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離婚したので放っておいてくれませんか?  作者: 肉まん太郎
第二章
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12:侯爵家の長男

私はこの侯爵家の長男だ。次期当主であって第三夫人の第一子だ。


正直、第一夫人だったエカテリーナ様のことは嫌いではなかった。強いて言えば好きな方だ。


すべてに関して完璧であり、この屋敷で働いている人たちからの信頼もあつい。この屋敷で働いている人は彼女を尊敬したり、女神と崇拝している者もいたがあながち間違っていない。






私が彼女に近づいたり彼女と機嫌よさげに話すと第三夫人の母上が怒って使用人に当たり散らす。


だから、彼女がこの侯爵家の人間だったころはできるだけ避けていた。


私が彼女とできるだけ会わなければ母上も使用人たちに無駄に八つ当たりをしない。


母上はきっとわかっているから激怒してしまうんだろう。


自分はエカテリーナ様に勝てないと。


エカテリーナ様も美しくない訳ではない。彼女も美しい分類に分別される。


だけど、どこか冷たい。


他の夫人達とは違い父上が必要ではないし父上に対して興味もない。






彼女がいない侯爵家は意味のない王冠のようなもの。


エカテリーナ様を妻に持たない父上は名ばかりの侯爵、交流する価値もなければ気にする価値もない。


運が良いことにエカテリーナ様は私達のことを気にかけてくれていた。


父上や夫人達ではなく子供達が夜会や茶会、パーティーなどに出るときはみんな歓迎してくれている。






願わくばエカテリーナ様に帰ってきて欲しい。


私は父上とは違いエカテリーナ様の価値を知っている。


彼女は女神のような女性だ、慈悲深く、聡明であり、美しい。


どうやら次男が彼女のことを見つけてくれたらしいので、彼とどうやったらエカテリーナ様が帰ってくるか作戦を考えている。


最悪、父上を隠居させるという方法もあるがアレも一応父親だ。





あぁ、父上と言えばエカテリーナ様が離婚して家を出て行った最初の一年はただ単に家出をしたと思っていたらしい。


離婚したのにこの人の頭の中はどうなっているのだろうかと何回も疑問に思った。


結婚記念日に花を送れば機嫌が直ると思っていたのだろう。


エカテリーナ様と父上の結婚記念日の日に花をエカテリーナ様が住んでいる屋敷に送っているのだが土の中に埋められて肥料になっていることを知らない。


エカテリーナ様と離婚して三年目にやっと本当に離婚したと気づいて焦っていた。


もう、遅いのに本当に頭が空っぽなのか、それともバカのマネをしているだけなのか分からない。


父上は何回もエカテリーナ様が住んでいた屋敷を訪れては夕方まで待つという行為を繰り返して使用人に嫌な顔をされ、夫人達は嫉妬をして機嫌が悪くなっている。


最終的には自分は離婚を認めていないと言い出していたが、エカテリーナ様の離婚は国王様が認めているものであり、父上がどうにかできるようなものではない。




エカテリーナ様と離婚して早五年、今の父上は捨てられそうな妾そのものだ。


気が触れてしまったと言っても過言ではない。


エカテリーナ様を朝から晩まで待ち、挙句の果てには「私の愛しいエカテリーナに捨てられたら、どうやって生きればいいのだ!もしかして...外に愛人を作っているのでは?...どうしようか...もっと...もっとエカテリーナの好みの男にならなければ...エカテリーナと子供を作らなければ...屋敷に留まってもらなければ...どうやってエカテリーナを引き留めればいいのだ!?」と毎日のように言うようになっている。


なぜ離婚をする前に考え付かなかったのか。


父上は今更そんなことをしても遅いということを分かっていないのか?


自分からそんな仕打ちをしておいて何を言っているのだ。


もし私がエカテリーナ様の婚約者、夫だったら父上のような馬鹿なことはしないと自信を持って言える。






次男から聞いた話ではエカテリーナ様は子供がいるらしい。


年はこの家の末っ子とそんなに変わらないとか...


その子供、もしかしてエカテリーナ様が父上と結婚してた間に秘密裏に生んだ子供なのだろうか?


彼女は今、子供の父親と暮らしているのだろうか?


もし彼女が幸せを見つけたのならそれを壊したくはない。


この家にいる間にいいことなんて一つもなかったからな。


だが、できたら彼女からいろいろとアドバイスをもらいたい。


そのために、どうにか彼女と何かしら関係を持たないとならないな...

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