16話 家庭教師
ミカリスの授業は昨日で終わり、今日は歴史、数学……じゃなくて、算術の先生と音楽の先生が来るらしい。明日は剣と魔法の先生だ
まあ、毎日ここに来るより、1日交代で休みがあった方が良いよな。1週間のうち1日は休みで後は全部授業だ。授業自体は午前と午後で別れているが、学校かよと思う
そういえば、今までゆっくり考える時間が無かったけど、なんか微妙に地球の要素があるんだよな。この世界。まあ、例の王様のせいってか、お陰なんだろうけど
あ、来た。若い男の先生か
「今日から歴史と算術を教えさせてもらいます。ラウと申します」
「クラウドです。よろしくお願いします。それから、私は生徒ですので、敬語は不要です」
ふはは。もうスラスラ敬語が出てくるな
「そうですか?……では、早速だがどこまで出来るのか確認させてもらう」
テストかー。どこまでが普通なのか分からんからなー。どうしようかなー。あ、難易度が書いてある。親切だな。それにしても、最高難度が分数ってどうよ。まあ、角とか面積とかは学校で習うのかもな……あ、歴史どうしよう。白紙でも仕方ないよな。うん。これから本読んで勉強しよう
「では、始め」
ふむ。これは1桁の四則演算だな。解こう。次は?2桁の四則演算で、その次が3から4桁の筆算使うやつか…ここまでかな。じっちゃんに騙されないように、教えてもらったと理由が出来るからな
次は歴史か。……うん。わからん。白紙だな
「終わったか?では、こちらに」
スっと渡す申し訳無いので歴史を上にしとこう
……うん。教師の目が怖い。出来が悪くてすんません
よし、気を取り直して音楽の授業だな。頑張ろう。ダンスも少しは踊れるし、何よりピアノとバイオリンが楽しみだ
「私、メアリーと申します。本日から音楽の授業を担当させていただきます。よろしくお願いします」
厳しそうな女性だな。40代くらいか。この人はこれが素っぽいな
「クラウドです。よろしくお願いします」
「では、本日はダンス、次の授業はピアノ、その次はバイオリンと回していきますわ。クラウド様、ダンスはミカリス様から基礎を教えていただいたそうですから、今日はその成果を私に見せてくださいませ。相手は私がしますわ」
「はい」
……疲れた。すごくダメ出しされた。音楽の才能ないのか?いや、諦めるな。俺はなんでも卒なくこなす敬語キャラなんだ。神様に身体能力上げてもらったじゃないか。頑張らねば!
……きちんと復習しとこう。歴史もミカリスに本持ってきて貰おう




