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告白

──2月初旬某日、カフェにて


「このカフェ、1年以上ぶりかも。よく考えたらユキさん辞めてから来てなかったからなぁ」

「え~? もしかして、私目当てで来てたんですか~?」

「あ、それは違う(キッパリ!)。こっち方面に出向く用事、なかったしね」

「……そこは嘘でも私目当てって言って下さいよ~。何も真顔でキッパリ否定しなくてもいいじゃないですか~」

「あ、ごめん、ごめん。当然、ユキさんいなくなったっていうのも大きいよ? 冗談抜きに、ね」

「ま~、そういう事にしておいてあげます^^」

「ところで──後期の試験、どうだった?」

「バッチリです♪」

「おぉ……こう聞いて即バッチリです、って応える子って中々いないよ。凄い自信というか何というか……」

「私、こう見えても優等生ですから♪」

「確かに、今まで聞いた話だと──信じがたいけどあの●●大学で首席だとか……」

「そうですよ~、ちゃ~んと授業受けてますからね♪」

「そういえば、大学のどんな授業も一切休まず行ってるんだったっけ。大学行って遊ぶ子が多い中、ここまでクソ真面目に行く子なんて初めて見たよ……」

「当たり前じゃないですか~、大学は勉強しに行く所であって、遊びにいく所じゃないんですよ♪」

「その通りなんだけど……よく周りに流されないな~って関心するよ」

「あ、その点は大丈夫です。私、大学に友達いませんので流されようがないです♪」

「そ……そう来たか。でも、話している感じ、性格が暗いとか人付き合いが下手という事はなさそうなのに、何で?」

「あ、作ろうと思えばすぐ作る自信ありますよ。ただ、私がそうしないだけです。メリット見出せないですし♪」

「メリット?」

「例えば同姓の子と仲良くしたところで、表面上の付き合いに過ぎませんよね? 話す内容もくだらない事や男関係の話とかばかりですし。私の時間は()()ですので、そんな話に付き合うのは時間の無駄以外ナニモノでもありません」

「ぅわぁ……こじらせてるなぁ……」

「誤解されているかもですが、私は外には友達普通にいますよ? 彼氏だって何人もいますし。だから、寂しいとかそういうのは一切ないですね」

「な、なるほどね……」

「よく私、1人で空き教室とかキャンパスで本読んでいるんですが、ぼっちと勘違いされて声よく掛けられるんです。ただ、私は1人でいる時間が好きなので、放っておいて欲しいですね」

「……さぞかしミステリアスな感じで大学の男達にモテそうだね」

「えぇ、声をかけられない日はないくらいには♪」

「ま……ユキさん、黙っていればキレイだしね」

「──! だ、黙っていればってどういう事ですか!」

「いや、今の話だけでも案外毒舌じゃん? 大半の人は引くだろうからね……」

「──! 普段はこんな話、しませんから!」

「ま、個人的にはその毒舌はかえって好きだけどね。下手に上辺の話されるよりかはよっぽどか、ね」

「/// こ、こういう時、どういう顔すればいいんですか……」

「……笑えばいいと、思うよ」

「(ニコッ)」

「「wwwwww」」

「と、エヴァの名シーンを再現したところで──本題に入ろうか」

「えぇ、私も本題に入ろうと思っていた所です」

「確か大事な話がある、という事でネカフェじゃなくユキさんと出会った思い出(?)のカフェに来た訳だけど──何?」

「えっと……正直こういうのは私、初めてで……かなり緊張しているのですが……///」

「……俺から言った方が──いいかな?」

「いえ! 勇気を振り絞って私から言います! ジュンさんの──」

「──いいよ」

「ちょ! 最後まで言わせて下さい! それ、ジュンさんの早とちりかもしれないじゃないですか!!」

「頭が欲しい、私と組んでくれ! でしょ?」

「──もぅ! ちょっと勘違いさせてからかうつもりだったのに!」

「wwwwww」

「それにしても、即答でしたが──いいんですか? 私で」

「いや、正直ユキさんが言わなかったら俺が言っただろうから」

「一応、理由聞いていいですか?」

「……ロマンティックな事、言えなくてごめんって最初に言っておくよ。まずそのキレイな外見、非常に()()になるよね。次、頭の良さ、というかキレ? まだ全貌を見ていないけど、垣間見れる所だけでも相当だな、と。後、行動力。これもまだ垣間見た程度だけど、目的の為に本気で躊躇なく動けそうだなって。後、裏の顔のドス黒さ。ここまでギャップがある人、レアだから、興味あってね」

「……ホント、笑っちゃうくらい色気ない話ですねw」

「あ、ごめん」

「いえ、私も似たようなものですから♪ 恐ろしい程のジュンさんの頭のキレ、発想力、実行力、いい意味で常識外れの点。この私が組むに値する相手だと判断しました」

「……微妙に上から目線なのは、気のせい?」

「光栄に思って下さい。私がこの様に思った人はジュンさんが初めてですから」

「……ありがと」

「──ハァァァ~~~、緊張した~! ここまでドキドキしたの、生まれて初めてですよ。絶対断られないと思ってましたけど、もしも断られたらどうしようって、恋する乙女みたいに悩みましたよ……」

「いやぁ、久しぶりに俺もドキドキしたよ。下手な告白より緊張したかも……」

「……色気は全然ない話ですけどね^^」

「お互いに、ね」

「「wwwwwww」」

「じゃ、改めて。これからよろしくね、ユキさん」

「はい、こちらこそ、ジュンさん♪」


──これが中年ビジネスマンと才色兼備な女子大生の異色のコンビが誕生した瞬間である。

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