いのですか?」
コトネは追い掛けたいみたいだ。
「まあいいさ、うちの子達は全員無傷だからね」
そこへベコベコになった鎧を着た近衛が来た。
レオンは近衛のけが人を治療して帰路に就いた。
次回は敵味方の襲撃の後始末の予定です。




