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4-7 ガララトのジェリル登場

あけましておめでとうございます。

今年もご愛読、よろしくお願いします。

強力な傭兵ジェリルの登場です。

 傭兵ギルドで傭兵登録を済ませたレオン達は魔獣狩りに行くことにした。



「傭兵ギルドのタグってすごいですね。国境の検査が楽になったり、通行税も安くなるんです」

 コトネが嬉しそうに首から下げたタグを見ている。

「まあ、賞罰がすぐに連絡が行くから確認がし易いんだよ」


 帝国では魔道具の開発が盛んだ。現在は魔法陣が単純な生活魔法や回転運動などの単純動作を魔道具として生産している。

 レオンが言ったギルドの連絡には自動筆記と遠隔操作の魔法を組み合わせている。まあ、現代のファックスのような物と思って貰えばいい。


 今レオン達はノルンにおんぼろ馬車を引かせて、帝国の地方都市ブロイセンに向かっている。

 馬車で四日の距離だ。

「レオン様、何でノルンさんで飛んで行かないの?」

 アンナが退屈そうに言う。


「俺達がノルンでブロイセンに行くと、登録したばかりだから速く行けることがバレちゃうだろ。バレると偉い人がここへ連れて行けとか、ここに荷物を運べとか言われて自由が無くなるだろ。だから普通に行くのさ」

「だから次元収納庫も秘密なのよ」

 コトネが俺の言葉を補足してくれる。


「ふーん、偉い人って我ままなんだね。私の魔法も秘密にしないといけないし」

 結局公表できるのは剣術と勉強だけなんだなとレオンは思った。

「そうさ、偉い人って言うのは、自分が出来ない事でも人にやらせれば、偉い人がやった事なんだよ」

「えー、そんなのずるいよぉ」

 唇を尖らせたアンナを見て、心を和ませるレオンだった。


 ******


 四日後予定通りブロイセンに着いたレオン達は、翌日の魔獣狩り登録にギルドに来ていた。

 登録は朝からやっていたみたいで午後に着いたレオン達は並ばずに窓口に来れた。

「登録お願いします」

「今頃来たの?もう三番目しか残ってないよ。十時くらいまでには来ないと好きなところは取れないよ」

 三番目と聞いて何の事やら分からないレオンは窓口の男性に聞いた。


「初めてなので教えて貰えますか?」

「ああ、初めてなの。じゃあ、やめた方が良いよ。

 魔獣は弱い順に出てくるんだけど、逃げられないように周りが囲ってあるんだ。

 ダンジョンを塞いでる扉を開けてある程度出たら扉を閉めて討伐するんだ。それで次の組に交代。

 一番目がオオカミやゴブリンクラス、数は多いけど弱っちい。

 二番目はコボルトやオーククラス、数は減るけど強くなる。

 三番目はミノタウロスやオーガクラス、数は少ないけど滅茶苦茶強い。

 今の所、三番目に登録している奴は二人だけだ。

 登録は早い順で何番目か選べるんだ。今度は早く来た方がいいよ」


 なるほどと納得する。

「三番目で良いです。登録してください」

 レオンとコトネのタグを男性に渡す。

「え、分かってるミノタウロスやオーガが出てくるんだよ。やめた方が良いって!失敗すると✖が付く」


「✖が付くとどうなりますか?」

「三つ付くと傭兵登録抹消だし、死んじゃうかも知れないよ」

 話ながらタグを確認して登録をする。コトネはこの人仕事ができる人なんだなと感心する。


「大丈夫です」

「俺は注意したからね。どうなっても知らないよ」

 男性は不機嫌な顔をしてタグを乱暴に突き返す。


 レオンとコトネは三番目に登録した。アンナの今の精霊魔法は大きな魔獣には効きにくいので我慢して貰うことにした。

「私は大丈夫でしょうか?前に戦った時にはオークにも苦戦しました」

「今だとオーガと同じくらいに強くなったと思うんだけど。まあ、数を絞ればなんとかなるよ」

 コトネが少し弱気だが神獣人の技もあるし大丈夫とレオンは思う。


 その日はアンナが参加できないのを少し拗ねていたので、街で何かおいしいものを買ってやろうと街に繰り出した。

 幸い、傭兵がたくさんいるのでそれを目当てに屋台がたくさん出ていた。


 アンナがおいしそうなものを見つけたのか走っていく。

「レオン様、これが欲しい、ねえ、早く」

 アンナも甘え上手になったもんだなとニコニコしているレオンと

「こら、買い物をするときはレオン様が良いって言ってからだよ」

 とたしなめるコトネ。


 獣人の子供が一人で居ても誰も気に留めない。王国ならちょっかいをかけてくる奴が必ずいるのに、・・。

 ここでならこの娘達を独立させてやれるのかな。そんなことを思うレオンであった。


「もう、レオン様、早くって言ってるのに」

 アンナが待ちきれなくてレオンの手を引っ張りに戻ってきた。

「分かった、分かったから引っ張るなよ」

 無理やり屋台の前に連れて行かれるレオン、コトネも無理に止めることはない。


 ブロイセン焼きと呼ばれるそれは干したフルーツとナッツを小麦粉を練った皮で包み焼き上げたものだ。月餅に似ているが大きさはほぼ倍はある。甘味の少ないこの世界では重宝される。


 一個大銅貨二枚と書いてある。

「おじちゃん、3個ちょうだい。レオン様お金!」

 大きな体にエプロンを付けた熊人がアンナにブロイセン焼き3個を渡す。

「はい、お嬢ちゃん毎度あり」

 強面の顔に似合わない優しい声をかけてくれる。


 レオンが金を払うのを見て、アンナがコトネとレオンに一個ずつ渡す。

「まだ、温かいよ」

 ニコーッと笑うアンナ。さっきまでふくれっ面をしていたくせに現金なものである。


 いたる所に置いてあるベンチに三人で腰掛け、食べ始める。

「おいしい」

「コトネ、悪いけど、何か飲むもの買って来てくれる」


 一口食べると口の中の水分がみんな持って行かれた。月餅と違って、しっとり感はまるでない。

 コトネは食べかけのブロイセン焼きをレオンに預けて、熊の叔父さんの隣にある果汁の屋台でブドウの果汁を

 買ってくる。やはり熊人の女性がやってる。そう言うことか。


「アンナも取りに来て」

 アンナが一つ、コトネが二つの木でできたカップを持ってきた。

 コトネからカップを貰って飲む、薄い・・でも口が水分を欲しているからちょうど良いともいえる。


 その時だった。目の前が急に暗くなる。正面に誰かが立ったみたいだ。

 殺気は無いので落ち着いて見上げると、でかいお姉さんが立っていた。

「あんた達、三番目に登録したんだって。受付がブチブチ言ってたよ」

 コトネが警戒を強くする。レオンはそれを手で制した。

「それがなにか?」


 黒い髪の毛にオオカミの耳、飾り気のないジャケット、ポケットのたくさんついたパンツ、分厚い編み上げ靴、日に焼けた褐色の肌、止めは背中に大剣(封はしてあります)。間違いなく傭兵だと言う格好だ。ただその顔は優しい。

「いや、女児二人を連れた若い男だって聞いたから探してたんだけど、ちょっと若すぎた」

「どういうこと?」


「いやね。こんなことを言うのも恥ずかしいんだが、里の長老に子供を作れって言われてて三番目に登録する男なら強いんだろうし、頼んでみるかと思ったんだ」

「ではあなたも三番目なのか」

 ミラの事もあるので子供の件はスルーだ。この際うやむやにして情報だけ仕入れよう、レオンはそう考えた。


「そうだよ。これでも私は強いんだ。まあ、あんたでもいいか。どうだい私に種をくれないか」

「子供がいるから、そう言う話はやめて頂きたい」

「そうか、そうだな。アタイはジェリル、ガララトのジェリル、明日は仲良くやろうぜ」

「分かった。俺はレオン、こいつはコトネ、この子はアンナだ」

 ジェリルは拘泥することなく去って行った。


「ガララトって何でしょうね」

 コトネも興味を持ったようだ。

「確か帝都の北の方にガララト山って岩山があって、観光地になってたからその辺の出身かもな」

「レオン様、強そうな人だったね。レベルが6もあったよ」

 アンナがそう言った。


「あの体の大きさでレベル6なら女でも相当強いだろうな」

「負けません!!」

 コトネが闘志を燃やすなんて珍しいなと思うレオンだが、子種の件で怒ってるとは思わない。


 その夜は他の傭兵と被らない場所を選んで小屋を建て眠った。


 次の日の朝、早めにダンジョンに向け出発した。

 ダンジョンに向かう道には、傭兵に混じって一般人もたくさん歩いている

 馬車では人を撥ねてしまいそうなのでわき道に逸れて、次元収納庫へ入れる、ノルンは鳥に化けて離れてついてくる。


 ダンジョンに着くと驚いたことに一般人がお金を払って、観客席に座っていた。

 アンナにお金を渡して観客席に居るように指示する。

「ねえねえ、あれ買っても良い?」

 観客席には屋台や売り子が居るみたいだ。

「お金は、他の人に見せないようにしなさい」

 お金を追加して、軍人が要所要所に立ってるみたいだから、馬鹿な奴はいないだろうと考えていた。


 レオンとコトネは傭兵の控室に行く。一番目と二番目の控室はいっぱいだが三番目の控室には人は一人しかいなかった。

「おい、部屋を間違えてるぞ。ここは三番目の控室だ」

 三十くらいのフルプレート鎧のおっさんがレオンに絡んで来る。

「いえ、三番目で合ってます」

 レオンがそう答えると

「ちぇ、死にたがりが」

 と言ってそれ以上は絡んでこなかった。


 暫くすると二人組のおっさん傭兵とジェリルが入って来た。

 おっさんが絡もうとしてきたがジェリルがレオン達に声をかけたので、思い直して離れた席に腰掛けた。

 今日のジェリルはポンチョを羽織り、昨日のパンツを履いている。


「よう、本当に来たな。こんなチっこい子が3mのオーガと戦うのか?」

「まあ、一撃必殺とは行かないでしょうが、それなりに戦えると思いますよ」

「そりゃ楽しみだ」

 コトネの頭をグリグリと撫でる。

「やめてください」

 コトネは機嫌が悪い。


「一番目の方は用意してください」

 部屋の外で一番目に声が掛かる。

「おい、見に行くぞ」

 ジェリルがレオン達に声をかける。


 観客席の下には通路があり、そこには幅5cmほどの隙間があり、そこから狩場の様子が見えた。

 狩場は高さ5m位の壁に囲まれその上には2m程の金網がある。幅は30~40m位はありそうだ。

 50m程離れた一番奥には、鉄板の扉で閉じられたダンジョンの入り口がある。


 一番目の傭兵が狩場に入り始めた。各々自分の力量に合わせた場所取りを始める。

 入り口に近いと大量の魔獣の攻撃を受けてしまう。遠いと前の傭兵が魔獣を狩りつくすかも知れない。

 一番目の傭兵は50人だと言う。それに対して出てくる魔獣は100~200らしい。

次回、ジェリルと一緒に魔獣狩りに、死人も出る中レオン達の活躍は・・・。

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