7話 家族ができた(強制)
とりあえず奥さんと、何気にアレンという忍者も家の中を調べまわっている。いいけど、特に何も無いぞ。あるのは机とかベッドとかだけだ。ほとんどボックスに入っているからな
「あんまり物がないわね~」
「ボックス持ちか?」
頷く。この世界では珍しくもないからな。魔力量によって入る量が違うが。ああ、時間経過はする人もいるし、しない人もいる。大体7︰3くらいで、しない人の方が少ない。俺はしないから少し珍しいな
「君がここを作ったのか?」
頷く
「いつから住んでるんだ?」
「1年前……くらいです」
「そうか。君は……何故ここに?」
「追い出されたから」
そういう設定だったよな。確か。あれ、奥さん達もいる。いつの間に
「それは、親に?」
首を振る
「村」
「親が亡くなったから村を追い出された?」
思い出せー設定をー。えっと、育ててくれたのはじっちゃんだっけ、ばっちゃんだっけ?
「親は知らない。爺さんに育ててもらった」
「成程。何故君は森に?他の村や町に行こうと思わなかったのかい」
「村は余所者を受け付けない。町は……攫われる」
段々喋れるようになってきたな。敬語は消えたけど
「攫われる?」
「高く売れるらしい」
「人攫いか。だが、何故そう思った」
「会うやつ皆同じことを言う」
「それは……」
「あ~もう!シュタルム、もういいじゃないのよ」
奥さんが怒った。何故に?え、俺何かした?
「クラウド君!うちの子になりなさい」
は?
「おい、リーリャ」
「いいじゃない」
良くないだろ。旦那さん困るよな
「元々そのつもりだったんだから」
「いや、それはそうだが」
俺の意見は!?
「来るわよね」
「え、いや、あの」
怖いです。大体貴方達に何の得が?
「まあ、落ち着きなさい。リーリャ。クラウド君、私達夫婦には子供がいないんだ」
へぇ、でも、何で俺?ほかの孤児でいいんじゃ?そう思ってるのが分かったのか
「ふむ。ご神託があってね。この森で1人で暮らす少年がいると」
神託?神様そんな頻繁にしてんの?ていうか、元々俺目的かよ
「神託によればその子は貴重な上位属性が使えると。魔力量も申し分ないため、私達の子供として育てたらどうかと」
神様何やってんだよ。まあ、森から出なかったから心配してくれたのか?ずっと森で暮らすわけにも行かないよな。知ってた
「私達はね、ご神託があったからここに来たけど、育てるかどうかは本人を見て決めようとおもってたの」
奥さんはっきり言うなー。すると、俺はこの人達のお眼鏡に叶ったっていうことか?
「どうだい?私達と暮らさないか」
「嫌だと言ったら」
「どの道ここには置いておけないからね。孤児院に連れていくかな」
「毎日会いに行くわね」
ニッコリと笑った奥さん。怖いです。目が逃さないって言ってます
「さて、どうする?私達の息子になるか、孤児院に行くか。まあ、孤児院に行っても毎日妻が行くそうだから寂しくはないよ」
それ選択肢がないですよね。素直に行くか、遠回りして行くかの違いですよね。「はい」か「いえす」しか認めないんですね。何それ理不尽