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離婚したので放っておいてくれませんか?  作者: 肉まん太郎
第二章
41/48

40:あの人はどこに

元旦那(侯爵)視点

息子達が屋敷でエカテリーナ様があの小さい家から消えたと騒いでいた。

私が息子に何が起きたと聞いてもあいつらは気まずそうに顔を背け別の話に切り替えようとする。


「私はエカテリーナの夫なんだぞ!?なぜ誰も私に知らせないのだ!」


私は焦っている。

今回はあの村にリアムも住んでいるというのに、エカテリーナがいつ消えたのかも分からない。

本当に役立たずだ!!


そうだ!いいことを思いついたぞ!エカテリーナがいつの間にか自分の息子だと名乗らせていたあの餓鬼が王宮で王国魔術研究員をしてる。そいつに聞けばいいのではないか!


「今手紙を出すぞ!」


私はロジャーに手紙を書いてもらった。

なぜ私があんな父親が分からない餓鬼に手紙を書かないといけないのだ。

・・・でも、まぁエカテリーナがこの屋敷に戻ってくるならあの餓鬼どもを置いて行ってもらう。

なんせこの侯爵家には六人の子供がいるんだ。私と血も繋がってない。王国魔術研究員で働いているという餓鬼は多少使える気もするがもう一人は治癒師、確かに数少ない女神からの祝福を与えられたもののみしかなれない珍しい職業ではあるもののどうせ汚い庶民から生まれたんだ。

そんな汚い庶民な子供は侯爵家に泥を塗りかねない。


「侯爵様、手紙を書き終えました。」


そう言い私の確認を待たないでロジャーはすぐそれを魔法便で送り出した。

あの日から、私がエカテリーナの元から無理矢理屋敷に連れ帰ってきた日からロジャーは変わった、どう変わったのかは私も分からないがとにかく変わった。


「おい、ロジャー。なぜ私に確認させない。」


「・・・アーサー様がこうしろと言いましたので。」


「そうか。」


アーサーが言うんだから間違いはない。あの子は私に似ていてとても聡明で見た目がいい。唯一の悪いところはエカテリーナをこの屋敷に引き止められなかったことだ。まぁ私は優しい父親だからそれぐらいの失敗で勘当することはない。感謝して欲しいものだ。


部屋の中にある画家に書かせたエカテリーナと私が仲睦まじげに手を繋いでる絵、エカテリーナと私が仲睦まじげに話している絵、エカテリーナと私が仲睦まじげに子供を愛でている絵。

全部、起こるべきだったんだ。

これが起きる前にエカテリーナが出て行ったんだ。

私のせいではない。

悪いのはあの三人の雌豚どもだ。

私は何も悪くない。私は”侯爵”としての仕事をしていたのだ。少しぐらい休んだって罰も当たらない。


「侯爵様、リリー様が侯爵様に会いたいと仰っております。」


「はぁ・・・またあの女か。」


「・・・ずいぶんひどい言いようですね。」


「当り前ではないか!あの雌豚共のせいでエカテリーナが私と離婚するとか言い出して、あの雌豚共のせいでエカテリーナが!私の唯一の妻がこの屋敷から出て行ったんだ!これぐらい言ってもばちは当たらないだろ!」


エカテリーナが出て行ってからあの三匹の雌豚共は自分がエカテリーナの代わりになれるとでも思ったのか、第一夫人に名乗り出てくる豚が多くなった。

一番ひどいのはリリーだ。泣いたり縋りついて来たり面倒くさかった。


「あなた!」


リリーが泣きながら部屋に入って来た。


「リリー様まだ侯爵様から許可は出ていません。」


「だまって!私は次の第一夫人なのよ!」

 

「黙れ!お前みたいなやつあ第一夫人なにれると思ってるのか?思い上がるな!」


コイツのせいで・・・この平民のせいで!私はエカテリーナから嫌われたんだ!こいつが・・・こいつがエカテリーナの前に現れて自分の方が愛されてるとかふざけたことをほざくから悪いのだ!


「ア、アレクなんでそんなことっ」


「平民が!私の名前を呼ぶな!」


バシッ

私はリリーの顔を思いっ切り叩いた。

これで少しは黙るだろう。


「・・・なんで、なんでこんなことするのよ!私は何も悪くないじゃない!全部、全部あの女!あの子供もまともに作れない女が悪いのよ!」


バシッ

うるさい雌豚だ。

今の私はこの女を叩いても申し訳ないとは思わない。

不思議なものだ、昔はこの雌豚が転んだりくしゃみをするだけでも心配をしていた。

こんな心配する価値もない女を私は心配してたのか。


「っふ。本当に醜い女だ。お前の何がエカテリーナに勝てるんだ。・・・一つもない!この家の女は誰もエカテリーナに勝てない!エカテリーナが一番美しくて、一番聡明で私の妻として一番相応しい!それが・・・お前ら!お前らのせいでこうなったんだ!」


バシッ

ボコッ


「痛いよ!痛いからやめて!殴らないで!ロジャーも見てないで止めてよ!」


「・・・・・」


「なんでなんで誰も助けてくれないの!?ねぇ!!」


床に座り込み泣いているリリーに手を差し伸べる人は誰もいなかった。

私の手がこの女のせいで汚れてしまった。

あぁ、早くキレイになってエカテリーナを迎えに行かなければならないな。



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