表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/10

1.無能の中に天才有り

これはプロローグの5年程前の話です。

5年前


「…人間てこんなに無能だったのかよ…。」


そう言って男は溜息をこぼした。

彼がいるのは、通称W(World)B(Brain)M(Meeting)。その名の通り世界の頭脳とも言われる各国の研究者が集まっていて、彼もまたその一人であった。

そんな彼がこうも落胆しているのには目の前の光景が原因だ。


「だからその計画は我々ロシアが引き継ぐと言っているっ!」


「貴様等のような卑怯者の元密兵には信頼がおけんわ!我々アメリカこそ相応しい!」


「独裁者が何を言うでありましょう。ここは私達フランシスが責任をもって計画を成功へと導きましょう。」


「フランスの駄犬がでしゃばるでないわっ!」


「だ、駄犬ですって!!!!!」


「ふぉっふぉ、発案者の天音氏亡き今その計画はもはや我々中国にしか遂行できぬものというのに。背伸びしてはいけんぞ?若造共が。」


「古い思考の老いぼれには不可能なことが理解できないらしい。ここは世界中立研究所にお任せしてはどうでしょう。いや、それしか方法はありませんよ。もう一刻と世界の崩壊は始まっているのです。」


「平気な顔で人身実験を行う貴様らに任すと思うか!!これは世界の未来がかかっているんだぞっ!!」


ここまででこの男の苛立ちはピークに達した。足を円卓の上で組み、冷淡な声で言い放つ。


「無能共の小競り合いを聞く程苛々するこたぁねぇよな」


ここにいる全員を格下に見た言い方に怒りを表にしてこちら振り返るが、声の主に気づくと全員が俯いた。


「お前らの言い分だとこの計画を引き継ぐべきなのは悪用せずに確実に遂行できるやつってことだろ?

そんな奴俺を除いたら誰も適任なんかいやしねぇよ」


その言葉に先程から言い合っていた者たちは不満な顔をするも異議を唱えることはしなかった。いや、できるはずもないのだ。

なぜならこの傲慢な態度の男こそこの会合の発端となったある計画の発案者である天音忠(あまねただし)の実の息子であり、「神の頭脳」と呼ばれ、数多の常識を覆してきた史上最高の天才であるからである。


「んじゃこの件に関しては俺が引き継ぐ形でおけ?異議のない者はその沈黙をもって応えよ。」


『『・・・・・・・・・・・・・・・・・』』


「ではこれを以て解散とする。以後俺の研究に関与は禁ずる。」


最後の言葉に研究者たちに動揺が走る。どうやら俺に干渉するつもり満々だったってことか。ここはひとつ念押ししておくか。


「何であれ干渉してきた場合はこの頭脳をもってお前達全員の秘を露呈する。わかったな」


これで研究者たちはまず干渉はできないだろうな。高度な研究になればなるほど非人道行為を行うことが多い。例えしらばっくれたとしてもここにいる全員の秘密を暴くわけだから手出しは不可能というわけだ。


研究所兼自室に戻ると、そこにはたくさんの某人気アニメのポスターとフィギュアが置いてあった。その中でも極めて目立つ無機質な大きな装置の前に立ち、男、もとい天音雪は叫ぶ。


「やっと行けるぜ!!!異世界によぉぉぉぉおおおおお!!!!」


すると虚空からひょっこり出てきた半透明の物体が震えながら怒鳴った


「旦那ッ!!今何時だと思ってやがるんでぃ!!!!!!」


この「神の頭脳」とも称される天才。天音雪は父が生涯費やして掴んだ計画「世界移転計画」を自分の欲の為に改竄しようといていた。

誰もこの事は知らない。

誰もが彼を世界史上最大の天才と讃え、救世主と崇めるだろう。

誰も知らないのだ。

彼が俗にいうヲタクだということを。

彼が目指す計画は

「世界転移計画」ではなく

「俺 異世界で最強なるわ計画」だということを。

筆者「世界も救ってやれよ・・」


雪「まぁ、長年住んでたわけだしなぁ・・・・・だが断る((どやぁ」


こんな奴さっさと奴隷になっちまえよ・・・・

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ