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離婚したので放っておいてくれませんか?  作者: 肉まん太郎
第二章
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18:侯爵家次期当主は嫉妬する

あのキースとかいう子供。


お義母様と距離が近すぎる。


私がお義母様と距離感があることを知っていてやっている。


「僕、ママのことが大好きだからね。毎日ママと寝てるんだよ。」


...羨ましい。私だって生みの母親があんな女じゃなければお義母様と仲良くできた。


それにあの、顔。ふてぶてしい。


お義母様にベタベタ触りやがって。不愉快だ。それを許すお義母様もお義母様だ。


お義母様はあいつの本性を知らないのだ!


だから、あんな顔ができるんだ!


なんだ!あの愛おしそうにあのキースとかいう子供を見つめる目は!


あぁ...羨ましい。あのキースとかいう子供が羨ましい。


「キース?あなたの知らない人の前で話す話ではないでしょ?」


お義母様に優しく注意されているその子供が羨ましい。


お義母様との距離感が私が普通の親子のようで羨ましい。


今の私の顔はきっと醜い。


こんなに人の物を欲しいと思ったことは初めてだ。


「お義母様はどうすれば帰ってきてくれるのですか?」


あの子供がお義母様にベタベタしてるのを見ていられなかった。


「...そうですね。私が戻りたいと思うぐらいの価値があるものがないと戻りません。」


...弟が来て、私も来て。帰ってくれると一言も言ってくれない。


私達は価値がないのだろうか?


私達は見捨てられてしまったのだろうか?


お義母様はいつになったらまた私達と家族に戻ってくれるのだろうか?


あぁ...これは私達が今までお義母様にしてきたことに対しての罰だ。


お義母様に嫌われたのかもしれない。


「お義母様は私達が嫌いなのですか?」


聞いてもきっと「興味がない」と言われて終わるのだろう。


「”私達”とは侯爵家のことですか?それとも侯爵家の子供達のことですか?」


お義母様はやっぱり侯爵家が嫌いなのですね。


「お義母様...あなたならわかっているはずです。子供達です。父上と夫人達を私達の中に入れないでください。確かに私達はお義母様に対する態度が悪かった。でも、お義母様は常に私達のことを思って行動してくれていたのではないですか!本当に、嫌い...なのですか?」


お義母様に初めて感情をぶつけたのかもしれない。...遅すぎるな。なんでもっと前にしなかったんだろう。


「子供達は嫌いではないですよ。ただ、可哀そうな子供達だと思ってました。あんな環境で私に厳しく躾けらるうえに、あんな父親と夫人達に囲まれる子供達が。」


お義母様は私達を嫌ってない...それを知れただけで私の胸はいっぱいだ。


まだチャンスがある。


お義母様が屋敷に戻ってきてくれるチャンスがある!


「...あのー」


キースとかいう子供が私に文句を言ってきた。


その文句を聞いていると...その通りなのかもしれない。と思ってしまった。


私は、お義母様のことを全然考えていなかったのかもしれない。


キースは続けた、お義母様がキース達といてとても幸せだと、言っていた。


言われなくても分かる。見てれば分かる。痛いほどに分かる。


私達といた時よりもだいぶ柔らかい表情をしている。


あぁ、羨ましい。お義母様とくっついて座っているキースが羨ましい。


お義母様に甘えられるあの子供が羨ましい。


お義母様は私達のお義母様だったのに...


そうだ。...一人いたではないか、お義母様が気にかけていた弟が。


「お義母様...末っ子のスタンを覚えていますか?」


あの子は泣き虫でお義母様が大好きだった。反抗期や夫人の様子を見て感情を悟られないようにお義母様の言うことを渋々聞いている感じを出しているが、いつも私達兄弟には嬉しそうに報告してくる。


お義母様が屋敷からいなくなった日からスタンは部屋から一歩も出ていない。


食事もする回数もどんどん減っている。スタンが食事を拒否し私がポーションを無理やり飲ますことは日常茶飯事だ。


口を開いて何かを話すのかと思えば大体お義母様について聞いている。


スタンの生みの母の第二夫人が来てもお彼女を睨んだりヒステリックを起こしたり義母様じゃないと拒み続けていた。


甘やかされていた第二夫人がそれに耐えられるわけもなく、スタンに会いに来る回数はどんどん減っていき4年前からほぼ会っていない。


「ちょっと待っててください。」


私の話を聞いたお義母様が何か物を取りに行った。


お義母様が席を立って後ろを向いたとたんキースの顔が真顔になった。目が異様に冷たく殺気のようなものまで感じた。


肌がピリピリする、彼が放っている魔力の影響だろうか。お義母様が近くにいなかったら確実に殺されていたな。


後ろの護衛も怖がっている。


あぁ、これがお前の本性か。お義母様は知らないだろうな。お義母様は可愛い息子としてのお前しか知らないのだろうな。


しばらくしてお義母様が箱をもって帰ってきてくれた。


キースも魔力を引っ込めお義母様にベタベタしている。


私の前に箱を置いてこれをスタンに渡すように言ってきた。


そして、スタンに手紙を書いたのだ。


お義母様はまだ私達を見放してはいない。


これは私にとっての希望だ!


「お義母様...ありがとうございます。」


お義母様はまだ私達のことを気にかけてくれている。嬉しい。


自分の感情を抑えられなくなり思わず義母様の手を握った。


お義母様の手を握るのは初めてかもしれない。


お義母様の手は、なぜこんなに硬いのだ?


お義母様は働きすぎているのではないのか?


お義母様を屋敷に連れて帰る日が待ち遠しい。




お義母様をしばらく握っているとお義母様をから帰るように促された。


「っあぁ。そうですね。申し訳ありません。久々にお義母様に会ったのでつい時間を忘れてしまいました。...では後日また伺います。代金は、」


そういうとお義母様は代金はいらないと言っていた。


なんとお優しい。


屋敷に帰ったらこれをスタンに飲ませ、手紙を一緒に読まなくては。


そして、お義母様を屋敷に連れて帰る準備をしなくては。


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