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「援して何がいけないの?」~闇に舞い降りた天才援交少女~  作者: ジュン
最終章:人の3倍の速度で時間が進んでしまう少女
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夢を諦めて

「じーーーー」(何となく微笑みながらスマホの写真を見つめるみのりちゃんの図)

「何見てるの?」

「あ、前にも何度か話したオテテのお店で一緒だった美琴みことちゃんの写真です。──ぅわ~、数カ月でこんなに赤ちゃん大きくなったんだ~」

「まぁ、このくらいが1番可愛いだろうね、子どもは」

「いーなー、私も赤ちゃん欲しいな~」

「例のお気に入りの彼氏と結婚すればいいじゃん。彼氏、もういい年の社会人でしょ? 別に学生結婚でもいいんじゃない? 赤ちゃんと一緒に大学行くとかも今の時代、全然アリだし」

「……無理です」

「え? なんで? 援バレしても目をつぶってくれた心広い彼氏じゃん。思い立ったら即実行のみのりちゃんがどうしたの?」

「今でこそ私は健常者ですが、数年先──もしかしたら()()には病気が進行してしまう……()()しれません。 障がい者になって彼氏の重荷になりたくないです……」

「いや、別に重荷に思わないって、愛してる人だったら。彼氏、みのりちゃんに本気なんでしょ?」

「……本気で愛されているのが分かるから……そして私も愛してて彼に幸せになって貰いたいから……彼には私じゃダメなんです……」

「………」

「それに私の病気、かなりの高確率で子供に遺伝するんです。だから……」

「だから……それがどうしたの?」

「──え?」

「……みのりちゃん、今まで生きてきて、後悔してる?」

「いえ、それはないですけど……」

「なら──きっとみのりちゃんから産まれてくる子も幸せになると思うよ、例え同じ境遇になったとしても。それに彼氏だって、ね」

「………」

「幸せの定義なんて決まってないんだし、したい事──素直にすればいいと思うよ、今までだってそうしてたじゃん。結婚して赤ちゃん欲しいんでしょ? もしかしたら短い時間かもしれないけど、その時間を目一杯感じれば、共有すれば……幸せな人生だって──」

「………」

「ほら、言ってたじゃん。遠い街の何処かで、陽の当たる場所で静かに生きていきたいって、本当の夢だって。大好きな旦那さんと……子供と……3人で、ずっと──」

「ジュンさん、今日はやけに語りますね、それも()()()事」

「──っと、ごめん、熱くなりすぎたかも……」

「……ありがと、です。今、私……少し──幸せかもです♪」

「──え?」

「真剣に私の事、未来の事、本気で考えて言ってくれてる、その気持ちがジ──ンって来ちゃいました」

「ちょっ、て、照れるじゃん、そんな風に言われたら」

「大丈夫! 私はきっと幸せの人生送りますから♪  ()()の時はきっと笑顔ですよー、私^ ^」

■筋ジスと出産


 この疾患では、50%の確率で生まれてくる子供が同じ疾患である可能性がある。母親から子供に遺伝する場合,母親よりも症状が強くなり、生まれてすぐに症状が出てしまう重症な場合(先天型)もある。


※次話公開は10/07 21時頃です。

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