愛の逃避行~それ、ヤバいよね~
「ふんふふっふーん♪」(鼻歌交じりにスマホ弄っているみのり嬢の図)
「……また何か買うもの物色してるの?」
「あ、いえ。ちょっと昔の知り合いとやり取りしてまして」
「ほぅ、中学の同級生?」
「あ、いいぇ、お店の前の店長さんです」
「──ん?」
「ほら、私たまに風俗行ってたじゃないですか。その時雇ってくれた人なんです」
「ほほぅ、その店長さん、他の店舗に異動でもしたの?」
「あ、いえ。なんか辞めちゃって今何してるか分からないんですけど──あ、レス来た。……うわぁ、子供もうすぐ産まれるんだ~。美琴ちゃんの子かぁ、そっか〜、へぇ〜……」
「──ん? その奥さんも知り合いなの?」
「あ、はい。お店の子でした」
「……要するにお店の子と出来ちゃって、辞めさせられたんだ」
「あれ? そうなるのかな?? 急にいなくなっちゃったのは確かだけど──」
「……思いっきりヤバイんじゃない? そういうのバレたら、こういう業界は……」
「ん? そうなんですか?? 社内恋愛みたいなものだからいいんじゃないです?」
「いやいやいや、商品に手だしたら、タダじゃ済まないって……」
「え~、そんな事ないですって~」
「じゃ、なんで急に店長さんいなくなったの?」
「ん~~……、遠くで住みたいと思ったとか?」
「……今、遠くにいるんだ」
「きっとラーメン屋さんにでもなりたかったのかな? 何はともあれ、オメデト~~、っと♪」
──裏の世界で生きている割に、裏社会の現実をイマイチ分かっていないみのりちゃんでした。
※次話公開は9/19 20時頃です。