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3-8 三男坊 大統領の依頼を受ける

ドワーフの国に来たレオン達、大統領が何やら依頼を持ってきた。

 ドワーフの国エルハイホに入った俺達は、そのまま首都ハイホーに入った。

 首都では大統領が俺達に超高級ホテルを用意して夕食会にも誘ってくれた。

 待ち時間で鍛冶屋に行って刀を研ぎに出そうとしたらドワーフたちは大騒ぎを始めた。


 刀に見入ってるラドムさんに俺は声を掛ける。

「それで研いでもらえるんですか?」

「あ、ああ、何だった?」

「研いでもらえるのかっておっしゃってますよ」

 ハッとしたようにこちらを向くラドムさん。


「もちろんだ。今日中に研いでおく。明日取りに来てくれ」

 おばさんが刀にタグをつけて紙を渡してくる。

「名前を書いてね。明日出来上がりと交換するから無くさないでね」

「料金はどうしますか?」


「親方、どうします?」

「普通の料金で良い」

「じゃあ、大銀貨4枚です。明日で良いですよ」

 おばさんに受け取り方法を聞いた。


 子供達とジュリアは店の中で展示してある商品を眺めて嬉しそうに話している。

 彼女たちはやはり武器より調理器具に夢中だ。

「レオン様、この平べったいお鍋はどう使うのぉ?」

 アンナがパンと札に書いてある鍋の説明を求めてくる。

「いや、俺に聞かれても」


「これはね油を敷いて炒めたり、油で揚げたりするお鍋よ」

 おばさんが説明に来てくれた。

 しかし、炒めるとか揚げると言う調理法自体が解らない。

 俺達は直火で焼くか、水で煮ることしかやったことが無い。


 おばさんは丁寧に料理の仕方を教えてくれた。

 コトネが欲しそうにしていたので買ってあげることにした。

「そう言えば、前に食べたハンバーグは、炒めたと言っていたからアキラさんに聞いてみな」

「はい」

 コトネが嬉しそうにうなずく。こういう時は年相応で可愛い。

 コトネは背伸びしすぎなんだよね。アンナも段々子供っぽさが無くなって来てるし、俺達だけの時はもっと親しくして欲しい。


 遠慮気味に後ろで見ているジュリアにも聞いてみた。

「ジュリアは何か欲しいものあるかな」

「私は何を何に使うのかさっぱり分からなくて・・」

「じゃあ、コトネ達が当番の時に教えてもらいなよ」

 ジュリアの顔が明るく輝いた。


 夜営の時にはコトネ達とアキラさん達が、交代で食事の準備や掃除などの家事をやっている。ジュリアは幼い事から聖女候補生をしていたので、家事が全くできないのだ。帝都に着くころには何とか恰好が付くだろう。ジュリアも今年成人したはずなので、人並みには家事をしたいはずだ。


 おばさんに靴を買いたいと聞いたら近くの革製品の売り場を教えて貰った。

 台所用品を大量に買わされたので、おばさんはとても親切だった。

 店を出てからすぐに路地に入って、台所用品を収納庫に、そして革製品の店に向かった。


 50m位歩いたところにその店はあった。

「レオン様、何を買うのですか」

 コトネが俺に聞いて来た。


「王都でお前達の礼装を買っただろ。それ用の靴を買うのを忘れてたんだ」

「新しい靴を買うの。嬉しい」

 アンナが言葉通り聞き耳を立てていたのですぐに反応した。

 礼装と言ってもパーラーメイド用のエプロンドレスだ。

 俺も身分の高い人とのかかわりが増えるのではないかと思って作った。


「私達に新しい靴は贅沢ではありませんか?」

 コトネは相変わらず固い。俺の懐を心配してくれているのだろうが、アキラさんの依頼報酬があるから大丈夫だよ。

「ジュリアのドレスと靴も買わないと夕食会に行きにくいでしょ」


「この服が駄目なんですか?修道服も持って来ていますがいけませんか?」

 ジュリアにはまだ一般の常識が無いからキョトンとしているが、今着ているのは変装用に買った中古の服だ。大統領の前に出るのに少しは着飾らないといけないし、俺が修道服を着た少女を連れていたと金字教に伝わるのもまずい。


 コトネ達の靴はフォーマルな靴なのであまりもめずに買えた。次は服屋だ。今日の事なので中古だな。

 服屋に行くと残念ながら合うサイズがなかった。そうかここに居るのはほとんどドワーフだからな。

 落胆していると新古服があると言う。


「どういったものですか?」

「オーダーメイドで発注していただくのにサイズや形、模様などを確認するために作ってある服です」

 売り子さんが説明してくれる。この街が流行の最先端なので、わざわざこの街まで来てオーダーメイドする人族のお客が居て、それ用らしい。


「これは型遅れで模様も人気が無いので、安くお譲りできます」

 オーダーメイドのサンプルの型落ち品と言う事か。

 ジュリアに着せてみると・・。


「ジュリアさん凄ーい」

「ジュリアさん綺麗です」

 本人よりアンナとコトネが大喜びだ。

 確かに修道女と言うことで髪が短めなのが惜しいが、スタイルが綺麗に出て、顔も可愛いのでよく似合う。


「本当によく似合ってる。これがいいね」

「ありがとうございます。でも私が出席しても良いのですか?」

 本人は言われ慣れていないのだろうか、顔を赤くして俯いている。

 女の子を着飾らせるのって楽しいよね。

 それでもリーナに買わされた服の半分くらいの値はした。


 それにジュリアは戦闘していない自分が参加しても大丈夫か心配していたけど、こんなことに大統領が出てくるのには何か訳があるんじゃないか。じゃあ、こっちのわがままはある程度かなえてくれるだろう。

 ってことであまり気にしないで行こう。


 ホテルに戻って一休みした後、着替えて夕食会場へと行く。

 アキラさんは青を基調とした礼装。

 シャラは・・・胸の上半分が出てる。凄いの着てるなあ。

 ジュリアは買ったばかりのドレスと髪に大きな髪飾りを着けてる。シャラに貸して貰ったのかな。

 コトネはカチューシャを着けてる。メイド用ではない華やかなのだ。

 アンナは髪がそこそこ長いので、ポニーテールにしてピンクのシュシュを着けてる。


「この娘達の髪飾りってシャラが貸してくれたの?」

 そっとシャラに聞いてみた。

「そうっす。レオンは女の子にアクセも買ってやらないとだめっす」

「すいません。ありがとう」


 アキラさんがそっと寄って来て俺に耳打ちした。

「あいつはアクセサリーを集めるのが趣味なんだ。こういう時じゃないと使えないからあまり気にしないで」

「あのドレスはアキラさんが?」

「いや、あいつが選んだの。俺は恥ずかしいんだけどね」


 会場に着くと長い机のこちら側の中央が俺で右側がアキラさん、シャラ、左側がジュリア、コトネ、アンナ、老夫婦の振りをしていたヤヌウニさんとノルンは疲れたと言うことで欠席させてもらった。あの二人は食事しないしね。


 俺達が着席するとすぐに大統領がやってきた。

 晩餐会ではないので大統領一人と護衛だけだ。俺達も立って挨拶をする。


「まず、君達には礼を言いたい。下手をすると一月は掛かると思っていた山賊退治を成し遂げてくれてありがとう」

 それからは着席して食事となり、山賊退治について色々聞かれた。

 まあ、適当に答えておいた。


 食事が終わった後に大統領が褒美をくれた。金貨十枚とハイホーの街にある店の十%割引券だ。

 割引券は先に欲しかったよ。すでにたくさん買い込んだからね。


「それと君達にはお願いがある]

 大統領は突然身を乗り出して俺に話しかけてきた。

 そら来たよ。うちの子達が正装して、御馳走になったんだから大抵のお願いなら聞いちゃうけどさ。

 コトネとアンナにはそんな機会がこれからもなかなかないだろうからね。


 大統領のお願いを要約すると

 この首都で、明日お祭りがおこなわれる。

 その中の重要神事として、成人前の少女が竜神に平和と繁栄を願う儀式がある。

 神事は竜神の森を三時間以上歩いて、中心にある竜神池にて執り行われる。

 神事は少女を含め8人までしか認められない。

 最近竜神の森では魔獣の姿が目撃されている。

 護衛をヴァイヤール国で雇ったが山賊騒ぎで到着まで一週間くらいかかる。

 ドワーフ族は飛び道具は得意だが接近戦が苦手で、魔獣相手では頼りない。

 君達が護衛をしてくれないか?


 アキラさんはシャラと相談した。

「お祭りに出たいっす」

 ということで二人共参加決定。

 俺は参加の予定で3人に聞いた。

「レオン様が参加するなら当然参加します」

 とコトネ。

「お姉ちゃんが行くなら私も行く」

 とアンナ。

「私は役に立ちそうもありませんからやめときます」

 とジュリア。


 部屋に居るヤヌウニさんとノルン、ゴロは戦いは無理で不参加。

 ということで5人に決定と大統領に伝えた。


「5人で大丈夫かね」

 大統領が主に足が床に届かずにぶらぶらさせながら微笑んでいるアンナを見ながら言った。

「山賊と戦ったのがこの5人ですから大丈夫ですよ」


 次の日の朝、ホテルで旅の疲れを癒した俺達は、まず刀の研ぎを頼んだラドムさんの店に寄った。昨日貰った紙を渡すとおばさんが俺とコトネの刀を持ってきてくれた。

 代金を渡して刀を受け取るとおばさんが困った顔をして言った。

「親方ったら研いだ刀を朝まで眺めてたらしくって起きて来ないのよ」

 俺は仕上がりを見てラドムさんに任せて良かったと思った。それくらい素晴らしい仕上がりだった。


 指定された場所まで幌馬車で向かった。

 竜神の森の入り口付近は屋台なども出て、混雑していた。

 そのうち大統領とスタッフらしき人が駆け寄ってきた。


「よく来てくれたね。この子が今年の竜人さまの巫女だ」

 大統領の後ろから顔を出したのは可愛い少女だ。背はアンナとそう変わらないが顔は大人びている。

「リシエと言います。よろしくお願いします」

「俺はレオンハルト=イエーガー、こちらはアキラさん、・・シャラ・・コトネ・アンナだ。君のことは必ず守るから安心して欲しい」


「ありがとうございます。小さな子がいらっしゃいますのね」

 アンナの方を見てリシエが首を傾げた。

「ここの子は戦いはしないけど、索敵は俺達の中では一番なんだ」

「そうでしたか」


 大統領が前に出て俺の耳に顔を寄せた。

「リシエは俺の孫なんだ。よろしく頼む」

 それから顔を離して言った。

「輿を担ぐ人間を二人付ける。よろしく頼む」


 輿と言っても木の椅子に長い棒を括り付け、花などを飾った質素なものだ。

 リシエは椅子に座って、背もたれの上から座面の一番前に付けられたロープを掴んだ。

 前後に一人ずつ棒を両手でぶら下げるように持って輿を持ち上げた。

 さあ、出発だ。


 ヤヌウニさんが俺を手招きして言った。

「どうも悪い予感がする。ノルンとゴロを連れて行け」

 俺は頷くと従者通信でノルンとゴロに指示を出した。

次回、竜神の森に入ったレオン達、何が待っているのか?

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