6話 貴族
本日2回目。
どーも。謎の忍者?に連れてこられたクラウドです。忍者は黒髪に、緑の目のイケメンでした。爆ぜろ
そしてただ今、金持ちっぽい夫婦が目の前に。左右に護衛(多分)が。忍者が後ろにいます。逃げ道は無い。泣きそう
「初めまして。私はシュタルム・ヤーデル。そして、妻のリーリェルだ。君の名前は?」
……苗字がある。貴族だった。誰か助けて
「クラウド」
「クラウドか。それで、君はどうしてこんな森の中にいたのかな?」
イケメンの旦那さんが聞いてくる。答えとこう。なんせ貴族だからな
「住んでる……ます」
あっぶな!危うくタメ口で話すところだった。人とまともな会話をしなかったこの1年でコミュ障になった!?まじか。やばいぞ
「無理に畏まらなくていいよ。住んでるっていうのはこの森にかい?」
とりあえず頷いとく。「はい」か「いいえ」で答えられるのは頷くか首振るかしとこう。喉が持たなさそうだ。もしかして退化してるのか。魔法使う時しか喋らないのが仇になったな
「そうか。君の家に案内してもらえるかな」
疑問符付いてませんよ。強制ですね。分かります
まあ、悪い人じゃない……のか?多分。襲ってこないしな。いや、忍者には襲われたんだった。それに貴族だしな……
どうしようか。とりあえずマイホームに行くか。貴族には逆らわないほうが懸命だろう。偏見があるのは仕方ない。貴族なんて初めて会ったんだからな
「あ、少し待ってくれ。アレンはついてきてくれ。他は馬車を任せる」
「了解」『はい!』
「待たせたな。行こうか」
まあ、この貴族は随分とフレンドリーだと思うが
って、ちょっとまて。奥さんも行くのか?大丈夫?結構深いとこまで行くけど大丈夫?
「私なら大丈夫よ~」
え、まじで?本当に?旦那さん止めないの?
「大丈夫だ。というか、妻の方が強いからな」
え?
「うふふ~」
……え?
衝撃的な事実にやや呆然としながらも、あと少しでマイホームにつくところまで来た。もう洞窟は……見えないが。土で塞いでるからな
「結構深くまで来たな。あとどのくらいだ?」
旦那さんが聞いた。が、もう着いたんだなこれが
「行き止まり?ここを登るのか?」
首を振る
「違うのか?」
「ここ、家……です」
土魔法で塞いでいる土をどかす
「!」
「あらあら。まあまあ」
「おお」
ふふん。どやぁ。……どやっても、顔に出てないな。多分。表情筋も死んでるな。知ってた
「君はここに?」
頷く
「入ってもいいかな?」
また頷く。ていうか、奥さん入ってますよ
「わぁ~凄〜い」
「あ、ちょ、リーリャ!?……妻がすまんな」
奥さん自由だな。まあ、気にするな。旦那さんよ