26:侯爵家五男は先生になる
侯爵家五男
応接間でしばらく待っているとお義母様が入ってきた。
「お義母様!」
久々にお義母様の顔が見れた!嬉しい!
何も考えないでお義母様を呼んでしまった。
「お義母様!リアムです!覚えていますか!?このリアムル、お義母様に会いたかったです!お義母様に会いたくて学園の特別卒業試験を受けて卒業しました!」
お義母様と話したい!お義母様に僕の頑張りを見てもらいたい!
それしか頭になかった僕は、お義母様にずっと話しかけていた。
僕がお義母様に近づこうとしたら、お義母様が僕に話しかけてきた。
「マナーの先生の面接ですよね?さぁ、教室に行って試験をしましょう。」
あぁ、そうだ。僕の最初の目的はお義母様と同じ職場で働くことだ。
「あっ...はい、そうですね。」
僕はお義母様に近づく足を止め、お義母様の後をついて行った。
歩いているときに何回か話しかけようとしたが、お義母様から圧の様なものを感じて話しかけにくかった。だから、お義母様を目に焼き付けようとじっと見ていた。それにしても、お義母様は髪を短く切ったな。服もなんか質素だ。僕がお義母様になにか新しい服や髪飾りを買わないと!お義母様の息子達は絶対に綺麗な時のお義母様を知らない。僕達だけ、あの侯爵家の子供だけが知ってるんだ。嬉しいな、あの息子達が知らないお義母様を僕たちは知ってるんだ。
試験をする教室につき早速試験をした。試験は、難しくなかった。もう習慣のようになっていることを黙々とお義母様に披露するといつの間にか試験が終わった。
「試験は合格です。では、来週からの出勤をお願いします。」
お義母様はそういうと、足早に教室を出て行こうとした。何かを考える前に体が動いて、お義母様の腕を掴んでしまった。
「リアム様、この手はなんですか?」
お義母様の声は冷たかった。
いきなりお義母様の腕を掴んだから嫌われたのかな?...いや、違う。侯爵家にいた時からお義母様ののことを避けていたからに違いない。
「お義母様!お話を...お話を...どうか...」
お義母様に嫌われたらどうしよう?その考えが頭をよぎり泣いてしまいそう。
お義母様とお話をしたい。言い訳をしたい。
お義母様は軽くため息をはいた。
どうしよう、お義母様が呆れてた。僕って面倒臭いのかな?どうしよう...
泣きそうな僕を横目にお義母様声をかけてくれた。
「話は聞きますけど、私が侯爵家に戻ることはありません。もし、それでもいいのなら教室に入ってください。」
お義母様!話は聞いてくれるみたい!それだけでもありがたい。
お義母様はやはり優しいお方だな。
そうだ!お義母様が住んでいる家の近くに家を借りよう!
そうすればお義母様と毎日会える!
それから、数時間僕はなんで自分がここに来たのか、侯爵家にいた時のこと、胸の内のことを全部お義母様に洗いざらし話した。
お義母様は神妙な面持ちで僕の話を聞いていた。
「ということです。お義母様、僕達侯爵家の子供達はお義母様のことが嫌いではないのです!むしろ大好きなんです!」
そういうと、お義母様は「訳が分からない。」とでも言いたそうな顔をしていた。
お義母様にアーサー兄上が侯爵家に帰ってきて欲しいということを伝えたが僕はお義母様が帰りたくないと他の兄上に聞いたのを思い出した。だから、僕はお義母様に
「僕は、この町でお義母様と学校の先生をしたいです。侯爵家にお義母様が帰るのは反対です。」
と、とりあえずお義母様に媚びた。




