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告げられた結果

翌日、僕は近くのクリニックの駐車場に車を停めてPCR検査の結果が出るのを待っていた。朝クリニックに電話を入れて指示された通りに車で待っていると、全身を防護服に包んだ女性がやって来て問診票を渡された。そして長い綿棒を左鼻の奥にぐいと突っ込まれ、くるくると回されたのだ。正直言って、僕はその突然の痛みに対して全く準備が出来ていなかった。一瞬の、言葉にならない痛み。それはどこから来たのか全く分からない鈍い痛みだった。


エンジンを停めたままにしていたので、車の中は10分ほどで異常に暑くなってきた。夏の太陽は僕の茶色いFITに燦々と照り付け、中はまるで火にかけた鍋みたいだった。40℃、あるいは50℃くらいあったかも知れない。僕は耐え切れなくなってエンジンをかけた。こうして人は温暖化に飲み込まれて行くんだ、と僕は目に入る汗を拭いながらぼんやりとした頭で考えていた。


30分ほど待ったころにポケットに入れたスマホが鳴っていることに気が付いた。

「もしもし」と僕は少しかすれた声で答えた。

「こんにちは、高瀬さんの携帯でよろしかったでしょうか?」それは低めの、男性の声だった。

「はい、高瀬ですが」

「私、~クリニック内科の石田と申しますが、高瀬さんのPCR検査の結果が出まして」

「あ、はい」

「陰性でした」

「え?」


予想外の結果に、何と反応していいか分からなかった。陰性?

「ということなので、熱冷ましをお渡しするので熱が高い時に使ってくださいね」

「えっと、ごめんなさい。陰性ということはコロナではないということなんですか?」

「まあ、この結果からはそうですね。昨日から発熱してるんですよね?」

「はい」

「それなら偽陰性ということも多分ないでしょう」

口調から、電話の向こうで医者が少しイライラしているのが分かった。僕は自分の後ろにずらりと並んで検査を待っている車の列をちらりと眺めた。きっと彼は同じような話を何百回としているのだろう。どうやら、これ以上話をしても仕方がなさそうだった。

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