風俗待機室で受験勉強?
「ふと、みのりちゃん、◎◎大学いってるじゃん。ここ、推薦でいったの?」
「あ、いえ、一般受験ですよ。どうしてです?」
「いや、かなり偏差値高い大学だから、どうやっていったのかなーって思って。やっぱ高校3年生の時は今のお仕事休んで受験勉強してたの?」
「ん~、お仕事を休んだのは受験月の2月くらいですね。後はふつーにお仕事してました」
「ほぉ……予備校とかいって、その合間にやってたの?」
「いえ、この時は主にお店行ってまして、そこでガーってやってました」
「──は? どういう事?」
「店長さんに事情話したら、私専用の待機部屋兼プレイ部屋用意してくれて、お客さんいない時はここで受験勉強してました」
「あれ? 普通お店ってマジックミラーとかでフリーのお客さんに選んで貰うとかじゃないの?」
「たまーにマジックミラーでフリーのお客さん相手もしましたが、私は主に指名で来る人が多かったですから」
「……HPにも掲載してなかったんじゃない? 確か」
「お店に写真はありましたし、常連さん多かったですし、ね」
「……要するに専用個室が出来るくらい、売り上げあったよ、と」
「はい。基本、私が予定決めてお客さん入れてましたから、それ以外の時間は有意義に使えました。だから図書館代わりに入り浸ってましたね、あの頃は」
「……世の中広しといえども、風俗店の個室で受験勉強して一流大学に受かる子なんて……他にいないかもね」
「いやぁ、快適でしたよ♬ 学校では、図書館に入り浸っている事にしてありましたけどね♪ バイト禁止の高校でしたし、バレたら流石にヤバいですからね~」
「……仮にバレてたら、テレビでニュースになってても不思議じゃないね……」
「え? バイトがバレるだけでニュースになります?」
「……バイト先が違法風俗店じゃ、色んな意味でアウトだよ……」
「ま、バレなかった訳ですし、結果オーライですよ♪」
──弘法筆を選ばず、というこれ以上ない実例として後世に名が残っても不思議じゃないみのりちゃんでした。