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5-8 新しい力

ご愛読ありがとうございます。

レオン達は新しい力を手に入れ、それを試しに帝都の外に出ます。

新人戦が終わります。


 武闘会新人戦が始まった。レオンはあと一回勝てば全校武闘会に出場できる所まで来ていた。しかし次の対戦者は実力者のようで苦戦が予想された。


 帝都外の草原 <レオン>

 草原は少し前まで枯草に覆われていたが、今は新しく育った草で緑一色に染まっている。


 俺はこれを待っていた。

 コニンさんの言ってた刀に隠された魔法の力を解放するためである。


 俺はまず炎の刃を考えた。やはり一番破壊力のあるものと言えば火だろう。しかし枯草の草原では流石に試せなかった。

 今ならば草に延焼することもあるまい。


 俺は俺は刀を両手で握り正眼の構えを取った。そして魔力を刀に込める。

 収納庫から俺へ、俺から刀へ魔力が吸い込まれる感覚がある。

 いっぱいに充填された感覚になった。


 放つ!!刀に溜まった魔力を1kmほど離れたこんもりとした丘に。

「ハアアッ!!」

 迸る魔力を感じるが切っ先からは何も出ない。なんだ?火じゃないのか?


 ・・・・・丘に生えていた木が何本か吹っ飛ぶのが見えた。何が起きた?

 ・・・・ドォーン!!かなり遅れて爆発音が響く。


 これがこの刀の力なのか。


「すごいねえ、戦車砲ぐらいの威力はありそうだ」

 興味本位で着いて来ていたアキラさんが感心する。ここにはアキラさん、コトネ、アンナ、ジェリルと一緒に来ていた。

「センシャホウってなんですか?アキラさんが居た世界の魔法ですか?」

 俺はアキラさんの居た世界の魔法に興味がわいた。


「俺の居た世界には魔法は無いよ。その代わり科学がとても発達してた。鉄で覆われた巨大な馬なし馬車と言ったらいいかな、大砲と呼ばれる火薬で爆弾を飛ばせるようになってる」

「へええ、見てみたいなあ。でもこれくらいの爆発は母さんや姉さんの爆轟魔法の一発分くらいですから」

 俺はなんだか俺の世界が劣っていると言われた気がして反発した。


「そうなんだ。じゃあレオン君のお母さんは攻撃機並みの破壊力だね」

「そんな破壊力の機械があるのですか?」

 驚いたこの世界では母さんの魔法以上の破壊力は、竜のブレスぐらいしかないのに。


「破壊力で言えば十万人以上の街を蒸発させるようなものもある」

「そんなものが日常的に使われているのですか?」

 俺はアキラさんの世界が恐ろしかった。そんな世界には住みたくない。


「まさか、人に向けられたのは二回だけだ。二回とも俺の住んでた日本だけどな」

「アキラさんの国は滅んだのですか」

 そんな破壊力を持つ兵器が使われたのか。じゃあ、日本は・・・。

「そんなことはないよ。日本の人口は一億人だよ。二つの都市が焼け野原になったけどもう復興したよ」


「い、一億人!どれだけでかい国ですか?」

 俺はびっくりした。巨大なこの帝国ですら二千万人くらいの人口だ。

「面積はこの国とほとんど変わらないよ。島国で山が多いから耕作地も広くない」

 感心はしたがちょっと脱線しちゃったな。機械兵器の話をしていたんだ。


「そうなんですね。でその攻撃機の話なんですけど、日本にどれくらいあるんですか」

「日本は少ないよ。戦争に負けた国だからね。その代わり迎撃機が確か二百くらいはあったと思う」

 ゲイゲキキそんな兵器もあるのか。


「迎撃機って言うのは攻撃機や爆撃機が飛んでくるのを迎え撃つ戦闘機だよ」

「俺はロッキードF104Jが好きだな。鉛筆みたいな胴体にでかいエンジンと申し訳程度の翼を付けた戦闘機でさ、早く上がって、早く敵機の前に言って迎撃する、その為だけに作られた感じがすごくいい」

(アキラは1980年代に此方の世界に転移しています。ですので知識が古いのはお許しください)


「飛ぶ機械があるんですか?」

 機械が飛ぶ。全く想像もできない。アキラさんは俺を見て微笑んでる。


「まあ、無煙火薬ぐらいは作れるけど、作る気は無いよ。あくまでこの世界の知識の範囲でしかね」

 俺を支援してくれる範囲を言っているのだろう。もし、オリンポスと戦うことになっても日本の兵器は使わないと言うことだろう。


「レオン様、私達のもそろそろ見て欲しいのですけど」

 コトネが俺の袖を引く。やべ忘れてた。コトネの外気功と魔法、アンナのレベルと精霊魔法を見るって約束してた。


「そうだなそろそろ見せて貰おうか」

「絶対忘れてたでしょう」

 アンナがふくれっ面でそっぽを向いた。


「ちょっとアキラさんの住んでた世界に興味があって、ごめん」

 正直に謝って置こう。

「アンナ!!レオン様に謝らせるなんて、あなたは従者失格です」

 コトネが怒ってる。こりゃまずいな。


「ゴメンなさあい。もう、調子に乗りませんから許してください」

 アンナがコトネに謝る。腰が九十度に折れてるし、素早い。

 流石のアンナもコトネには弱いようだ。


「謝るのはレオン様にでしょ」

 コトネは俺に謝るように誘導するが、しかし。

「レオン様は許してくれるもんね」


「この子はもう、・・」

 流石のコトネも呆れるしかない。

「アンナは人に仕えたことが無い。そう厳しくしてやるな」

「でも・・・」


 幼いころからアヤメさんに厳しく躾けられたコトネには歯がゆいのであろう。

「俺と二人の時はちゃんとしている。おまえに構って欲しいのではないか?」

「レオン様!、言っちゃ駄目!」


 コトネがまだ何か言いたそうだったが、時間がもったいないのでコトネの外気功を見ることにした。

「誰かいる。警戒して」

 いきなりアンナが叫ぶ。


「どこにいるの」

「右の林の方、すごい速さで近付いて来る」

 コトネの問いにアンナが答える。俺は右の林を見るがその姿は見えない。


 見えた!全員が右の林を見た。そしてびっくりした。

「あれ見つかってるじゃん」

 林から出て来たのは全身フレッシュピンクの服を着た若い女だ。


 見つかりたくなければもっと地味な服を着ろよ。思わず言葉に出る所だったよ。

「君は誰かな。何か御用?」

 正体不明なので取敢えず聞いてみる。


「私はデメテルよ。可愛いでしょ。ドーンって大きな音がしたから見に来たんだけど。何やってんの?」

 デメテル、アキラさんが言っていた名前だ、オリンポスの一人か?。

「ちょっとしたお遊びだ。内緒にしたいので、どっかに行ってくれるとありがたい」

 オリンポスなら余計に秘密にしないとな。


「えー、つまんない。見せて、見せてよう」

 駄々をこねるデメテル。

「おい、お前あっちに行ってろ」

 あー、ジェリルが中断されたことに怒ったみたい。


「なんで、ここはあなたの土地じゃないジャン。それにあんたの言うことを、何でアタシが聞かなきゃなんないワケ!」

 デメテルがアッカンベエをする。

「お、おのれえ!」

 あーあ、今日はもう駄目だな。


「君の言う通りだ。君がここに居ることを俺達は邪魔できない。ジェリル、帰るぞ」

「えー、そんなのつまんないよ!アホ!バカ!」

 デメテルは怒るが相手はしない。

「フンいい気味だ」

 デメテルが怒っているので、ジェリルの留飲は少しは下ったようだ。


 幌馬車に全員が乗って帝都内に戻った。

 さすがにデメテルは追って来なかった。


 アキラの店の裏庭で続きをやったのは言うまでもない。


 ******


 ハイデルブルグ学園、武闘会新人戦試合場 <レオン>


 俺は準決勝の試合場に来ていた。相手は先週片手で剣を振り回していたレベル5だ。

 フェリ様達も応援してくれている。


 奴の試合ぶりはとにかく猛スピードで剣を振って、防具の無い場所を叩いてダメージを蓄積し、相手が弱ったとことろに有効打を打つというものだった。


 弱点もある。片手では音速の剣は出せない。刃筋が一定せず有効打を与えにくい。と言った所か。


「始め」の声が掛かる。

 やはり相手は片手で剣を振り回す。

 俺は朧月や山陰等の剣技を繰り出し、相手の剣の軌道を変えて隙を探す。


 俺は相手の膂力に感心する。軌道を変えた次の瞬間に剣を止めて、攻撃なり防御なりの姿勢を瞬間的に作るのだ。つまり全く隙を作れない。


 外気功の技を使えばすぐに決着は付けられるが、魔法禁止のこの大会では控えたほうが公平だろう。


 俺の攻めも自由度の高い片手剣で止められてしまう。暫く一進一退の勝負が続く。


 俺は相手が何か狙っていることは見当がついていた。


 相手が上段から振り下ろした剣は届かずに俺の目の前を通り過ぎた。俺は空かさず小手を打つが相手の剣は跳ね上がって突いて来た。俺も避けられた剣を跳ね上げて胸を突く。


 俺のヘルメットが飛ばされるが俺の剣も相手の胸の装甲を凹ましていた。


 審判が両手の旗を揚げた。

 双方が有効打を繰り出したと判定されたようだ。

 次に有効打を与えた方が勝利となる。


 再度、試合場の中央で対峙した。


 相手はまた振り回して来た。上下から横、今だ!。


「巻波!」横から来る剣を跳ね上げて、そのまま振りかぶって面を打つ。


 俺の旗が上る。俺の勝ちだ。これでこの秋の本大会への出場が決まった。


 俺がフェリ様の所に戻った。

「危なかったな。冷や冷やしたぞ。ケガはないようだな」

 フェリ様はそう言って俺の顔を覗き込んでいる。


「ああ、派手にヘルメットは飛んだのは、ギリギリで避けたので、ヘルメットにだけ剣が当たったのです」

「そうだったのか。なかなか決まらないから心配したのだぞ」

 あ、そうだったのか。


「相手が何か隠しているようなので、それを見極めようと相手に付き合っていました」

「では、勝とうと思えば二本目みたいにすぐ勝てたのか?」

「はい、もちろんです」


 決勝戦は相手のケガで中止になり、俺の不戦勝となった。


 本戦では俺を慌てさせるような奴は出てくるのだろうか。

 考えても仕方が無いな。思い切りやるだけだ。

5章は短いですけどこれで終わります。

続く6章では夏休みにダンジョンを探検します。

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