表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/222

6-6 襲撃(1)

ご愛読有難う御座います。

ほぼ何もご褒美の無かった遺跡探索、それでもオリンポスは襲撃してきます。

どうなることやら。

 遺跡の探索結果は大災厄の際にフェリに指揮を採らせることだけだった。あまりの中身の無さにレオンは疑問を抱く。

 一方オリンポスはフェリが遺跡で発見したであろうものを、略奪するための襲撃を計画していた。



 テントを片付けたレオン達は、再び隊列を組み、アイスレーベンの街を目指して出発した。

 ギュンター博士が遺跡に残るそうなので、レオンはフェリの馬車に乗せられていた。

「ギュンター博士を置いてきてよかったんですか?」

「ワシ達が行けた初代様の空洞へ行きたいらしい。もう閉じられたと言っても聞かないのだ」

 レオンの問いに答えるフェリは探索が一日で終わったことに不満を抱いていた。


 アイスレーベンまでは昼食を含めて、七、八時間掛かる。

 普通は二十人以上の護衛が居るこの隊列を襲う奴はいない。これ以上の人数を集めたなら、アイスレーベンや街道沿いの駐屯地などから連絡が有るはずなので、隊列に警戒心は強くなかった。


 一方、ヘルメスは八台の幌馬車を二つに分けて急がせていた。本来待ち伏せ場所まで一時間の余裕があったはずだが、なぜか余裕が無くなってしまっていたからだ。

「おいおい、もっとゆっくり行かせろよ。俺は二日酔いなんだぞ」

「ふん、あれぐらいの酒で二日酔いとは軟弱な奴だ」

「なんだとー!!お前が先に酔いつぶれたくせにえっらそうに!」

「ふん、飲み比べに負けたからって負け惜しみを言うなあ!!」

「大きい声を出すな。頭が痛い」

 自分達が余裕が無くなった原因と思ってないアーレスとヘスティアの喧嘩は続く。


 アイスレーベンからフェリの隊列を目指してるヘルメス達。

「はあ、俺辞めたいよ。そう言えばデメテルはどうした?」

「まだ寝てます」

 まあ、寝ててくれる方が静かでいい。


「しかし、もう向こうは出発してるだろうに、この緊張感の無さはどういうことだ?」

「こちらの兵力が二倍以上ですからではないですか。ですが、このままだと遭遇戦になりますね」

 今からでは用意した場所で奇襲する訳には行かないな。


「仕方あるまい。今のまま行けば、途中の村の先で遭遇しそうだな」

「はい、少し開けた田園地帯です」

「その手前に道沿いに用水路が流れ、反対側の丘を削ったところがあったな」

 アイスレーベンから遺跡までの道はすべて頭に入っている。


「はい、御座います」

「そこで前の馬車四台をすれ違わせて、奴らの前は後ろの馬車四台で塞ぐ。そして挟み撃ちだ。これなら奴らも逃げられまい」

 フフフ、完璧な作戦だ。可哀そうだが一人残らず死んでもらおう。


「流石、ヘルメス様です」

「おだてるな。一人でも残すと我らの組織が見つかってしまうかもしれんからな」

 今回はアーレスやヘスティアのような幹部が出張ってるから、情報を奴らに渡すわけにはいかん。


「そういや、お前、デメテルが何が得意なのか知ってるか?」

「いえ、知りませんがあの体格から言って、武道ではないと思いますが」

「そうだよな。やっぱり魔法が使えるんだろうな」


「ヘルメス様、知らないんですか?」

「あいつずっと本部に居たから、ウザいこと以外あまり知らないんだよ」

「でもゼウス様が幹部に選んだんだからすごいんじゃないですか」

「そうだよなあ」

 等と話しているうちに目的の場所が近付いてきた。


「大変です。敵の隊列が目的地手前で停止しました」

 偵察に配置していた部下が報告してきた。

 まだ二kmは離れているはずなのに、どうして感づいた?


 ******


 その少し前のレオン達

『レオン様、大量の魔力を感知しました。前方約二km、数量五十以上、恐らく敵です』

 前を行く俺の馬車からアンナが従者通信をしてきた。

「フェリ様!敵が現れたらしい。隊列を止めてくれ!」


「なに!解った!」

 フェリ様は馬車から上半身を乗り出し、叫ぶ。

「全隊、停止じゃあ!!」

 すぐに命令が前後で復唱され、隊列が停止する。


 すぐにブルックス、アデライーデ、ウェルバルが駆けつけて馬を降りた。

「あと五分から十分で、五十以上の敵が来る。防御態勢を取る」

 俺はここを三人に任せて、俺の馬車に走る


「アンナ、防御壁を作る。魔法を頼む」

 馬車に顔を突っ込んで命令する。

「わっかりましたあ」

 アンナが飛び出る。


「ジェリルとコトネは戦闘準備だ」

「おう!」

「了解です」


 アンナには右側の崖から左側の用水路まで道を塞ぐ石の壁を作って貰う。

「ストーンウォール!!」

 二m位の高さの石の壁にたくさんの矢間やはざまを開けて貰う。

 通常の兵なら止められるはず。


 ブルックス達が来た。

「なんだこの壁は?」

 俺はそれに答えずに言った。

「弓兵を集めてくれ。敵が来たらここから俺の指示で撃ってくれ」


「アンナ!あとどれくらいだ。それと敵の強さが解ったら教えてくれ」

「前方約五百m、前の四台はレベル2以下が五十人以上、少し離れた後ろの馬車四台が・・これって、アーレスとヘスティアが居ます。レベル5が二人、レベル4が3人、強力な魔法使いが一人」


「まいったな、アーレスとヘスティアにはこんな石壁、紙みたいなもんだぞ」

「そいつらは強いのか?」

「レベル6だ」


「しかし、敵は正直に正面から攻めてくるしかあるまい。とにかく数を減らさないと姫様を守れない」

「アデライーデの言う通りだが、敵が注文通りに動いてくれるかどうか」

「そんなのやってみないと解らないっすよ」



 四台の幌馬車が百m弱まで接近すると敵兵がわらわらと出て来た。アーレス達はいない様だ。

「前方の幌馬車から敵兵が約四十名、突撃してきます」

「良し、もう少し近寄ったら俺の掛け声で撃て。二射目、三射目も俺が声をかける」

 俺は弓兵に指示を出す。

 戦力の分散投入だと相手は馬鹿なのか?


 全員がフルプレートメイルとスキンアーマーで武装している。

「大丈夫なのか?こちらは普通の弓矢だぞ!」

 普通の弓矢で傷つけられる装備ではない。ロングボウとかを使っても致命傷は難しい。

「心配するな。うちのアンナが手伝うから訓練通りやってくれ」

 俺はブルックスを安心させる。安心できたかどうかは知らんが。


 やがて、矢が外しようがない距離まで近づく。

 ウオオオオオオ!!!敵が剣を抜いて吠える。

「アンナ頼むぞ!!」

「エアブースター!!」

 俺の頼みにアンナが精霊魔法で答える。


 矢の先端に小さな渦巻きが出来るが、誰にも見えない。

「撃てえ!!」

 俺の掛け声に次々矢が発射される。発射された瞬間、超加速される矢、それは簡単に音速を超える。

 二の矢、三の矢が同様に発射される。

 プレートアーマーやスキンアーマーを簡単に貫き、肉をえぐる、次々倒れる敵兵。


 後ろの方に居た、残り十名くらいが引き返していく。

「すげえ!信じられねえ」

 ウェルバルが興奮する後ろで、ブルックスとアデライーデが口を開けたまま立っている。


 ******


 ヘルメス達

「石壁で後ろへ回れなくなった前の馬車四台が、戦闘に入ったようです」

「馬鹿!俺を待て!!」

 後ろに回るはずだった四十人が突っ込んでしまった。

 石の壁が出来た時点で、なぜ俺を待たんのだ。


 案の定ほとんどやられて馬車一台が戻ってきた。

 白い光が走り、逃げてきた馬車が吹っ飛ぶ。


「何が起きたのだ」

 馬車の反対側を見るとアーレスが剣を鞘に戻すところだった。

「アーレス!!何をするのだ!!」

「敵前逃亡した奴を罰しただけだ」


 少なく成った兵をさらに減らしやがった。もう、相手の方が多いくらいだ。

 もう無理だ。相手を殲滅することは出来ない。

「アーレス!引き揚げるぞ」


「あー、何言ってんだよ。俺は三男坊に仕返しをしなくちゃなんねえ」

「私もジェリルに仕返しをしなくちゃね」

 アーレスとヘスティアが敵に向かっていく。


「お前達も行くぞ。三男坊とジェリル以外はお前達がやれ!」

 アーレスの後を追ってレベル5とレベル4の奴らがついて行く。


「オーッとあいつら何しに行くんだろうね」

「デメテル、あいつらを止められないか?」

「え、なんで、ほっときゃいいじゃん」


「お前、戦いたかったんじゃないのか」

 こいつ、何のつもりで付いて来たんだ?

「お姫様を虐められたら面白いかなあって思ったの」

 解らん、こいつの考えが理解できん。


 ******


 <レオンの陣>

 敵陣で白い光が見え、馬車と人が吹っ飛んだのが見えた。

「あれは何でしょう?」

 俺はあれと同じ光を見たことがある。ニコラウス兄が高等部の夏休みに帰って来た時のことだ。


 あの時次兄は俺に言った。

「レオン、すっげえ技が出来たから見せてやる」

 草原に向けて、上段に剣を構えた次兄が剣を振り下ろす。

 生じた衝撃波に魔力を乗せると白い光を発して、草原を引き裂きながら飛んで行った。


 たぶん、あれも同じものだろう。

 敵陣から七人が出て来た。アーレスやヘスティアも見える。

「やはりオリンポスか」


 あいつらが居るということはオリンポスの仕業と言うのは解るが理由が見えない。

「おう、やっと出て来たか、ヘスティア」

 ジェリルは闘志を燃やしヘスティアを睨んでいる。


「アーレス、ヘスティアの他、レベル5が二人、レベル4が三人です」

 アンナが探索結果を知らせる。

「弓兵を下げてください。音速の剣で戦う奴らです。矢は通用しません」

「あの威力の矢が通用しないと言うのか?」

 ブルックスは信じられないらしい。


「そうです。もしかしたらレベル4には通用するかもしれませんが、その間に此方の弓兵は全滅しますよ」

「ではどうするのだ?」

「アーレスは俺が、ヘスティアはジェリルがやってくれるな」

「ああ、もちろんだ」


「レベル5の一人はコトネに頼む、もう一人とレベル4は近衛にお願いします。早く弓兵を」


 その時白い光が石の壁は粉々に吹き飛び、弓兵も何人か巻き込まれた。

「けが人を下げて!!行くぞ!!」

「オウ!!」

「はい!!」


「私は?」

 アンナが叫ぶ。

「お前は近衛の援護をしながらフェリ様を守れ」

「了解だよ」

 俺は振り向きもせずに指示するとアーレスに向けて走る。

 フェリ様から少しでも離れた所で戦わなきゃな。


<レオン対アーレス>

 前と変わったところは髭を伸ばしたことか。

「アーレス、久しぶりだな」

「よう、三男坊、お前のことは忘れたことはなかったぜ」

「女ならともかく男に言われてもな」

「俺もそう思うぞ。ガハハハ」


 兜は面覆いが外してある。視野を確保するためだろう。

「さあ、やるか。俺とお前は剣でしか語れない」

「目的とか教えてくれると嬉しいんだけどな」

 アーレスは剣を振り上げた。初っ端からやるつもりか。


<ジェリル対ヘスティア>

 背中の大剣を抜くジェリルとグレイブを構えるヘスティア。両者ともマイクロビキニのスキンアーマーだ。

「なんだ元気じゃねえか、絶壁」

 相手の劣等感を煽るジェリル。

「吠えるな!ワンコ!剣が小さくなったな。重くて振れなくなったか?」

「お前のグレイブは替わりがあったのか?へし折ってやったからな」

 相変わらず二人共下品である。

いよいよレオン対アーレス、ジェリル対ヘスティアの対戦がはじまります。

両方の陣営とも訓練を重ねて来たようですがどうなりますか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ