三日目
突然ですがぼくの彼女の好きなところを挙げていきたいと思います。
何回でも言うけどずっと家にいると暇で仕方ないんだよ。ぼくの惚気に付き合いたまへ。
まず一つは顔がいい。やっぱ世の中顔。悲しいけど、これって現実なのよね。
そう。ぼくの彼女は街を歩けば誰もが振り向くような美人なのだ。
正直自分でもなんでこんな国宝級女子と付き合えているのか不思議でならない。どういうことなの……
次はこれ。めちゃくちゃ優しい。顔が良くて性格もいいとかなにこれ天使?いや女神だなこれは。
こうまで来ると、本当にぼくが恋人でいいの?って思っちゃうわけですが……いや真面目に。
でも、他の人がそういう下心満載で近づいてきても虎をも射殺すような目で追い払うのに、ぼくがいくらおっぱい揉んでも怒らないもんな……
これは愛されてるって思っていいのかな?いやなんか違うな?
でもぼくに対しては優しいって言うか生ぬるいって言うか……
ぼくを気絶させた時もそうだけど、あの時拘束に使っていた手錠、あれ多分おもちゃ。
SM用とかじゃない。壊そうと思えば壊せるような奴。
保険とか言ってたけど、もしぼくがすぐに気づいて壊せば無意味に終わっていたってことだ。
なんだろう、彼女はぼくに関して甘すぎると言うか……非情になりきれてないところがあるような気がする。
そこも含めて可愛いから赦しちゃうんだけどね!ぼくの彼女がこんなにも可愛いわけがある!!
最後はこれ。可愛い。異論は認めない。誰が何と言おうと彼女は可愛いんだ。ぼくは知ってるんだ。
寝起きの寝ぼけた顔が可愛い。いつもは綺麗にまとめてるのに家ではだらしなく垂らしたままの髪が可愛い。
ふとした時に見せる微笑が可愛い。嫌なことがあった時に気づかれないようにこっそり甘えてくるのが可愛い。
ぼくにセクハラまがいのことをされても嫌がるどころかむしろ応じてくれるのが可愛い。もう何もかもが可愛い。
ぼくも嫌なことがあるとつい彼女を思いっきり抱きしめて抱き枕よろしく同衾を求めるけど、彼女は「仕方ねェな」と言って一緒に寝てくれる。
そういう時、「あ、ぼくって今めちゃくちゃ愛されてるんだ」って思うんだ。
閑話休題。
とりあえず彼女はぼくにめちゃくちゃ甘くて優しくてかわいいってことは理解してもらえたはずだ。
もうすっごいんだよ。彼女、周囲にはクールビューティーって思われてるけど、ぼくの前ではあんなに可愛く……
「ただいま」
「!!!おっかえりッ!」
「うお、あぶねェ」
「うげぇっ」
避けられた。今度は鼻が痛い。心なしか熱いものが……
「……あ、おい。鼻血……」
「え?うわホントだ」
案の定血が出た。思いっきりダイブするつもりでいったからなぁ……
「すまん、まさかあれほど勢いよく来るとは思わなくてな」
「いや、いいんだよ……これはぼくが全面的に悪いんだし……」
とりあえず血を拭おう。床に少し垂れてしまった……カーペットじゃないところでよかった。
「おら、下向いてろ」
「ぐうう、ぞんざいに扱われるのもイイな……」
「……」
彼女がティシューをぼくの鼻に当てて思いっきり下を向かせる。
こんなんでも、一応悪いとは思ってくれてるんだよ……あまり表に出さないってだけで。
「……こっちこい。落ち着くまで大人しくしてた方がいいだろ」
「ヒェッ」
おおお、おっぱいが!彼女のDほどはあろうかと言う豊満なおっぱいが!ぼくの!顔に!
「ほ、本当にこんなことしていいの!?」
「……お前は何を言っているんだ」
あああ、子供じゃないからわかるけど……役得だなこれは……うわーめっちゃやわらかい……
男子なら一度は赤ちゃんプレイに憧れたことはあるのではなかろうか?あれに近い体勢ってことだよ。わかれ。
つい調子に乗ってそういう手つきで彼女の胸に触れる。
最早これはここでは日常茶飯事なので、彼女に軽くあしらわれて終わるのが常なのだが……
「…………んっ」
たまーに、こうして可愛い反応をしてくれちゃう時がある。
そういう反応をされて、更に調子に乗らないやつが果たしてこの世にいるだろうか。
無遠慮に両手で胸を鷲掴みにする。少し力を入れれば指の間からマシュマロみたいにはみ出すのがたまらん。
それでも彼女は少し顔を赤らめて身じろぐから余計に火が付く。
鼻血が出ていたことも忘れて、というかもう止まってた。ぼくは彼女の首筋に吸い付く。
本当は首筋よりもうなじ派だ。髪を掻き上げた時のあの色気を理解してくれる人は恐らく一定数はいるはずだ。
ちゅう、と音を立てて強めに肌を吸う。
それによってびくっと肩を揺らすのがとてもこう、可愛い。ごめん語彙力が死んでる。
「てめっ……つけやがったな」
「…………えへ」
「えへ、じゃあねーんだよ覚悟しろ」
そう言ってその後は仕返しと称したくすぐり攻撃を受けてぼくは死にました。
とりあえずぼくの彼女がこんなにもかわいい。ぶちおか。いやできないけど。