超優等生みのりちゃん
「んー……ジュンさんって物理詳しいです? ちょっと学校の課題分からなくて──」
「ん? 分かるかも知れないから見せて」
「これです、このケプラーの方式とかいうのです」
(プリントには意味不明な記号と公式が…)
「ごめん、全く分からん──って、みのりちゃんって理系だったっけ?」
「いえ、文系です。これ、一般教養なんです」
「い、一般教養って──そんなクソ真面目になんで一般教養やってるの??」
「私、一定以上の成績取らないといけないんです」
「んと、就職の為??」
「いえ、私授業料免除なんです」
「──え?」
「うちの大学、成績優秀者は授業料免除の奨学金あるんです。入学時からそうだったんですが、一定以上の成績優秀者を維持するだけで100万弱、年間で浮きますから。ちょっと真面目に勉強するだけで学費免除ならやった方がいいに決まってるじゃないですか」
「学費免除なら親もさぞかし喜ぶだろうね」
「あ、それは学費払ってるものとして私が貰ってます。当たり前じゃないですかー」
「──え??」
「だって、わたくし、うちではバイトも殆どしていない設定のお嬢様ですから、授業料免除分が私の小遣いという事になってます♪」
「……ま、まぁ、動機はどうであれ、学業専念する大学生が中々いない中、立派だね」
「えぇ、皆さんおバカで助かりますw 競争相手いないのでかなり効率の良いバイト出来ていますから♪」
──お金を餌にするだけで異様に学力があがり、超優等生になっていたみのりちゃんでした。
※次話公開は9/24 22時頃です。