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3-11 三男坊 ハイホーの街を楽しむ

竜神の森の事件から無事に帰ってきた俺達は祭を楽しみ、また帝国の旅を再開することにした。

今回少し短いです。すみません。

 俺達は竜の神獣人との邂逅で、取敢えず無事に帰ってきた。

 早い事、魔獣の出現の原因を解明して旅を再開したい。


 俺はヴァイヤール王国を出た解放感もあって、コトネとアンナを思いっきり甘やかした。

 特にエルハイホは獣人差別の無いドワーフの国なので、安心して竜神祭を楽しませることが出来た。


 ホテルは男女別で部屋を取っている都合上、その日の夜は食事後に広い女性の部屋に皆集まった。

「今日はどうでした?」

 俺がアキラさんに祭の様子を聞くとシャラが乗り出してきた。

「めっちゃ楽しかったっす」

 シャラが大はしゃぎをしているのを見て、アキラさんも微笑んでいる。


「ヤヌウニさん達も楽しめましたか?」

「そうじゃな。買い食いが出来ぬのが口惜しいが、それなりに楽しめたぞ」


「私はお祭りは初めてでなんですが、特にコトネさん達と合流してからはとても楽しかったです」

「はいとっても楽しかったです」

「もう、サイコー」

 ジュリア、コトネ、アンナも口を揃えて楽しいと言ってくれた。


 俺は明日は朝から竜神池の周囲を調査して、何も無ければ午後からエルフの国に旅立とうと考えていると言った。

「済まない、明日は別行動をしても良いかな」

 アキラさんが言うので聞き返した。

「どうされましたか?」

「ちょっと考えていることがあって、うまく行ったら話すから」


「じゃあ、ここで今日の入金を分けちゃいましょう。護衛料と魔石代金です。半々でよろしいですか?」

 俺はそれ以上聞かずに金の配分を始めた。

「いや、レオン君の方は3人出ているんだから3対2で良いよ」

「そうですよ。アンナちゃんも頑張ったっす」

「ありがとうございます。そうさせていただきます」


「シャラ姉ちゃんありがとう」

「え、私がお姉ちゃんっすか?なんかめっちゃ照れるっす」

 アンナに言われて照れるシャラを皆暖かく見ていた。


「明日の調査の内容ですけど、魔獣の発生原因と現在の発生状況です」

「発生原因か、恐らく神獣人だろうな。竜神池に行く道が草も生えていない訳はあの道の下に龍脈が通っておるからだ」


「龍脈ですか。それって何ですか?」

 ヤヌウニさんが言った内容に俺が質問する。


「この星の血液のような物だな。この星の中心でその力は生まれ、星の表面に来ると細い道となって地表に沿って流れ始める。その力は霊素や魔素を生み出し、やがて空気中に消えていく。その地表の流れを龍脈と言う。強い龍脈の近くでは草木は育たぬのだ」


「それが神獣人とどういう関係があるのですか?」

「神獣人は恐らく龍脈の中に居る。あれの強さの源となっているのだ」


「それと魔獣の発生とどういう関係があるのですか?」

「多分、自分以外の神獣人の気配、コトネが山賊を倒した時の気配を感じたんだろう。永い眠りから覚めるのに寝返りでも打ったんじゃないか?それで龍脈の周囲に大量の魔素がばらまかれたんじゃないかと私は考えて居る」


「それが魔獣となったと言う訳ですか」

「まあ、想像だがな」

「俺もヤヌウニさんの意見に賛成だね。流石ですね」

 アキラさんも同意見らしい。


「では明日の調査は魔獣を中心に調べます」

「うむ、それでいいと思うが、コトネは連れて行くな」


「何でですか?」

「ソーンを刺激しない方が良いということだ」

「は・・い」


 コトネは気落ちしているが神獣人とは今は会いたくない。もっと強くなってからだ。

「ということで明日は俺とアンナとノルンで行く」


「明日の予定は竜神池周囲の調査がお昼前まで、その後大統領に結果を報告。何も無ければ、その後昼食を取ってから帝国に向け出発する。コトネ達は俺達がいない間に旅の準備を整えてくれ。アキラさんこの予定で良いですか?」

「ああ良いよ。もしかすると僕たちは遅れるかもしれないが、ゴロを置いといてくれれば連絡は取れるだろう」

 アキラさんはそう言うが何をしているのかは言ってくれない。まあ、彼が俺達に不利になることをするとは思えないので任せておくしかないな。


 次の日の朝、俺とアンナとノルンは竜神池に繋がる道を歩いていた。

「ここらで良いだろう」

 ノルンを黒鷲に変化へんげさせて上空から竜神の森全体を調査する。


 二時間ほど調査したが魔獣の姿はなく平和そのものだった。

 大統領に異常無しを報告した。

「君達に来てもらって良かったよ。竜神様の実在を証明できたし、リシエも無事だった。もう行ってしまうのは残念だが、帝国の学校に行くのなら引き留めることも出来ん。無事に着くことを祈っておるぞ」

 リシエ達はソーンの威圧で、殆ど記憶がない状態だったからコトネに起きた事は覚えてないみたいだ。


 ホテルに帰るとアキラさんも戻っていた。

「ヤ、何も無かったみたいだね。ところで旅のお供が増えちゃったんだけど良いかな」

 彼の後ろにはドワーフの家族らしき人達がいた。


「俺の仕事を手伝ってくれる。鍛冶師のコニンと縫製師のカリシュ、息子のツーレク、娘のレイニャだ」

 アキラさんが紹介してくれた。

「レオンハルト=イエーガーです。よろしくお願いします」


「鍛冶屋のコニンだ。よろしくな。アキラさんとは若い頃からの知り合いで、お互いの仕事の枠を超えた物造りをしたいと話して居ったのだが・・こんなに若い姿で現れるとはな。いやはや」

 40歳位だろうか。アゴヒゲを伸ばした、いかにもドワーフですって感じだ。


「カリシュです。本当にびっくりしました」

 コニンさんと同じぐらいかな。ふくよかなおばさんだ。


「ツーレクです。親父の弟子をしています。17歳です」

 筋肉質の体をした若者だ。


「レイニャです。15歳です。革加工を習ってました」

 コニンさんの娘とは思えない大人しそうなお嬢さんだ。


「俺はね、昔から錬金術師の枠を超えた生産者に成りたかったのさ。それで昔からその話に賛成してくれたコニンに言ったら、二つ返事で承諾してくれたんだ」

 アキラさんは嬉しそうに話す。


「そりゃあな。昔はアキラさんが年寄りだから将来が無いと思っていたから腰を上げられなかったが、息子と同じぐらいになったらそりゃ、やりたくなるってもんよ。この人は大金持ちだからな。少々の失敗位じゃ傾かないもんな」

 コニンさんは豪快に笑う。


「まあ、帝都なら何をしたって食べて行けるでしょうから、冒険も怖くないです」

 カリシュさんはころころと笑う。


「帝国で一旗揚げれば、ハイホーの奴らを見返せるぜ!」

 元気なツーレク。


「帝都ってすごく華やかなんでしょ。憧れるわ」

 夢見がちなレイニャ。


 俺達は昼食を食べた後、コニンさんの家に寄って、荷物を馬車に乗せるふりをして俺の収納庫に入れる。

 当然、コニンさん達には秘密を守ってもらう約束はした。まあ、アキラさんの目を信じるしかないよね。


 そして俺達は再び旅を始める。

 馬車は俺の方にコトネ、アンナ、ヤヌウニさん、ジュリア、ノルンが乗る。

 アキラさんの方はシャラ、コニンさん、カリシュさん、ツーレク、レイニャ、ゴロが乗る

 ゴロは従者通信を使った連絡要員である。


 夜営用の小屋は手狭になり、我慢できないほどではないが、出来ればどこかで増築したい。


 数日後エルフの国ユグドラシル聖皇国との国境に辿り着いた。

 個々の国境はヴァイヤール王国との国境に比べるとかなり大きい。

 これはエルハイホ共和国とリヒトガルド帝国との往来が多いことに起因する。

 帝国は鉄、革、布等の原料を輸出し、共和国は加工品を輸出する構造になっている。

 聖皇国は関税で儲けている。


 俺達を検査に来た聖皇国の若い国境警備員は、耳が横に長いエルフの特徴を持っていた。

「身分証明書を・」

 俺が身分証明書を渡すとそれを見ながら質問する。

「入国の目的は?」

「帝国へのトランジットです」


「レオンハルト=イエーガー・・・あ、もしかしてイエーガー伯爵の三男のですか?」

「はいそうですが」

 いきなり言葉が丁寧になる。

「ご活躍は噂で聞きましたよ」


「活躍ですか?」

「はい、一人で山賊50人を成敗したそうで」

 えーかなり尾鰭が付いてるなあ。

「いえ、5人で20人です」

「そうなんですか?でもすごいですよ」


 それからもたくさん質問されたが、問題なく国境を通過できた。

 やばいなあ、この分じゃあ竜神の森の話なんかどんな尾鰭が付くのやら。

 今の所、噂より俺達の方が速いが、追付かれるとしょうもない誤解を受けるかも。


 取敢えず首都のヘルムフルトを目指して旅をする。

次回、聖都ヘルムフルトに到着します。

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