新生活始動!
私がホントに高熱で4日間寝込んでしまいました・・・。
目が覚めた次の日は大事をとってもう1日学校を休む事になった。体は大丈夫そうだが周りの会話から読み取るとサラは5日間高熱を出して寝込んでいたらしい。そして今私のベットの中には目覚めた時には部屋にいなかった妹エマが一緒にいる。
「姉さま?お熱もうない?」
「姉さま!ご本読んであげます!横になって!」
「姉さま、はい『あ~ん』。」
可愛すぎる・・・。咲も可愛かったけど、この服装も相まってお人形さんだ。
昨日はエマのおかげでホコホコした気持ちで1日過ごせた。がっ、今日から学院へ通わねばならない。
目覚めてから1日半で分かったこと、沙良の思考や記憶はちゃんとあるのに、この世界で必要な行動?いわゆる淑女マナー、貴族マナーみたいなものもちゃんと体が覚えていて勝手に体が動いてくれる。そして脳内記憶の方も今のところ問題ない。新たに会う人がいると、その人の頭の上にサラが知るその人の情報が文字となって浮かびあがるのだ。
なにこれ!チートってやつ?
いや、チートって特別すごい能力の事だったような。まあとりあえず邸内の人たちの事も分かったし、明日からの学院生活も大丈夫かな~とは思うけど、さすがにケセラセラな私でもちょっと緊張する。
いざ出発!弟のハリーと一緒に馬車に乗り込んだ。
「姉さん、着いたよ?ボーッとしてたけど大丈夫?体つらい?」
「大丈夫よ、ちょっと考え事してただけだから。」
教室まで迷わず行けた。クラスメイトの顔と名前もちゃんとわかる。勉強の方ももうすぐ春休みになるので、今は1年間の総まとめみたいな授業だったけどちゃんと理解できる。しかも計算に至っては小学生高学年レベル?って感じで物足りないくらい。
すごいぞ私!一気に楽しくなってきた!
いつ元の世界に戻れるのか分からないけど、この世界を楽しもう!!
『ケセラセラ』ですよ~!!
ってルンルン気分で楽しく友達とランチしてたのに・・・
「サラ!またソフィアに意地悪をしたのか!」
怖い顔した男性がずかずかとやって来た。男の頭の上に『リュカ・ノヴィック婚約者・・・・』と情報が浮き出た。この人がサラの婚約者か~、イケメンね。
「あらリュカ様お久しぶりです。でっ意地悪とは?」
「しらばっくれないで!一昨日私に足をかけ転ばせてケガさせたくせに!」
リュカ様の後ろからかわいい少女が顔を出した。
『ソフィア・アンダーソン男爵令嬢(16歳)転入して数か月後からリュカをはじめ数人の男子生徒と親しくなる。それと共にリュカとの関係に変化あり。』
ふ~ん、なるほどね。この子ヒロインってやつかな?じゃあ私が悪役令嬢?
なんか面白い!まあ普通に悪役令嬢するつもりないけど。
って考えこんでたらまた怒った声が飛んできた。
「サラ!黙ってないで何とか言え!」
「あらごめんなさい。あまりにも記憶にない事だから固まってしまいましたわ。」
「とぼける気か?」
「そうよ!」
「いや、とぼけるも何も私先週末から高熱を出してずっと学校を休んでましたの。今日久々に登校してきましたのよ?だから一昨日私が足をかけて転ばすなんてこと出来ないでしょ?」
「休んでた?」
「はい、ノヴィック様。サラはずっとお休みしてましたわよ。」
親友のマーガレット・ハンセン侯爵令嬢がすかさず答え、一緒にランチをしていたエレナ・ベルナール伯爵令嬢、クロエ・マーファー伯爵令嬢が頷く。
「うっ、そんな・・・。」
「そうか、じゃあソフィアの思い違いかもしれないな。今までの事があるからそう見えてしまったのかもな。ソフィアこれからは気をつけるんだぞ。」
「・・・はい。」
「では行こう。」
悔しそうに睨みながら去っていくソフィア。私に謝罪は?てかリュカ様って私の婚約者よね、今のどう見てもソフィアさんの方が彼女じゃん!
「は~、相変わらずね。婚約者が病気で寝込んでたのも知らずにいてたなんて。サラ、ノヴィック様の事本気で考えた方がいいのでは?」
「そうよね、今の様子だと向こうから『婚約破棄する!』って大衆の前で言いそう。」
「同じ侯爵家なんだからハーボット家から申し出てもいいんじゃない?」
「そうよね。春休みに入ったらお父様とお母様に相談しようかしら。」
「「「その方がいいわよ!」」」
みんな、どんなけリュカ様嫌いなんだ。でも何となくわかってきた、サラがこの世界から逃げたくなったワケが。サラはリュカ様の事すごく好きだったんだろうな、それなのにあの態度、辛かったんだろうな。私はムチャクチャ腹立ってるけど!!