37:見知った騎士団の隊長ロック
朝、ドアが叩かれる音で目が覚めた。
ドアの前に行くと相当力強く叩かれてるのかドアが凄く揺れている。
窓からチラッと見てみるとそこには見知った顔が。
「え?なんでここにいるの?」
小声で言ったつもりが相手には丸聞こえだったらしい。
「お義母様!」
私に気づいた三男の・・・確か、ロック?が秒で目の前に来ていた。
流石騎士団の隊長だけあって動きが素早やい。
私の顔を見るなり「お義母様!お義母様!」と連呼して号泣しているのこ大男に困っている。
近くに住んでる人が声にびっくりして思わず見てしまうぐらい声が多いからとりあえず家に入れた。
リロイが作ってくれたリラックス効果があるお茶を入れロックの目の前に置くと泣きながらお茶をすすっていた。
ロックの手も背も大きいせいか大きめのマグカップがティーカップぐらいの大きさに見える。
「お、お義母様がここにいると知ってっ・・うっ、騎士団に休暇届を出してここに来たんです・・・」
泣きながらそう言うロックは大量にお茶を飲んでいた。
しばらくしてお茶のリラックス効果が聞いたのか、泣き止み私にいろいろと話しかけてきた。
話の内容は大体、後悔してる、これからもお義母様と親子のような関係を築きたい、頑張っていい息子になるから見捨てないでくれ、お義母様がもう一度息子と呼んでくれるためなら侯爵家の名を捨てて騎士団の隊長も辞める、ともっといろいろ言われたが大体はこういう内容だった。
「侯爵家と縁を切る?やめておきなさい。あなたは騎士団長になりたいと言っていませんでしたか?」
この子は小さい頃に私が連れて行った騎士団の訓練所で騎士団長を見てそれに憧れて騎士団に入っている。その夢をこんな事ごときで諦めるなんて勿体ない気がする。
「はい・・・」と小声で答える彼は大男だけど、一回りぐらい小さく見えた。
「もし騎士団長になったら、この家を出入りすることを認めましょう。」
「本当ですかお義母様!?」
「えぇ、私に二言はありません。」
この子と私の間には悪い思い出が多いわけではなかった。
ただ、ある時期を境に顔を合わせることが少なくなり話さなくなった、だたそれだけなのだ。
本来の性格も真っ直ぐで悪い子じゃないということは分かっているがあの侯爵家の子供だ、私がこうやって近づいて話していることは私にとっていいことではない。
そこで私は、昔のことを思い出した。
思えば、この子は私のことを本当の母だと思っていた可哀そうな子供の一人だったわね。
この子は私のことを完全に信じきっていた、可哀そうなことをしたわ。
申し訳なさなのか何なのか分からないが私は自然と立ち上がりロックの頭の上に自分の手を置いていた。気づいたころには頭を撫でていたロックは私に抱き着いてきた。
自分がなぜこうしたのかも分からない。
しばらくロックは泣きながら何かを言っていたが泣いているので何を言っているのか全然わからない。それから数分落ち着いたのか泣き止んでいたが目と鼻が真っ赤になっていたのでタオルを差し出したらコイツ鼻水と涙を思いっきりふき取っていた。返されたタオルは凄く汚く帰ってきた。内心「この野郎遠慮というモノを知れ。」と思っていたがそれは今言ったら駄目な気がする。




