24:侯爵家五男、リアムが来た
あれから数週間、リカルドの屋敷と学校を行き来している。
リリアンはもうすでに初級の魔法をすべて覚えていて、今、中級の魔法を練習している。
正直、こういう家庭教師じゃなくて学園に行けばいいと思うけどリカルドが「学園いても師匠ほどの教師はいないでしょ?だったら、このまま師匠に教えてもらってあと一年したら卒業試験だけ受ければいいんですよ。学園に行くほうが時間の無駄ですよ師匠!」と言っていた。
学校の方も順調だ。私の代わりに魔法と剣術を教えてくれる先生は揃った、あとはマナーの先生だけだ。ギルドや人伝で募集してみたけど、なかなか集まらない。集まってきた人もいるが田舎町だからなめているのか全然マナーがなってない人が来るときもある。
今日は私が昔、暮らしていた国から面接を受けに来る人がいる。マナーの先生の面接だ。
これで、あと数か月間引き継ぎ作業をしたら早めに引退が出来る、そう思うとこの面接に来る人には合格してほしい。
職員室で、魔法と剣術の引き継ぎ資料を作っていると若い先生が私を呼びに来た。
「先生!面接を受けに来た人が来ました!」
「わかりました。今、いきます。」
資料を書くて手を止めて、応接間に向かう。といっても、そんなに立派な応接間ではない。ソファーが数個にコーヒーテーブルが一つ置いてある部屋だ。
応接間に入ると見たことある顔がそのにはあった。
「お義母様!」
侯爵家の五男のリアムだ。何でここにいるんだ?まだ、学園にいるはずなんじゃ...
色々考えているとカイルがいつの間にか私の目の前まで来ていた。
「お義母様!リアムです!覚えていますか!?このリアムル、お義母様に会いたかったです!お義母様に会いたくて学園の特別卒業試験を受けて卒業しました!」
最後に会った時、こんなキャラだったか?
やっぱり、母親の第三夫人に似て綺麗な顔してるわね。リアムは「お母様...お義母様...」と言いながらじりじり近づいてきている。
「マナーの先生の面接ですよね?さぁ、教室に行って試験をしましょう。」
とりあえず、話をそらしたほうがいいわよね。
そう言い、ドアを開けマナーの授業の時に使っている、教室に移動すると伝える。
「あっ...はい、そうですね。」
私が話をそらしたことに気づいたのか、リアムは足を止めて私についてきた。
教室に向かってる途中ずっと目線を感じた。そんなにじっと見ても何も出ないぞと言いたいところだけど、話しかけたら話しかけたで面倒くさいことになりそうなので出来るだけ話さないようにしよう。
教室に着くと早速試験をした。やはり、侯爵家で厳しく教えた甲斐もあったのかマナーは完璧だ。
「試験は合格です。では、来週からの出勤をお願いします。」
そう言い、教室から出ようとしたのだけどリアムが私の腕を握ってきた。
「リアム様、この手はなんですか?」
私がそう聞くとリアムがビクッとして、泣きそうな声で話しかけてきた。
「お義母様!お話を...お話を...どうか...」
ここで泣かれたら困る。とりあえず、この教室で話をつけよう。
「話は聞きますけど、私が侯爵家に戻ることはありません。もし、それでもいいのなら教室に入ってください。」
「は、はい。」
涙声のリアムは短く返事して教室に入った。




