アリバイ工作の為の普通のバイト
「ちょっと変な事聞くけどさぁ、今まで普通のバイトした事ある……筈ないか。援交ビジネスに風俗嬢やってるくらいだし」
「ちょっ、失礼な、ありますよー! 飲食店で。そもそも最初にジュンさんと会ったのは喫茶店で、私、ウエイトレスやってたじゃないですかー」
「そういえば……そんな事もあったねぇ。 素朴になんで喫茶店でバイトしてたの? いつから?」
「……高校からお金を遣う口実で」
「──え?」
「私、かなり昔から色々お金稼いでたんですけど、お金あっても遣えなかったんです。親にバレちゃうから。気が狂いそうでしたよ、お金あっても遣えないのは」
「だから、稼いだお金遣う為にわざわざ喫茶店でバイトしてたんだ」
「えぇ、親には時給2,000円って嘘ついて♪」
「で……いくら稼いでる事になってたの?」
「1カ月20万くらい♪ 少ないですけど、これでお金遣えるようになったんです♫」
「……高校生のバイトにそんな払う飲食店なんて日本にはないって──」
「いーや、きっと探せばありますって。メイドカフェだってそれなり、ですよね?」
「……高校生雇わないって、確か」
「スナックとかお水関係あるじゃないですかー」
「……同じく高校生雇わないって」
「え? 私、オテテの風俗で雇って貰ってましたよ♪」
「……思いっきり違法店だし……」
「ま、探せばいくらでも見つかるものですよー」
「ま、まぁそう……かもね」
「ただ、私は時給1万円以上ないとイヤだなー。1日で1~2万じゃ、私飢うえ死んじゃう♪」
「時給1万なんて風俗でも難しいわ、恐らく」
「えぇ、だからペアでやってるんじゃないですかー♪ 期待してますよ、これから♫」
──色々金銭感覚狂ってるユキさんでした。