9話 新しい家
馬車でドナドナされてやって来ました。子爵領の領都。今日からここに住むそうです。自然がいっぱいスゴイナー
中世ヨーロッパ風だけど、道などは綺麗にされていて、見える範囲ではゴミ等も落ちてない。素晴らしいな。あ、なんと、孤児は身分証がいらないらしいのが常識らしい。200年くらい前の王様が決めたらしく、町に入った後で孤児院に入ったときに作られるそうだ。びっくりしたぜ。態度には出さなかったけど。ていうか、素晴らしい制度だ。王様が善政敷いてるんだな
まあ、そういう訳で今は身分証を発行して貰っている。生い立ちを話したら同情された感じがしたけど、孤児は普通町にいるもんなんだからだろうな。知らなかったとはいえ、罪悪感がある
それにしても、普通孤児とかそこら辺にいるのがファンタジーってもんだろとか思ってたが、違うんだな。この制度作った王様転生者だったりしてな。王都に学校もあるし、地方でも安く学校に通えるらしい。無料とはいかなくても凄いな。衛生管理もきちんとしてる。良くやった。とても住みやすそうだ
あ、身分証の発行が終わったみたいだな。次はいよいよ新たな家か。でかそうだな。貴族だし。領主だし
「ほら、今日からここが君の家だ」
旦那さん。……でかいな。まあ、思ったよりも住みやすそうだ。無駄にキラキラしてなさそうで良かった
「おかえりなさいませ。旦那様」
執事いるよね。やっぱり。素敵なおじ様だ
「ただいま。ミカリス。この子が例の子。クラウドだ。息子になった」
「ほう。私、執事のミカリスと申します。よろしくお願い致します。クラウド様」
やーめーてー様なんてつけないでー。挨拶はするけどー
「よろしく……お願いします。ミカリスさん。……あの、様はちょっと」
「ほら、ミカリス。まだ慣れていないんだ」
「申し訳ございません。では、坊ちゃんとお呼びいたしましょう。私のことはどうぞミカリスと」
それもそれでどうなんだ。普通の子供だったら偉くなったって勘違いしそうだぞ。でも、この人執事さんだからな。仕事だもんな
「では、坊ちゃんはお風呂で汗をお流しください」
汚いってことですね。すみません。これでも毎日クリーンかけてるし、タライ風呂入っているんです。まあ、今日は採取活動したり、猪取ってて汚れてるからな。仕方ないけど。あ、頷いとこう
「こちらです」
うお、メイドさんが!びっくりした。まあ、とりあえず、お風呂行こう
お風呂でピカピカになりました。あ、ちゃんと自分で入ったからな。そして、始めて魔道具を見た。凄かった。魔石に触ると水がでるんだ。もちろん、お湯もでる。すごい
旦那さんの子供の頃の服を着せられて、髪をといてもらえば、貴族の子供に見える。外見って大事だわ
あ、旦那さんのところに行かなくては