20:家庭教師の依頼
今日は休日だ。
何をしようかな。
何をするか考えていると家のドアを誰かがノックした。
窓から覗いてみると見知った顔がそこにあった。
「いらっしゃい。」
「姉さん休日にすまないね。」
ギルドマスターのリュウだ。私より年下で、私の名前が長いという理由で「姉さん」と呼ばれている。この人の名前なんか、日本人っぽいでしょ?外見もすっごくアジア系で、どうやらこの国に集団移転してきた日本人とアジア系の人が先祖みたい。異世界や移転、転生についていろいろと知っている。
黒い髪に黒い瞳、高身長なうえに綺麗な顔をしている。ぱっと見ギルドマスターという感じがあまりしない。貴族感が出てるけど本人は貴族じゃないと言い張っている。
リュウを家の中に招き椅子に座ると話し始めた。
「実は姉さんにお願いがあってきたんだ。」
「お願い?」
リュウがお願いとは珍しい...というか初めてではないのだろうか?
「実は領主様の娘さんが姉さんから魔法を習いたいって言っててな。姉さんにこの依頼受けるか聞いてみたいんだ。私としては、ぜひ受けてほしいけど...どうだろうか?」
領主か...ことわったら面倒臭い気がするな...
「受けるわよ。でも私、冒険者登録してないわよ?」
「領主様の特別依頼ということで登録してなくてもできるんだ。」
この領地の領主様は確か伯爵だった気がする。領主としては完璧だ。領民からの人気も高い。
でも、娘が一人いてかわいくてデレデレだとか...あとその娘の体が病弱気味であんまり屋敷から出てないと、噂で聞いた。
名前は確か...リカルド様だったような気がする。家名はこの領地の名前になっているし、昔からある家系みたいね。
馬に乗っているのを一回見たけどまぁ強そうだった。アレが娘にデレデレっていうのも見てみたいな...
「この依頼いつからなの?」
「ん?あぁ、領主さんが姉さんの空いてる日でいいって言ってたよ。今日からでもいいって。」
いいのかそんなので。
「わかったわ。じゃあ今日行くわ。」
「お姉さん領主さんの屋敷の場所わかるかい?」
あの村の中で一番大きい屋敷でしょ?さすがにわかる。こいつ私のこと馬鹿にしてるのか?
「なんでよ?分からないとでも思ったの?」
「いやぁ、姉さんともっと話したから送ろうかと思っただけ。」
週四会ってるのに何を言っているんだね、君は。
「早く終わったらギルドに行くわよ。」
「あぁ、わかった。待ってる。」
早速、荷物を準備して収納魔法でしまう。
収納魔法って便利よね。大体の物しまえるし収納魔法で収納されてる間は時間もたたないし肉とか野菜も腐らない。キースの収納魔法は私のよりもっと凄い。容量も凄くあるうえに生き物もしまえるという高機能。
歩くのは時間が掛かるかから移転で近くまで行ってそこから歩けばいいか。
「移転」
一瞬で領主様の屋敷の門の近くに移転できた。
「ここがお屋敷ね...そんなに大きくはないわね。」
侯爵家より小さいのね。まぁ、妻も一人しかいないから屋敷も一つだけで充分よね。家庭的で可愛らしいわ。
門の前に着くと見知った顔がいた。三年前に卒業したレオじゃないか。
どうやら私に気づいたみたいだ。こっちに向かって手を振っている。
「先生!お久しぶりです!今日はどうしてここまで来たんですか?初めてじゃないですか?先生が来るの!」
相変わらず元気だねぇ。
「領主様の娘さんの家庭教師を頼まれてね。」
「流石先生です!」
なんかよくわからないけど、レオが嬉しそうでよかったわ。




