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終わり
悲しみながらも生き延びた九頭は洞窟を進みました。
するとどうでしょうか、洞窟の中は洞窟とは思えない所でした。
なんと、裸子植物の森。そして大きな泉が洞窟の中にあったのです。
洞窟の天井には穴が開いており、太陽の光も入ってくる過ごしやすい場所。
まさに楽園でした。
かくしてバロサウルス達はその洞窟で幸せに暮らしましたとさ。
◇
……彼等はハッピーエンドに終わりました。
しかし、バロサウルス達の楽園は永くは続きませんでした。
植物界の革命とも呼ばれる大きな変化に抗う事はできなかったのです。
繁栄を誇ったバロサウルスは、およそ一億三千万年前に北米大陸から姿を消してしまいました。
花が一気に勢力を増していった白亜紀には北米大陸の竜脚類は殆ど絶滅してしまったのです。
巨大恐竜の楽園は終わったのです……。