表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/167

仕返し♪

──9月下旬某日



──カランコロン


「いらっしゃいませー。今日は現場の仕事じゃないんですね」

「あ、また会ったね。──あれ? 今日学校は?」

「今日は体育祭だったので、体調不良という事にして休んじゃいました♪ そろそろ上杉さん、来られるかな~って昨晩ふと思ったら、ズバリでした♬」

「まーた嬉しい事、言ってくれちゃって~。俺おだてても何も出ないよ、ほら、俺貧乏だし」

「そんなんじゃないですってば~。あ、今日は占いの仕事ですか?」

「あ、今日は勉強しようかな~って思ってね。──ほら」

「──! 微分・積分のチャート式? えっと……何で?」

「ちょっと大学受験しようかな~って思って──というのは嘘で、家庭教師の仕事が入ったから、ちょっと、ね」

「え? 家庭教師までやってるんですか?」

「たま~に、ね。週1で2時間5000円。時給自体は悪くないけど、事前の予習とかしなくちゃいけないから、実質的にかなり大変だよ」

「……ホント、何でもやるんですね。ただ──本当の目的って違いますよね♪」

「──え?」

「上杉さんの言ってたプロファイリングってヤツから推測すると、占い師や現場仕事がリテールの観察だったから、家庭教師は……若い子の生態観察、いや、それだけじゃないな……数学のブラッシュアップの為かな? では上杉さんの本当の仕事は、というと──色々な人をターゲットにして数字を用いる仕事、FPってところでしょうか」

「──な、なんで……」

「あ、その反応はズバリ──でしたね♪」

「ま、まさか俺が同じ事をやられるとは──」

「♪♬♪ こないだの仕返しですよ~」

「す、凄いね──君、何者?」

「私は単なるバイトしてるいち高校生に過ぎませんよ♪ あ、私の事はこれからユキって呼んで下さい」

「あ、あぁ……ユキさんだったね、今後そう呼ぶ様にするよ」

「それで、本業の方はどうなんですか?」

「それなり──って言いたい所だけど、それで食べていけるなら他事やってないよ。色々カッコいい事いってるけど、色々やらないと食べていけないから、というのが真実だよ、情けない事に──ね」

「そうですか……上杉さんセンスありそうだから、いい線いってると思ったのですが……」

「ま、現実は厳しいって事だよ。喫茶店だってホントは毎日でも来たいくらいだけど、今の収入じゃ1カ月1回くらいが限度で、ね──」

「た、大変なんですね。あ、今日はコーヒーサービスしますので、どうかゆっくりしていって下さい」

「お、ありがとう! じゃ、ちょっと勉強するね」

「頑張って下さいね♪」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=618303256&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ